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引っ越しの時に置き去りにされた犬が、もう一度人と共に第二の犬生を望むまで(アメリカ)

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 8歳になるラブラドール・レトリーバーのラリーは、アメリカ・カリフォルニア州にある造園業者の所有する倉庫の駐車場で寝起きしていた。

 ラリーはここで生まれたわけではない。元々は道路を隔てた向かい側の家で飼われていたのだ。しかし、飼い主はラリーを置き去りにしたまま引っ越してしまったのである。

 ラリーは、仕事でここを訪れるトラックの運転手たちの厚意にすがって生きていた。お腹を空かせたラリーを見かけると、彼らは食べ物や飲み物を分けてくれたのだ。

 配達ルートでこの場所を通る女性ドライバーも犬の存在に気が付いた。犬のぐったりとして元気がない様子に心を痛めた女性配達員は、インスタグラムで犬用のアカウントを作ることにした。

 その厚意が、ラリーの運命を少しずつ切り開いていくことになった。

犬に幸せが訪れるまで写真を公開し続けようと決意

 ここを管理する造園会社の警備員は、駐車場をきれいにする義務がある。ラリーのことは気にかけていても、放置されている水や餌の入った容器を片付けなければならない。

 ラリーはそうして飢えと孤独に耐えながら、数か月もこの狭い場所にいたのだ。

 女性ドライバーは、何か自分にできることはないかと思案し、インスタグラムのアカウントを開設したのだ。

 自分で飼うことはできないけれど、誰か親切な、犬好きの人が目にして、ラリーを保護してくれれば、と考えたのである。

 その日が来るまで、毎日ラリーの写真を投稿し続けるつもりだった。

動物保護団体の目に留まる

 そしてその行動は、程なくして功を奏した。動物保護団体 “Love Leo Rescue” の会長であるサーシャ・エイブルソンさんの目に留まったのである。

 サーシャさんは地元の保護団体に協力を要請した。

 また倉庫の警備員も、規則に縛られる立場ながらも、彼らに短時間だけ駐車場に入る許可をくれたのである。

 幸いにも、彼らは与えられた30分の間にラリーを説得して車に乗せることができたのだ。

 そして、2時間かけてロサンゼルスにやってきたラリーは、お腹一杯に食べ、身体の泥を洗い落とし、暖かい寝床で眠ることができたのである。

体がボロボロになっていたラリー

 だが、これで「めでたし、めでたし」となったわけではない。ラリーの身体には、明らかにおかしな部分があるのが見て取れた。

 何ヶ月もの間まともに食べていなかったにもかかわらず、お腹が膨れ上がっている。脚には毛のない部分が所々あり、また、歩くのにも困難を覚えているようだった。

 動物病院での検査の結果、ラリーはクッシング病を患っていることが判明した。脳下垂体の良性腫瘍によって引き起こされる症状だ。

 ラリーは不安げで気難しく、動作は緩慢だった。また、特に犬に対して反応が鋭く、他の犬たちと一緒に暮らすことができるかどうかが危ぶまれた。

 しかし、保護団体の人々は、病気の苦痛による表面的な気難しさの裏には、なつこい可愛い気性の犬が隠れていると信じて希望を持ち続けたのである。

 保護された時には、悲しげな表情を見せながらも、尻尾を振ったのだから。

本当は人懐っこかったラリー。仲間を受け入れ始める

 一月半の入院によって、膨らんだお腹が小さくなるにつれて、ラリーの本来の性格が表に出てきた。

 突如として社交的になったラリーは他の犬たちと一緒にいたがるようになったのだ。そこで、より長く外で過ごせるデイケア施設に移されたのである。

いつか里親に巡り合えるために

 ラリーの容態は安定し、毎月の投薬でコントロールできるようになった。そこで、里親探しが始まったのだが、これが難航している。ラリーの抱えているハンデのためだ。

 「毎月医療費がかかる犬を引き受けようという人は、まあ、多くはありません」とサーシャさん。ラリーの薬代は、月々180ドル、2万円強になる。

 「さらに、ひとりにされることを嫌がります。遺棄された過去のことを思えば、ラリー自身のせいではないのですが」

 これまでに三度、ラリーは里親の元にトライアルに出かけたが、三度とも戻されてきた。不運が重なったのだ。

 ラリーは初対面の人に対して、文字通り身体を押し付け、頭を撫でて、耳をかいて、とせがむ。とても愛情深く、人懐こいのだ。また、もう若くはないが、その足取りは元気一杯で、散歩が大好きであるらしい。

また人を信じたいと願っているラリーに幸せが訪れますように

 嫌な経験や、捨てられたことを忘れることができず、一生その傷を抱えていく犬もいる。しかし、ラリーはは過去に受けた仕打ちにもかかわらず、人間に恨みを抱いてはいないようだ、とサーシャさんはいう。

 「ラリーは楽しく、快適に暮らしています。ただ、自分のためにそこにいてくれる人がほしいだけなのです」

 ラリーの里親はまだ募集中だ。今度こそ、いつまでも一緒に暮らせる人が見つかりますように。

References: Love Leo Rescue など / written by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント 45件

コメントを書く

  1. 良い里親が見つかって幸せになって…(´;ω;`)ブワッ

    • +73
  2. 引越しで置いてくとかそういう人、まずそこから叩き直して欲しいですね。
    感動話より、そういうプログラムを州や県、できるなら国で行って欲しい。
    まずはそこからだ!

    • +73
  3. >引っ越しで置き去り

    もうココ読んだだけで犬に感情移入して可哀想で可哀想で涙が止まらないんですけど
    そして保護されて最後のインスタの写真で又泣ける
    人を又信頼できるような気持ちになれたんだねぇ
    あとは良い里親さんに貰われるんだよ~

    あぁ昼休み前にもう涙でベトベトだよ

    • +56
  4. この表情の変化よ
    うれしそうなワンちゃんの顔好き

    • +37
  5. 私は予言者である。
    賢者ラリーには最良の家族を手に入れ、これ以上ないほど穏やかでエモーショナルな余生を過ごすだろう。
    そしてラリーを捨てていった元飼い主は新しい家に突然雷が落ちて破壊され、職も失い不幸のどん底に落ちるだろう。

    • +46
    1. ※5
      私の水晶玉にも、おなじことが映っている。雷ではなくトルネードだけれど。

      • +31
  6. 置き去りのば飼い主は病気とわかってて、置き去りにした可能性あるよね
    でも、閉じ込められたり、誰にもわからないようにつながれてなかっただけマシなのかもしれない。
    彼には幸せになってほしいね

    • +22
  7. 犬も人も同じなんだなって思った
    助けてくれる人の存在って大切だね

    • +9
  8. 置いていった元飼い主は地獄に落ちればいいとおもうよ
    わんわんおには幸せになってほしい

    • +26
  9. >自分のためにそこにいてくれる人がほしいだけ

    こんな可愛い子を置き去りにする身勝手な人間ですらそうなのに
    まして人と共存できるように、人に従順になるように作られてきた犬なら、本当にその一心だよね
    タイトルからずっと堪えていたけど、この一文でダムが決壊した
    DO NOT DISTURBの札がほしい……

    • +11
  10. 人を信じてくれてありがとうね。
    いい縁が見つかりますように。

    • +15
  11. ラリーはそれでも人を信じようとしているが
    私はラリーを置き去りにしていった人を一生信じない

    • +29
  12. 早く新しい飼い主さんに巡り合えますように
    こんな可愛いラリーさんを置き去りにした元飼い主は地獄に落ちますように

    • +22
  13. 逆に考えれば、責任能力のない薄情な飼い主と縁を切れることができた。良い里親が見つかる事を願う。この子が日本にいたのなら結構真剣に考えてる。

    • +18
  14. 犬や猫をぬいぐるみと同じ感覚で飼ってる人が多い。
    一生面倒を見る気がなければ飼う資格がない。本当に大変な出費と労力が必要なのを理解して欲しい。

    • +21
  15. しょんぼりから明るい顔に、本当に表情豊かだ。
    飢えてるのにお腹が、と思ったら病気だったんだね。
    捨てられた経験から好きな人とはいつも一緒にいたいと思うのも無理はない…

    どうか、どうか良いご縁がありますように、遠く日本から祈ってるよ!

    • +19
    1. ※22
      元の飼い主が一緒に連れて行かなかった理由はわからないけどもしかしたら金銭的に余裕があったらこの犬もずっと一緒にいられたかもしれないしな・・・

      • +5
  16. 素敵な飼い主さんに巡り合える日を祈ってるよ!!
    けどラブラドール…ではないような

    • +4
  17. 本当なんで、引っ越すからってわんちゃんを置いていくんだろう。
    うちの義理の兄夫婦も仕事クビになって、引っ越すからって老犬をうちにおいてった、、うちには9歳のハスキーがいるから、私だったらどんなことをしても連れていくって思うのに、兄夫婦の思ってることがよくわからん。
    しかも引き取るともいってないのに当たり前かのように置いてったくせに高い餌を与えないと怒られるし、老犬だからトイレパットとかの費用もかかるしで、世の中無責任な人もいるもんだと思ったよね、まぁわんちゃんに罪はないので面倒は見てますが

    • +20
    1. ※24
      やるせない出来事の中にあなたがいてくれて良かった

      • +21
    2. ※24
      大変失礼ながら、義理の兄夫婦はそんなんだから仕事クビになるんだバーカバーカ!って言ってやりたいですね。あなたのご家族とワンコ達に幸運が訪れますように。

      • +13
    3. ※24
      ワンコを捨てるような人顔だからクビになるんだよ。
      あなたがいてくれて本当によかった!

      • +8
  18. 置き去りにした家族を追うドキュメントを作って欲しいな。

    • +7
  19. 病気だったからお金かかるから捨ててったのかなと思うと二重に腹が立つ
    どうか良い里親さんが見つかりますよう、祈ってる

    • +14
  20. 老年期に差し掛かると、今まで病気ひとつしなかった家のネコがガンになり急激に健康が悪化した。

    特に保険も掛けてなく、また老衰までペットを飼った経験もなかったので通院費や通院時間、多額の治療費は盲点だった。
    飼う人はその点を意識して置いて欲しいと、経験上のお節介なアドバイスでした。

    • +13
  21. 引っ越し先が無理だからって置いてくってどうなん…?

    • +6
  22. ワンコって本当に表情が豊か。
    表情筋て動物も人間もおなじだんだなあ。
    良い飼い主さんがみつかるように呪かけとく。

    • +7
  23. 犬も精神的なストレスで病気になるんだな、、

    • +9
  24. 腹は立つがおそらく、前の飼い主はクッシング症を発症したから、引っ越しを機に捨てたんだろう
    我が家の犬もクッシング症を患ってて、治療が難しく投薬だけでも費用がかかる

    我が家に迎えられて15年以上経ち、クッシング症以外にもいくつもの病を抱えているが、
    その犬は今も家族が集まるペット用ベッドで眠っています

    • +17
  25. 犬を飼っている自分としてはおいて行くなんてほんとうに信じられない。ラリーを引き取ってあげたいとは思うものの、現実的に距離もあるし難しいと思うと結局何もできないし歯痒い。せめてどうにか幸せになってほしい。募金等があれば参加したい

    • +3
  26. 引越しで置いていかれた犬

    空気も読まずにごっつええ感じのコントを思い出してしまった…

    • 評価
  27. 引越しで置いてきぼり? あらゆる下品な万の言葉を用いて本人を罵倒したい

    • +3
  28. 写真の撮り方だってのは分かるんだけど本当に表情変わってるように見える
    幸せになれますように

    • +1
  29. 見つかってないのかあ。
    保護施設で大切にされてたって一人きりの時間は絶対あるよね。可哀想だ…
    私の家なら四六時中だれかいるんだけど
    それでも月二万だしてあげたり、手術とかもあるかも、、すぐにお別れの日がくるかも、、って思うと飼ってあげる!って選択は難しいなあ。
    きっとみんなそうなんだろうね。だれかお金持ちの人が飼ってあげてほしい

    • +2
  30. 段々表情が明るくなっていくのがわかるね、良かった

    • 評価
  31. ホントにね、拾ったのとか、保護施設出身の犬猫用の医療保険制度があったらな、と思うよ。
    この2万が一割負担だったらなあ、という飼い主予備軍って多いんじゃないかな。

    • 評価
    1. ※48
      人間でも3割なのに、1割はさすがに無理じゃない?
      あと、保護施設出身という条件を免罪符にわざと捨てる人間出るかもしれんね

      • 評価
  32. 泣いた。引っ越すからって手離す人の気が知れない
    ラリーは目の前に、住んでた家があるのに大好きだった飼い主たちがいなくなって
    毎日辛かったろうなあ…
    悲しそうにしっぽを振ったって…

    うちにも保護犬いるよ。一人ぽっちにされてたから、同じように、一人になるのを嫌がる
    飼っている動物をぞんざいに扱うやつは、同じ目に遭えば良いと思う

    • 評価

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