
TheOtherKev/pixabay
海外では、野良犬たちが路上のゴミを漁っている姿を目撃することがある。運よく誰かに面倒を見てもらえたり、動物保護団体の目に留まればいいが、大抵の野良犬は、毎日エサにありつけるとは限らず、空腹に飢えて荒んだ生活をしている場合が多い。日本では安易な野良犬や野良猫の餌付けは良くないこととされているが、これはインドの話である。1匹の野良犬と自宅のアパートの前で出会った男性は、犬と親密な関係を築くようになった。
残念なことにそのアパートでは室内で犬を飼うことができない。男性は犬に餌を与えていたが、仕事の関係で餌を上げられない時もある。
そこでスマホアプリのフードデリバリーサービスを利用し、定期的に犬に餌を与えることにしたのだ。これで犬は空腹になることもなく、ゴミ箱を漁ることもなくなったという。
広告
男性とシャドーの出会い
インドのコウディアーに住むツアー・オペレーターで2児の父ヴァルギーズ・ウーンメンさんは、2年前に自宅アパートの前で1匹のメスの野良犬と出会った。ヴァルギーズさんは、その犬に自宅で調理したごはんや肉を与えるようになった。犬はヴァルギーズさんにとても懐き、ヴァルギーズさんが車に乗って現れると遠くからでも察し、彼の後をついて回るようになったという。
ヴァルギーズさんは犬を「シャドー」と名付けかわいがったが、残念なことにアパートで犬を飼うことができず、外で触れ合うことしかできない。

image creditThe Times of India
シャドーは、同じ場所でヴァルギーズさんに定期的にエサを与えられていたため、路上のゴミを漁らなくなった。とても良いことだ。だがその代わり、ヴァルギーズさんは責任をもってエサを与え続けなければならない。仕事柄家を空けることも多いため、留守の間シャドーを空腹にしてしまうことに悩んでいた。
そして、あるアイデアを思い付いた。
フードデリバリーのアプリで食べ物を手配
ヴァルギーズさんは、フードデリバリーのアプリにシャドーの名前でアカウントを作成し、食べ物の配達をしてもらうよう手配した。実際に初めて利用したのは、ちょうどヴァルギーズさんが出張していた時だった。家族も家を空けておりエサをやれる人がいなかったのだ。
ヴァルギーズさんは出張先で配達担当者から連絡を受けると、「アパートの門前にいる犬に食べ物を配達してほしい」と頼んだ。
アパートの警備員も協力してくれる
アパートの警備員ラダクリシュナンさんも一役かってくれた。彼は以前からヴァルギーズさんがシャドーにエサをやっている姿を見ていたのだ。ラダクリシュナンさんは配達員から食べ物を受け取り、容器を開けてエサをやり、シャドーが食べ終わると綺麗に片づけまでする役目を引き受けてくれた。
ヴァルギーズさんによると、シャドーの好きな食べ物はビーフ・ビリヤニだそうだ。
私が留守の間でも、食べ物に困らないようにしてやらなければと考えた時に、フードデリバリーの案が思い浮かびました。ベストな選択だったようです。
シャドーの出産を助けたことも
シャドーと出会って2年になるヴァルギーズさんだが、その間シャドーの出産も目撃したという。激しい雨が降っていて、水が溢れた小さなトンネルの中でシャドーは出産していました。シャドーはパニックになっていたようで、鳴き声をあげており、私は息子2人と生まれたばかりの子犬全てを救助しました。ヴァルギーズさんは、その後アパートが契約終了になったため引っ越したが、シャドーの近くにいたいという思いもあり、アパートの近くの家に住むことにしたそうだ。
アパートは、犬の飼育が禁じられています。ですがこの時ばかりはこっそりと子犬たちを部屋の中に入れ、エサを与えました。
その後、子犬たちは養子縁組システムを通して、責任ある飼い主のもとへそれぞれ貰われて行きました。
ヴァルギーズさんは、シャドーを定期的に予防接種にも連れて行っているという。シャドーを誰かほかの人の手にゆだねるということはしたくないようで、あくまでも外飼いの犬とみているようだ。

image creditThe Times of India
シャドーとヴァルギーズさんとの友情を2年間見守ってきた警備員のラダクリシュナンさんは、次のように話している。
時々、シャドーに私のランチをシェアするかい?とオファーするのですが、食べようとはしません。ヴァルギーズさんだけでなく、アパートの警備員からもじゅうぶんな世話を与えられているシャドー。もはや野良犬というよりはちょっとした地域犬となっている。
でも、ヴァルギーズさんからの食べ物を食べた後、水が欲しい時は鳴き声をあげるので、水をあげています。
References:The Times of Indiaなど / written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
人間の食べ物には塩分云々〜って意見があると思うが
塩分に弱い犬は早死にし、塩分に強い犬が生き残り子孫を繁栄させる
これが環境に適応した生き物だけ生き残る、いわゆる進化ってやつだ
2. 匿名処理班
これもやっぱり幸運な例外に過ぎないよなぁ。
大半の捨てられたペットたちはゴミあさりをしているんだろう。
結局は「ペットを飼うなら最後まで責任を持って」っていうに戻らざるを得ない。
3. 匿名処理班
※1
ならペットを捨てるような最低なヤローも、社会から淘汰されないとな。
自然界で生きてる野生動物はそうかもしれないけど、
捨てられたペットに試練を与える資格は、少なくとも人間にはない。
4. 匿名処理班
てゆうか
昭和までは今みたいな厳しい縛りがなかったから残飯平気で食わせられてたわけで…
今でも老人はその手の類がいるだろうしね
5. 匿名処理班
人を食いそうなおじさんの顔なのにイイハナシダナー
6. 匿名処理班
犬のドヤ顔が気になる
7. 匿名処理班
>時々、シャドーに私のランチをシェアするかい?とオファーするのですが、食べようとはしません。
そら犬はカレー食わんやろw
8. 匿名処理班
ビリヤニ食いたい
9. 匿名処理班
※3
言いたいことも言ってることももっともだが、落ち着いて。
インドは去勢してないから自然繁殖だと思うぞ。
ようつべで動画とか見てると、野良の犬猫を虐める人が少ないみたいで人の往来がある道路でスヤスヤ寝てる。
確かに、他国でペット捨てる奴は淘汰されて欲しいよな。
10. 匿名処理班
凄まじくいい話だな
11. 匿名処理班
>>1
元々肉には塩分があって肉食動物は獲物の中から塩分を補ってた経緯があるから、野生に近い犬ならある程度は耐えれるのではって思うかな。
ちなみに草食動物は土や河の岩に付いている塩を舐めたり食べたりして塩分を補ってる。
人間も狩猟から米に食べ物を変えたときに普段は肉から摂れていた塩分が摂れなくなったから、それが分かるまで多くの先祖が塩分不足で亡くなったみたいだよ。
12. 匿名処理班
ビリヤニ、普通ならタマネギ入ってるけどな
それはそれとして、こういうニュースだとポジティブな面だけがハイライトされるだろうし地域とのかかわりあいが本当のところもこのまんまなのかそれともネガティブな面があるのか
文化が違うと簡単に判断はつかないよな
13. 匿名処理班
>>3
こういう「なら」って言葉を使ってるのに全然文脈と関係なくて飛躍した話を飲み込ませようとする人苦手。
論理的にも幼稚すぎる。
子どもの喧嘩みたいで見ていて気分のいいものじゃない。
14. 匿名処理班
元々犬は雑食の動物だから、塩分さえ大丈夫なら人間の食べてるものと同じ食材(スパイス等は無い方が良いけど)でも大丈夫なんだよ。
ただその塩分さえ大丈夫っていうのがなかなかクリアできないから、残飯をあげるなっていうだけで。
ちなみに猫は完全肉食なので、猫草等以外はあげない方が無難。
15. 匿名処理班
まさに「人間の食ってるものそのままやってるなら調味料が犬にはまずい」と思ったクチだけど最後の写真の充足したようなシャドーの顔見たらどうでもよくなった。
飢えるよりは腹が膨れてりゃ気性も落ち着き周りにも迷惑かからんだろうし犬自身も満足出来るし。
ただ人間は普通に食べられるが犬にとっては死に直結しかねない食い物もあるからそこだけ気を付けてあげられるといいんだけどね。
16. 匿名処理班
犬・猫に食べさせるものの良し悪しとか保護活動がだいぶ浸透してきた(と思いたい)日本の感覚でこの話を読むと
塩分とかそれ以外にも気になる部分があるとは思う。
インドといえばAnimal Aidだよね?
Animal Aidの活動がもっと浸透して活動に協力する人が増えるといいな。
17. 匿名処理班
記事中では小さな扱いだけど
警備員さんがなかなかに奇特な人のようだ。
18. 匿名処理班
>>7
インドの犬猫の好物はカレー
イタリアの犬猫の好物はパスタ
19. 匿名処理班
ちゃんと犬に届いてるのか不安になった
周りの人も協力してくれてるから安心っぽいけど、デリバリーの人が犬用だと知ったらちゃんとあげずに自分で食べてしまう人もいそう…
20. 匿名処理班
>>19
インドは宗教上生き物をとても大切にする国だから、中にはそういう悪意ある人もいるかもだけど、全体的に見てその心配は少ない。
ただこの「大切にする」の感覚が日本と大きく違って、愛玩するというより「共に寄り添って生きる」って感じ。野良猫も野良犬もそこら中にうじゃうじゃいて数メートル置きに昼寝してるよ。皆大人しいし人懐っこい。そして誰かしらからマサラたっぷりの食べ物を貰ってる。
21. 匿名処理班
※3
いいこと言うね
22. 匿名処理班
>>7
昔、うちの犬にカレーとか人間の食べ残しをあげていた。まだ小学生だったから。それでも20年は生きたよ。