
RyanMcGuire/pixabay
家族間で言い争いが勃発し、それぞれの意見が分かれることはどの家庭でも起こり得ることだ。しかし、「家族メンバーで、誰が一番あなたを悩ませているか」という調査によると、最も喧嘩になりやすい相手同士は特に母親と子供なのだそうだ。母親は、自身の性格や態度が我が子に反映されているのが見えるからこそ、余計に自分の子供の態度を受け入れようとしなかったり、正そうとしたりすることがよくあるという。そして子供へのコントロールに失敗し、逆に激しい争いに繋がる可能性が多いというのだ。
広告
心理学における「投影」と呼ばれる心の働きとは?
心理学研究では、自分を怒らせる子供は、実は自分自身に非常に似ているからとされている。実は、親は周りの誰よりも我が子とより一層複雑な関係を築いており、それは「投影(Projection)」による影響が大きいと心理学者は説いている。
「投影」とは、人間が持つ防衛メカニズムであり、自分自身が容認できない心の中の欲求など感情や思考、態度を無意識のうちに他者へと投げ入れることよって、それらを他者に転嫁してしまう心の働きのことを意味する。

Free-Photos/pixabay
自分のネガティブな側面に責任を負わずに、欲求や様々な感情を相手に投げかけると、それをされた相手は不安やストレスを引き起こし、物事の改善や克服を妨げる結果になってしまう。これが母子間で起こる場合、自身を受け入れるという現実に直面するよりも、感情を我が子に移動させ、怒りを感じた方が楽だと思う母親も中にはいるようだ。
子供たちは親の行動を真似る
子供の多くは親の性格を受け継ぎ、それが態度にも現れる。子供たちは、幼い頃から親が様々な状況でどのように行動するかを観察している。特に思春期に子供の人格が確立され始めると、子供らは話し方から反応し方まで両親の行動を取り入れるようになる。

edsavi30/pixabay
それはある意味、両親の気分でさえ子供の感情的な発達に影響を与える可能性があるということだ。誰しも、人生を通して過去を回顧した時、自分が下した決断の一部や困難な状況への反応の仕方に満足できず、それを変えたいと思う傾向にある。
しかし、自分が親になった時に我が子が同じ過ちを犯していることを知ると、自動的に正そうとし、子供が成長しても自身を子供に投影して子供をコントロールしようとする。
そんな親は、子供の態度に自分との共通点を重ね、より一層子供に悩むことになってしまうようだ。

Pexels/pixabay
悩んでいる現状を解決する方法
心理学者は、親は自身の内部紛争をまず特定して解決し、その後子供を正すよう努めるべきだとアドバイスしている。心理学において、自我認識の適切なバランスを保つには、「投影」と「取り入れ」が大切だと言われる。
「取り入れ」とは、他者が持っている価値観や感情をそのまま自分自身のものとして受け入れることにより、自身の人格や価値観を補強したり、外部との価値観や感情の衝突を回避したりする心の働きのことだ。
つまりは、親は子供に対して「自分には所属していない」ということを受け入れなければならない。そして投影することなく、子供がミスをしてもそれを人生の学習体験として受け入れさせ、自分で決断を下すよう促すことが大切だ。
以下が心理学者からのアドバイスだ。
・問題が起こっても、相手を責める前に客観視しよう。判断を下す前に互いの立場を考えてみよう。
・子供への対応方法や声のトーン、話しかける言葉を自分でしっかりと認識しよう。
・子供があなたのアドバイスを聞き流したり、顔をしかめたりしたのを見て、あなた自身も同じように反応していることに気付こう。
・感情をコントロールするようにしよう。落ちついていればいるほど、相手には伝わりやすい。しかし動揺が激しいと、子供はそれを反映し、あなたと似たような態度を取ってしまう。

marvelmozhko/pixabay
悩ませているものを受け入れることを学ぶ
子供に対してだけではなく、自身の在り方として見つめてみることも大切だと心理学者は説いている。それらのアドバイスとしては次の通り。・自分を受け入れ、変えられないものがあることを認識するべき。改善できない側面は過去に置いておく。前に進むことに焦点を合わせて生きよう。References:/brightside.meなど / written by Scarlet / edited by parumo
・他人を評価することはできない。全ての人間が平等であるとは限らず、違いに耐えることを学ぶ必要があるということを理解しよう。
・1日数分だけでも瞑想する時間を持とう。これにより、自分の好きな側面と改善したい側面を区別できる。
・素直になろう。長所と短所をさらけ出そう。結局のところ良い面も悪い面も、あなたの人間としての本質なのだから。
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
ありがとう。「他人は自分の鏡」やら「悪口は自己紹介」などの言葉で表現されても、なかなかうまくはいかないんだよね。でも、すごくいい言葉を聞いた。
2. 匿名処理班
このての事はだいたい古い仏教に書いてある
そのための解決法も書いてある…が実践は難しい…
3. 匿名処理班
年を取れば取るほど、母と似てきたなあと思う。私には子供はないけど、仕事で会う若い人に、気がつくと自分の母と同じことを言っていたりしてぞっとする。
結局、とくに対人関係で兄弟がいないと、身近で無意識に手本にしてしまうのが親か祖父母になっちゃう。どうにかなりませんかねこれ。
4. 匿名処理班
心理学にしちゃうのがなあ。。。
5. 匿名処理班
親が毒親なので最近それに似てきている自分に絶望してるんですが…。
6. 匿名処理班
似ていますねー。似ていると思いたくない気持ちもあります。
7. 匿名処理班
※3
親御さんの影響は大きいよね。
けど、これまでや今現在のお友だちや、読んできた小説やマンガや、見てきたドラマや映画や、色んなものの複合体でもあると思うんだよ。
共有してない経験は、絶対にあなたのものだよ。
8. 匿名処理班
確かに母親と折り合い悪かったが性格が親と似てる所なかったけどな
危機管理もなくいい加減な両親と余裕を確保しキッチリするのが好きな自分
9. 匿名処理班
親がこういう記事読むような人ならいいんだけどね
10. 匿名処理班
※5
「似てきている」って自覚出来る時点で、親とは全然違うと思うよ。
大丈夫じゃないかな。
11. 匿名処理班
親子は遺伝や幼い時からの長い付き合いので自ずと似てくるものだが、やはり、あくまでも似て非なる者だ、親の性格をベースに良くも悪くもするのは自分次第。
12.
13. 匿名処理班
そりゃそうだろう、何の不思議でもない
14. 匿名処理班
道歩いていると、俺って超絶イケメンなのに女に不審者扱いされること多いから、そもそも女の脳は社会性みたいものが足りなくて、他人の命なんて屁とも思わないサイコパスが基本でもあり、幼児性が濃いばかりにマウントを取りたがる野生動物的な性質もあり、要はそこまで人間でもないんだと思う。目の前の事象にただ反応してるだけ。
15. 匿名処理班
大抵の子供は親にもう片方に悪いとこが似ていると罵倒され
いいところは自分に似ていると褒められる
そうなんじゃないか
16. 匿名処理班
片頭痛頻尿便秘不眠
両親の悪いところばかり似てしまった
17. 匿名処理班
私が嫌いな人間は私に対して害をなす人間なんだけど
私をいじめてこなければその人物を好きでも嫌いでもないよ
それも自分を投影していると言えるのだろうか?
18.
19. 匿名処理班
子は親の鏡。人のふり見て我がふり直せ。
この二つが無い人が親になると、子供が苦労するってことか。
親になってはいけなかった人ってのは一定数いるもんな。
20. 匿名処理班
※14
おいおいw
とりま、見た目イケメンなら、素行からやり直してみようか☆
丸ごとそっくり男性のありがちにも置き換えられるよ
女だとマウントってよく言うけど 男性社会だと多くはパワハラだしね
21. 匿名処理班
>>3
心理学者のアドバイスが記事内にあるからご参考に
22. 匿名処理班
>>14
「他人」は自分の鏡、と云うからな。
23. 匿名処理班
>>7
彼女が言っているのは経験ではなく言動では?
24. 匿名処理班
>>14
最後まで読んで、もう一度読み返そうと最初に戻って、「俺って超絶イケメンなのに」で吹いた。
25. 匿名処理班
>>14
幼稚な女も幼稚な男も多いよ
26. 匿名処理班
模倣した場合
行動パターンもおそらく近いものになる
27. 匿名処理班
※5
あんなに「親のようにはなりたくない」と人生かけて抗ってきたのに、結局血の呪いからは逃れられないと分かったときの絶望感たるや!まぁ親がトンビであってくれたおかげでタカになれた利点もあるけどさ。
ほんと子供作らなくてよかったー、これからは三代続いた負の連鎖を私の代で終わらせられたことを唯一の誇りにして生きてくよ。
28. 匿名処理班
人間って仕事や地域の保全活動を通じて群れを作って、それで仲間を助けながら生き長らえてきてる種族なんだぞ
大人になってもそれがわからない毒親を諭すべく日々神経をすり減らしてるのに、自分が似てるから言い争いになるんだと言われたらショックだわ
でも、過干渉なのもダメなのかもな
29. 匿名処理班
親に言動似てきている自覚があるから余計なこと喋らないようにしないとなって常に思ってる。それでも似てきてるなと思う時はあって自分にはタヒにたくなる瞬間のうちの一つ。2人とも毒親だから