
猫は世界征服を果たしたといっても過言ではない。では、なぜこれほどまでに猫は世界中に広がっていったのだろう。
当時の猫のDNAを調べた研究結果によると、1万5千年前に起源をもつ、近東とエジプトで初めて飼育された猫たちが、その後の大きな2つの流れによりヨーロッパ各地に広がっていったという。
広告
猫が世界に広がるまでの歴史を研究
猫は1万5千年前頃、近東とエジプトで初めてペットとして飼育されてきたことが分かっているが、その後どういった過程で世界中に広がったのかは謎が多い。
image credit:Natural History Museum, London/Science Photo Library
2016年にオックスフォード大学で開かれた「生体物質的考古学」のインターナショナル・シンポジウムで、1万5千年前から3700年前の古代猫とその後18世紀までの209種類の猫のDNAとを調査した研究結果が報告された。古代エジプトの墓、キプロスの埋葬地、ドイツのヴァイキング居留地で見つかった猫のDNAを分析したところ、猫は初期の歴史の中で2つの大きな拡散の波を経験した可能性が高いことが分かった。
第一の波:農業の広がりにより猫も拡散されていった
最初の拡散の波は農業共同体の広がりにより自然に広がっていったというものだ。母親からのみ受け継がれるミトコンドリアのDNAを解析した結果、中東の野生の猫と地中海の国々に生息する猫のミトコンドリアDNAは非常に似ていることが分かった。
かわいい野生の捕食獣が、穀物によって引き寄せられるネズミなどを取り始めたことで、人間が猫との共生を望んだために起きた結果だと考えられている。

第二の波:ヴァイキングの船に乗って世界征服
二度目の分岐点はそれから数千年後に訪れる。エジプトでミイラにされていた猫とブルガリア、トルコやサブサハラアフリカなどでみられるこの時代の猫のミトコンドリアDNAはとてもよく似ていた。
この時代の船乗りやヴァイキングたちは猫を船に乗せることでネズミなどの穀物を荒らす生き物の繁殖を防いでいたのだ。

今いる猫は、ヴァイキングの猫の子孫の可能性
研究チームの1人である、フランスのジャック・モノー研究所の進化遺伝子学者、エヴァ・マリア・ゲイルによると、猫のDNAはそれ以後大きな変化がほとんど見られないという。母親から遺伝する猫のDNAはヴァイキングがドイツ北部に居た8世紀から11世紀の時代から変化していないのだ。
ということは、今私たちのそばにいる猫は全て、その時代の名残を残したヴァイキングの猫の子孫である可能性が高いということだ。
犬はその生息や遺伝についての研究が進んでいるが猫の謎解きは始まったばかりだ。だが今後、徐々に猫の真実もわかってくるかもしれない。あの暗躍するNNNの活動の全貌とかも。
・人間が猫を飼っているのではない。猫が人間を飼いならしているのだ(アメリカ人女性作家の考察) : カラパイア
この研究は『nature』誌に掲載された。
References:sciencealert/ written by riki7119 / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
猫に征服されただと?
本懐である!(愛猫を撫でつつ)
2. 匿名処理班
サムネのクオリティが、ひどい!w
3. 匿名処理班
異種族に必要以上の警戒をしない猫の特性が功を奏してたのかもな
捕食生物から守ってくれる奴の住処で害獣駆除
しかも可愛い
そりゃ連れ歩きたくなりますわ
やっぱり我々人間はまんまと繁栄の手伝いしてたんだなw
4. 匿名処理班
弥生時代には日本猫の骨が長崎で発掘されてる。弥生時代は紀元前だよ。分岐点おかしくない?
5. 匿名処理班
今は更に雑種化が進んでいるだろうけど、古来日本にやって来ていたのは農耕と共に広がった猫の一団だろうなぁ。
仏教の経典とかより先に穀物守るために入ってきてたと思うんだ。
日本の気候風土に馴染み、物珍しさも薄れてやっとそれなりに繁殖出来たのが江戸の頃になるのかな。
6. 匿名処理班
飼い猫の起源って約5000年前の古代エジプトと習ったけど、近年キプロス島でもっと古い約9500年前の飼い猫の骨が発見されてたんだってね。また日経サイエンスに載っていた記事だと、最近の遺伝子研究によると最初に飼われたのは中近東(シリア付近だったかな??)付近らしい。
もっとも最初の飼い猫はリビアヤマネコ(西アジア、中近東から北アフリカに生息)で変わりはないらしい。
7. 匿名処理班
我々は猫に支配されているというが、
そのまえに農耕の始まりがじつは麦による支配という話もあってだな…
8. 匿名処理班
もう後は他の天体への進出のみだな
手始めに月か🌕🐱
9. 匿名処理班
日本の山猫も大陸の方から来たのかな 野生の猫って顔が横長で脚が短いけどエジプトの方の猫は小顔で脚が長いイメージある
10. 匿名処理班
我が家にいたニャンコは気付いたら居着いていたから、何処から来たのかなんて考えた事は無かったな、
11. 匿名処理班
猫はむかし、船のりの猫でした。
猫は海なんか、大きらいでした。
12. 匿名処理班
実家の猫は船に乗るの好きなんだが...そうか
お前、ヴァイキンクとやってきた猫の末裔だったのか...
13. 匿名処理班
※4
ヨーロッパの方の研究だから、アジア方向の研究はこれからじゃないかなぁ
中東起源のネコがどうやってアジア地域に来たか、面白そうだよね
14. 匿名処理班
猫は海賊だった
15. 匿名処理班
猫が移民の歌を歌いながらやって来るイメージが思い浮かんだわ…
16. 匿名処理班
拡散しただけで征服ではないだろ。世界のどこでも家畜なんだし。
17. 匿名処理班
日本にも「猫は船に積んだお経をネズミの害から守るため唐天竺からわたってきた」という言い伝えめいたものがあるね
18. 匿名処理班
来る〜 きっと 来る〜
19. 匿名処理班
ヴァイキングと言えば、荒くれ者達なイメージが強いが、だからこそ(?)ネコの癒し効果にメロメロだったのではなかろうかと思う。ネズミの駆除の為に船に乗せられた?まあ、最初はそうだったのかも知れんが、『ネコが一緒に居てくれなきゃ、嫌なんだよ!』というムキムキマン達が結構と居たのかな?とか思うと、何だか面白いと思った。
20. 匿名処理班
※16
その拡散を征服って小洒落た言い方するんだよ…
よくある表現じゃないか、とマジレス
21. 匿名処理班
実は既に月に定着している可能性が微レ存...?
月の模様は兎さんではなく猫だった...?
22. 匿名処理班
そうか、分かったぞ?
NNN の起源はヴァイキングが活躍していた時代まで遡るんだな?
23. 匿名処理班
(ΦωΦ)「海賊ニャ王に、俺はなった」
24. 匿名処理班
イギリス オランダ ブルガリア 氷の海も なんのその グリーンランドに お散歩さ そーれ 世界の海に出航だ
マジか、ビッケ最高だな