メインコンテンツにスキップ

なぜだか外国語なまりになってしまう奇妙な症状「外国語様アクセント症候群」とは?

記事の本文にスキップ

28件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Peggy und Marco Lachmann-Anke from Pixabay
Advertisement

 本人は普通にしゃべっているつもりなのに、なぜだか外国語なまりのような発音になってしまう。かといってその国の言葉をもともと話せるわけではない。

 これは「外国語様アクセント症候群」と呼ばれる珍しい医学的症状であり、なぜこの症状が出るのか、完全な解明には至っていない。

 主に頭部の外傷や脳梗塞などで脳が損傷することで発症するとされているが、最近では心理学的な要因もあると指摘する研究も発表されている。

約1世紀前に報告されてから100例に満たないレアな症状

 外国語様アクセント症候群(Foreign accent syndrome)は、1907年に初めて報告されて以来、100人ほどにしか診断されていない(1941年から2009年までの間の記録例は62例)非常に珍しい症状で、母国語が英語である人に多いとされる。

 ジュリア・マティアスという英国人女性は、交通事故にあってから突然フランス語と中国語の中間の様な奇妙なアクセントで話すようになった。

 また、あるアメリカ人女性は夜に頭痛を覚え、目が覚めるとイギリス、アイルランド、オーストラリア風アクセントが混ざった話し方をするようになった。

 英語だけでなく、アジアやスペインなどにも事例はあるそうだ。

この画像を大きなサイズで見る
Gerd Altmann from Pixabay

外国語様アクセント症候群の原因は?

 原因と考えられるのは、脳の左側にある「ブローカ野」の損傷だ。ここは運動性言語中枢とも呼ばれ、発音に関連しているとされる。

 だがより最近では、心理学的な要因もあると指摘する研究も発表されている。

 全体的に見ると、原因によって「神経性」(脳梗塞や外傷など、脳の構造的損傷に起因)、「心因性」(はっきりとした損傷はないが、患者に感情的・精神的ストレスがあったり、統合失調症などの精神疾患がある)、「混合」の3タイプに分類できるようだ。

特定の発音が苦手になる

 外国語様アクセント症候群の患者に共通しているのは、たとえば「splash」という単語にあるS-P-Lなど、特定の子音結合が苦手になることや、母音と子音がはっきり発音されていないように聞こえることだ。

 ほかにもイントネーションが増えて、どの単語も強調しているかのように聞こえる、舌で口の上を叩くような発音が苦手になる、「あー」という音が増えるといった特徴もある。

 万が一、あなたにもこうした症状があれば、念のため医師の診察を受けてみるといいかもしれない。話し方の変化は、何か重篤な問題が隠れているというサインであることがあるからだ。

 ただし、外国語様アクセント症候群はきわめて珍しい症状なので、きちんと診断されるまでには幾度か専門家の検査を受ける必要があるかもしれない。

この画像を大きなサイズで見る
Stefan Keller from Pixabay

思ったように話すことのできない苦痛

 もしかしたら、発音が外国語なまりになるくらい大したことではないと思う人もいるかもしれない。

 しかし、目が覚めたら突然話し方が変わっているという経験は、その人の自意識に大きな影響を与える。それはアイデンティティの危機にいたらせる大変な経験なのだ。

 本来の自分のものではないアクセントになってしまうと、これまで自分が属していた社会階層、教育レベル、出自といったものから切り離されるような思いを味わうことになる。

 それがいかに大変なことか想像してみてほしい。

治療法はあるのか?

 治療方法は、先ほどの述べたタイプによって異なる。

 心因性のものなら、言語療法士から発音の訓練を受けたり、カウンセリングを受けることで新しいアイデンティティに対応するといった治療が考えられる。

 神経性であれば、脳梗塞を予防するための治療や抗けいれん薬の服用、あるいは場合によっては外科手術も検討されることだろう。

 しかし繰り返すが、非常に珍しい症状であるために、有効な治療法の確立やはっきりとした原因の究明にはまだまだ研究が必要なのが現状だ。

References:Foreign Accent Syndrome: a Curious and Extremely Rare Brain Condition – Learning Mind/ written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. これって、アクセントがフォーリンガーになってるんじゃなくて、
    一部の発音がディフィカルトなだけなんじゃないかと。

    • +10
  2. フェイタンみたいに「っ」が言えない場合は
    それを疑うべきって事ですよね・・・・・

    • 評価
  3. 友人に大阪人が居ると東京人でもアクセントがおかしくなる
    みたいなヤツ?

    • 評価
  4. フランソワーズ・モレシャンの事を思い出した。
    確かにフランス語なまりの日本語だったような気がするw
    まあ、「外国語様アクセント症候群」ではない事はわかってるけど。

    • +2
    1. ※6
      だな。
      アレは地方病で津軽に多発するらしいぞ。

      • 評価
  5. 何故だか大阪弁になってしまうやつかと思った。

    • +3
  6. 「そこーの道を、ますーぐ行ってー、ひだーりーに曲がると、えーきです。」
               で、外人に駅までの道を教え切った母ちゃんに乾杯!

    • +10
  7. 100例ほどしか確認されてない割には色々わかってること多いんだな

    • +1
  8. トゥメイトゥ
    タメィゴゥ
    のコピペを思い出した

    • +3
  9. 語尾とイントネーション他の人と違うことある。
    Facebook
    フェイス→ブック→が
    フェイス⤴ブック
    Tully’s
    タリーズが
    タ⤴リー⤴ズ

    • 評価
  10. 発声機能にダメージを受けた結果、たまたま外国人訛りのようになっちゃってるってだけだよね。
    記事に挙がってる例も、「正しく◯◯人のようなアクセント」ではなく、「敢えて言うなら◯◯人のようなアクセント」の様だし。

    • +6
    1. ※13
      日本語でいうと、
      促音(小っちゃい「っ」)を抜かして喋ると
      中国人訛りっぽくなる、みたいな感じなのかな?

      ググったら、日本人の外国語様アクセント症候群の場合は
      “発語失行”の特徴が目立ち、母音や子音の長さが変化する
      「英語アクセント型」と、
      発語失行はそんなに無く、ピッチ(高低)の障害が目立つ
      「中国・韓国語アクセント型」とが、主にあるらしい。

      • +4
  11. ワイ関西人、朝目が覚めて急にエセ関西弁しか話せなくなってたら…と想像してゾッとする
    客観的に見ると面白い症例だけど当事者からするとたまったもんじゃないだろうなぁ

    • 評価
  12. ワイ、猛虎弁を多用。
    なお、リアルでもそっちのが喋りやすい模様。

    • -3
  13. これとは全然違うけど、地方の人と付き合ってると影響を受けてたまにイントネーションがおかしくなる事はあるよね

    • +4
  14. ミ↑ス↓ミ↑かと思ってたらCMでミ↓ス↑ミ↓だと知った

    • 評価
  15. 発声リズムがあるから方言みたいに訛るんでしょ

    • +2
  16. 英語を話す日本人のアクセントが日本語のままっていうのは母国語だからカウント外だろうけどあんな感じのことがとつぜんおきるんだね

    • +2
  17. 英語の発音を練習してる時期、勉強中はうまくできないのに、普通に日本語を話しているときになぜか発音が発症(?)して、恥ずかしいことがあった。
    上のコメントでも出てたけど、トゥメィゴゥ(=卵)とか、そんな感じ。

    • 評価
  18. 自分の名前や日本語読みの地名とかを
    外国人に教える時に、なぜか変に伸ばしちゃうよねー。

    • 評価
  19. 地方に1週間単位で旅行でもするとなんとなく訛るようになるんだけど
    その現象とは別か

    • 評価
  20. ジャパネットたかたの前社長とかか
    逆に記憶に残って広告としてはグッドだが

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。