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ロシア連邦のサハ共和国ミールヌイに位置するダイヤモンド鉱山「ミール鉱山」に空いた巨大な穴。あまりに大きすぎて、空からしかその全貌を見ることができない。空から見ると、その悪魔の深淵へと真っ逆さまに突き落とされるかのようだ。本当にこんな場所がこの世にあるのかと思うレベルだ。
ロシアの"閉ざされた町"の中心部にある、世界で二番目に大きなこの穴を訪ねて、ダークツーリズムスポット体験をしに行こうではないか。
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Diamond Mining: Inside Earth's Gigantic HolesMirny Mine: The Diamond Pit That Can Bring Down A Plane
ソ連最大のダイヤモンド鉱山開発
1955年、ソ連の3人の地質学者がキンバーライト(ダイヤモンドを含む火成岩)を探しに行って、文字通り金の成る木を掘り当てた。シベリアの雪原の奥深くでキンバーライト・パイプ(パイプ状の鉱床)を発見し、これがソ連最大の豊かなダイヤモンド鉱山開発につながった。

涙ぐましい努力で開拓され、人々が住めるようになった
鉱夫たちが生活する場所が必要になったが、なにせ過酷な寒冷気候、人が住むにはまるで適さない。だが、涙ぐましい開拓の末、隔絶されたひとっこひとりいない土地が、労働者の村へと急速に発展した。ここはのちにミールヌイという町になったが、最初にやってきた人たちがテントを張り、過酷な力仕事を重ねて、わずか3年半で人が住むことのできる町にしたのだ。
キンバーライトの発見からわずか4年で、ミールヌイは町としての地位を確立し、世界最大のダイヤモンド鉱山企業アルローサ一社に支えられるモノタウンのひとつになった。


掘り進んでいった結果巨大な穴が
44年間も掘り続ければ、資源は枯渇し、鉱夫たちはキンバーライトやその他の鉱物資源を求めて、さらに地中奥深くへ掘り進まなくてはならなくなった。穴があまりに巨大になったため、ヘリや小型機は穴の上空を飛行することを禁じられている。穴の空洞に吸い込まれてしまう危険があるからだ。

過酷な環境で働く労働者たちの暮らし
ミールヌイは、もっとも隔絶された場所にある町で、人口はおよそ3万7000人。そのほとんどは、平均よりも高い賃金に誘われて、ここに移住してきたよそからの労働者たちだ。だが高賃金となれば生活コストも高くなる。ミールヌイへのメインのアクセスルートは、空港経由で、町のための食糧は空輸のみなので、料金も上がる。
ロシアのダイヤモンド中心地で、労働者たちは何十億ドルに埋もれて日々を過ごすが、ソビエト時代と変わらない慎ましやかな生活をしている。

この露天掘りの鉱山自体は2011年に枯渇していて、もう稼働していない。最盛期は、毎年1000万カラット以上のダイヤを産出していた。現在、この町は"閉ざされた町"とされていて、立ち入り制限されている。

観光スポットとして再び注目を集める
だが今、ミールヌイのこの見捨てられたダイヤモンドの穴は、観光客の大きな注目を集めている。数年前、ある建設会社がこの穴を利用して、環境に優しく自足できるとうたった壮大な計画を打ち出した。
直径1190メートル、深さ524メートルの穴の中に高級アパートを建て、公園や酸素を発生させる植物園もつくって、上を巨大なガラスのドームで覆うというとんでもない計画だ。しかし、これは実現することはなかった。
そんなことをしなくても、この町にはほかにも見どころはある。聖三位一体聖堂や、正教会、ビクトリー広場、ダイヤモンド博物館などだ。
町で一番大きなホテルでは、一泊208ドルのスイートを予約できる。とはいえ、ホテルにはWiFiがないので、インスタに写真をアップすることもできない。だが、おそらく眺は最高だ。朝食は期待しちゃダメだし、スリッパも有料だが。


一日目:市内ツアー
○ミール鉱山(キンバーライト・ダイヤモンドパイプ)を展望デッキから見学
○ミールヌイの町の入り口にある標識モニュメント
○Vilyuysky Ring建築記念館見学。ここには、ロシアの地質学者をダイヤモンドが豊富
に採れる場所まで案内したトナカイ遊牧民の像がある。
○三本の剣広場
○聖三位一体正教会
○アルローサが所有するダイヤモンド鉱山歴史地域博物館
○キンバーライト博物館
○ヤクーティア・ライブダイヤモンド自然公園
二日目:市内ツアー、出発
○ホテルで朝食(別料金)
○車で市内観光(2時間)
○ホテルに戻る
○チェックアウト
○空港へ送り
○ミールヌイを離陸


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コメント
1. 匿名処理班
ちょっと行きたい気がするが、飛行機が怖い
2. 匿名処理班
メイドインアビスを
思い出した
3. 匿名処理班
これ、ホーキング博士のコインで見たヤツだ !(進●ゼミの口調で)
4. 匿名処理班
ああ 上手く言えないけれど 宝物だね
5. 匿名処理班
なぜシベリアにペンギンが…
6. 匿名処理班
アナの横を掘り進めばまだダイヤモンドあるんちゃうの?て思っちゃう
こっそり掘ってこっそり売り飛ばせないものか
7. 匿名処理班
ところでこの穴にはどうやって降りるの? 廃坑になったので、もともとあったクレーンやエレベータが撤去されたの?
8. 匿名処理班
土地をひとつ破壊しそう
9. 匿名処理班
足滑らせたら転がり落ちそう
10. 匿名処理班
ああ、驚きの風景画像でよく見る露天掘りの所かぁ
ミール鉱山って名前を初めて知った
11. 匿名処理班
『穴があまりに巨大になったため、ヘリや小型機は穴の上空を飛行することを禁じられている。穴の空洞に吸い込まれてしまう危険があるからだ。』
全くわからない、機密維持や治安のためじゃなくて『あまりに巨大になった』というのは理由になるのだろうか?
また、どうして『吸い込まれてしまう』のだろうか? 周りの街より冷たいので下降気流が発生するのかな。
誰か解説してくれ、できればロシア美人の留学生がいいな。
12. 匿名処理班
まるでファンタジー
13. 匿名処理班
シベリアに観光行ったこととか、シベリア送りから生還して未だ健在のうちのじいちゃんに言ったら間違いなく殴られそう。。。
14. 匿名処理班
あの穴でダンテの地獄篇を再現しようよ
ダークツーリズム、ひと足早い地獄巡り。
15. 匿名処理班
青森県八戸市には日本一深い石灰鉱山があり、八戸キャニオンと呼ばれている。
そちらも記事にしてみては?
16. 匿名処理班
※8
糞土地破壊のファッキン露天鉱床はヴィンテ帰ってどうぞ
穴っぽこのくせに飛行ユニットトラップになりかねんってのがもうスケール違い過ぎる
17. 匿名処理班
人工ダイヤの発展で天然ダイヤ産業はオワコン
18. 匿名処理班
※15
んだな!八戸さ行ぐべ!!
19. 匿名処理班
バンジーとか滑り台とかのアトラクション作ったら人気出そう
アトラクションそのものの怖さ+設備の雑さ+係員の大らかさで恐怖が万倍になりそう
20. 匿名処理班
ドームに覆われた穴の町はちょっと作ってほしかった
21. 匿名処理班
>ヘリや小型機は穴の上空を飛行することを禁じられている。
って空気の支えがなくなるためかな??
22. 匿名処理班
穴の中のほうが温かそうだな。内部を段々畑状に整地して家を建てれば素晴らしい地下都市にになるな。
23. 匿名処理班
おむすびころりん
24. 匿名処理班
巨大な穴が開いてることで、上空の気流が乱れるからだそうな。
25. 匿名処理班
※11
例えば、
太陽熱で暖められ、体積の大きくなった空気が穴から逃げる。
地面の温度と、大気の温度の均衡が崩れると、今度は逆に穴に流れ込む。
まるで呼吸するかのように、そこには複雑な気流が発生し得る。
それだけでなく他にも、
天気による気圧差とか、地下水や地盤そのものの熱の影響とか・・・、
色々な事象による気流の乱れが、複雑に絡み合いかねないから危険なんだよ。
26. 匿名処理班
>>25
なるほど。魔のエアスポットというわけか
27. 匿名処理班
※25
ありがとう
ところであなたはロシアの美人留学生なんだろうね?