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脳にマイクロチップを埋め電気ショックで過食を制御。革新的な肥満予防デバイスが開発される(米研究)

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Joenomias/pixabay
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 肥満は、深刻な摂食障害だ。近年肥満化が加速しており、世界の3人に1人が過体重で、10人に1人は肥満だと言われている。

 子供の肥満化も急速に進んでいることから、研究者らは肥満防止についての様々な研究を行っている。

 今回、アメリカの研究者らは肥満予防になるマイクロチップを開発したことを明かした。

 このデバイスを埋め込まれた肥満患者たちは、食べ物について考えた時、脳に埋め込まれたマイクロチップによって脳に軽い電気ショックが与えられ、過食を抑制する効果が働くという。

 肥満の被験者で実験を行う予定であることを発表した研究者は、このデバイスが新たな肥満防止成功のカギとなることに期待を寄せている。

反応性神経刺激システムの応用

 肥満予防に効果があるとされるマイクロチップは、本来てんかんに苦しむ患者を助けるために、企業NeuroPace(ニューロ・ペース)により開発されたもので、反応性神経刺激システム(RNS)と呼ばれている。

 脳に埋め込まれたマイクロチップは、脳の活動を継続的に記録し、発作の始まりを示す特定の活動パターンを検出すると、軽い電気ショックを与えるプログラムになっている。

 これは、発作が起こる前にそれを止めるように設計されたもので、てんかん発作を完全に予防できる優れたデバイスなのだそうだ。

 現在、カリフォルニア州スタンフォード大学の研究者らは、既にマウスを使って実験済みであり、マウスの過食を抑制するために同じ技術を再プログラムして使用したところ効果があったことを明らかにした。

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TheDigitalArtist/pixabay

マイクロチップが脳の活動を検出し、過食を食い止める

 研究チームによると、人が過食を始める前に発生する脳の活動を検出するために、摂食過食を示す脳の種類を認識できるマイクロチップを設計したという。

 更にその後、マイクロチップが反応して脳に電気ショックが与えられるという仕組みになっているが、電気ショックを作動させる前に半年間は脳の活動をモニタリングし、過食の開始を示す活動パターンを識別することを試みるという。

 今後5年間で、6人の被験者にマイクロチップを18か月間埋め込み、テストしてもらう予定だが、実験の対象となるためには、被験者は45以上の肥満度指数(BMI)を有し、胃バイパス手術もしくは認知行動療法により体重が減少していない必要がある。

 研究者のひとり、スタンフォード大学のケイシー・ハルパーン博士は、次のように述べている。

研究の主な目標は、このような方法が安全か否かを見極めることであり、その結果、それが効果的かどうかを発見することです。

この実験は、わずかな体重の減量のみを必要としている人もしくは単に痩せたい人を対象とするものではありません。被験者となるのは、重度の肥満が原因で本質的に死のリスクを背負った人たちです。

マイクロチップは既にマウスで正常にテストされています。デバイスは、脳の領域が摂食に密接に関連している側坐核に付着するよう埋め込まれます。

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fernandozhiminaicela/pixabay

試行への期待は大きいが問題点も

 この研究には携わっていないが、イェール大学で精神医学および心理学を教えているダナ・スモール教授は、次のようにコメントした。

側坐核が、重要な標的であることを示唆する多くの証拠はあります。空腹に対する脳の反応を調べる多くの研究があり、側坐核は非常に頻繁に活性化され、過食や肥満のリスクに結びつくあらゆる種数の要因と関連しています。

 企業NeuroPaceは、この試みが新たな肥満防止対策のカギとなることもあり、潜在的に遥かに大きい肥満治療市場への可能性という点に注目し、今回の開発には研究者ともども強い関心を抱いているようだ。

 しかし大きな期待が寄せられる一方で、マイクロチップが脂肪の多い食べ物に対する脳の反応を、健康的な食べ物への反応や他の満足感から分別することに困難を伴うことや、電気ショックが被験者から全ての一般的な関心や喜びを喪失させ、うつ病を引き起こす可能性があることが、現段階の問題として挙げられている。

References:DIGITなど / written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 35件

コメントを書く

  1. 本人の心境や周りの環境でも多大な影響あるので仮にこの技術が
    あろうが変わりはないと断言できる
    第一過食が楽に制御できればまた同じことの繰り返しだと思うよ

    • -3
  2. アメリカだと見るからに危険な状態の方が多いので措置としては必要かも
    しかしVRで食べまくれる体験を提供する方がいいんじゃないかな?

    • -2
  3. 食べたい→阻止→食べたい→阻止を繰り返した場合、欲求はその都度完全に消えるのかな?

    • +3
  4. バーガーとポテトの後ろに何が…腹かー!!!!てなってしまった。どう見てもおっさんの腹なのになんで添えた手が妊婦風なのwww

    • +3
  5. 技術は凄いと思うけど自分で食べる量を制御出来ない人間が出来上がるだけなのでは?下手したら食べ物を見ただけで頭に電流が流れたような気がして何も食べれなくなる人もでてくると思う

    • -2
  6. お腹空いたら
    自分でボタン押して電気通るようにしてほしいなぁ
    私も使いたい(´・ω・`)

    • +7
  7. 前に針の先生に「満腹のツボ」を教えてもらってダイエットしようと思ったけど上手くいかなかったな、初めはいいんだけど、すぐに慣れちゃって効かなくなるんだよね。
    後日、先生に話したら「うん、そうだよ、何千人にも試したけど成功した試しはないよ」って言われちゃった、そのあと腰痛を治療してもらって動けるようになったら自然に痩せたよよ。

    • +8
  8. 精神データをVRMMOに転送する方が有効なんじゃないかな
    そんなやり方だとすぐに限界がくる

    • 評価
  9. 人の心っていうのはどこまでが「脳」なのかねえ

    • +5
  10. そこまでしなきゃ自制出来ないのか…
    日本じゃコンビニでもカロリーやら糖類やら明記されてるから「最近食べ過ぎたなぁ」って時でも少し意識すれば痩せられるのに
    ただし、痩せる気がある人に限る

    • -8
  11. 山盛りランチを食べてると突然「あばばばば」ってなる絵しか思い浮かばねぇw

    • 評価
  12. >全ての一般的な関心や喜びを喪失させ、うつ病を引き起こす可能性がある

    確かに、これは有り得ると思う。

    満腹感と幸福感は脳内刺激が似ていて(セロトニン)、
    幸福感が低下している人は満腹感で代償的に
    心の満足を補おうとしたりする。
    (やけ食いやストレス太りの類。新型うつの肥満も?)
    逆に、強制的にでも満腹感を与えれば、
    悲観的な感情が抑えられたりする。
    (自殺しようとしている人を押し止めて説得する際、
    飲み物や茶菓子を与えて話を聞くと落ち着きやすい等。)

    幸福感の低下をせめて満腹感で補って
    ギリギリで精神状態を保っている人に、
    無理やり食べる量を抑制して満腹感まで減少させてしまうと、
    幸福感の低下が顕在化して気持ちの落ち込みが悪化する可能性もある。

    • +12
  13. 自分の体験から、効かない気がする。
    過食をすれば一時的でもツライ感情から
    逃避できる、と体験で学んでしまっているから、
    少々の電気ショックじゃあなあ。。。
    今は少々ぽっちゃりで済んでるからいいけど、
    若い頃はストレスと連動してた。

    • +8
  14. 抑止効果があるなら
    一切の食事防止になるから餓死して死ぬよ

    適量なんて不可能

    • -2
  15. これ以上はマイクロチップが持たねぇ・・ !
    俺の欲望が、完全発動しちまう・・ッ ! !
    (やだ、なんかカッコいい)

    • 評価
  16. これ、肥満や過食症の患者の為に研究していると思われがちだが、これも軍の為の研究やで
    マインドコントロールや現地での食事がまともに取れない時の一時的なしのぎのもの
    こういったのもは、全て戦争の為に研究開発の途中で出来た副産物。民間の為の研究開発で出来たものじゃないで

    • +5
  17. アメリカのみにしか必要のないモンだな…

    • -2
  18. 動物の躾みたい
    犬の首輪で電流流れるのあったよなー

    • +1
  19. 最近だるいんで電気ショックで元気触発させてほしい

    • -2
  20. 電気ショックのチップ埋め込む手術代やら手間やら考えると普通に食事抑えて運動せーやって思うが
    脳のブレーキが壊れたレベルの食欲がある人には必要なのかも

    • +1
  21. 星新一のショートショートにありそう
    最後、全ての行動をマイクロチップに頼らなければ動けなくなるオチで

    • +2
  22. これ、過食だけ抑制してもなんか別な代償行為に手を出すだけでは・・・
    なんていうか、過食そのものを抑えるんじゃなく、根本的な自制心の欠如を改善する方法ってないものなのだろうか?

    • 評価
  23. 本当記事読まない人増えたんだな。
    >重度の肥満が原因で本質的に死のリスクを背負った人たち
    に向けたものだって書いてあるのに、我慢しろだの運動しろだのトンチンカン。

    • +5
  24. 応用して、人間でも冬眠できるようになればいいな

    • +1
  25. 効果ないだろ
    脳血液関門はそれほどにシビアなジャンルだ
    全員の脳が全員同じと思ってはいけない、全員違うんだから

    • -2
  26. こうしてみると人間の脳も〝機械〟なんだなぁって思う。ちょっとした電気の流れや脳内物質の操作で心のありようを変更可能なんだから。

    • +4

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