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冥王星がまた惑星に返り咲けるかも!?惑星と認定すべき根拠を発見(米研究)

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(著) (編集)

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 子供の頃、太陽系の惑星の並び順で「水金地火木土天冥海」(水金地火木土天海冥)と覚えていた人も多いだろう。

 だが2006年、冥王星は惑星の地位を失い準惑星に分類されることになった。

 あれから12年過ぎたが、はたしてその判断が本当に正しかったのかどうか、その議論はいまだに続いている。

 そして今、ある専門家のチームが、冥王星を惑星ではないと判断した根拠は間違っており、惑星の肩書きを返すべきだと主張している。

冥王星は惑星でないとされた理由

 国際天文学連合が冥王星は惑星ではないと正式に発表したのは2006年8月。これは惑星の定義に、3つ目の条件が加えられたことを受けてのことだ。

 その定義によれば、惑星とは以下の条件をクリアした天体である。

(a) 太陽のまわりを公転している

(b) 自己の重力によって球形になるほど十分な質量を持っている。より明確に言うと、自己の重力によって重力平衡形状になっている

(c) 軌道上の他の天体を排除している

 この3番目の(c)は、ある天体に、その軌道にある他の岩石を自分に集めてしまうか、ぶつかって弾き出してしまうだけの十分な質量があり、そのためにその軌道において圧倒的な存在感のある天体でなければならないということだ。

 冥王星の場合、(a)と(b)の条件については満たしているが、カイパーベルトにある無数の天体と軌道を共有しているために(c)を満たしていない。

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「軌道上の他の天体を排除」は惑星でない証拠ではない

 しかし今回発表された研究論文によれば、この3番目の条件は科学的な文献が賛成しているものではないのだそうだ。

 米セントラルフロリダ大学の研究チームは、過去200年の間に発表された関係する研究論文を調べた。

 すると惑星に区分するための条件として「軌道上の他の天体を排除」していることを挙げていたものは、1802年に発表されたたった1本しかないことが分かった。

 しかもそれは、ゆくゆくは間違っていることが判明する推論に基づくものだった。

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そもそも惑星の定義自体、まともな研究のものではない

 つまり、国際天文学連合が惑星の定義として定めた条件の1つは、誰もまともな研究では使っていない学説が元になっていたということだ。

 しかもガリレオの時代以降の科学者たちが、土星のタイタンや木星のエウロパといった衛星をしょっちゅう惑星と呼んでいたことも判明した。

 研究チームによると、国際天文学連合の定義に反する形で惑星という用語が使われている例は100以上もあるという。そして、そうした間違った言い方がされるのは、単に便利だからというのが理由だ。

 「ずさんな定義です……『軌道から排除』についての意味もきちんと説明されていません。文字通り解釈するなら、惑星なんてなくなってしまいます。だって自分自身の軌道は排除できませんからね」と、今回の研究を率いたフィリップ・メッツガー氏は語る・

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惑星の定義は本質的な性質を基準に決めるべき

 研究チームは、惑星の定義は変わる可能性のあるものではなく、そこにもともと備わっている本質的な性質を基準に定めるべきだと主張する。

 たとえば軌道の力学は常に一定なものではなく、その時々の状態を表しているに過ぎない。天体の本質的な説明ではないのだ。

 かわりにメッツガー氏らが提案するのは、その天体の大きさによって丸い形状になるくらいの重力が発生しているかどうかで単純に判断するやり方だ。

 「それは自分の都合で勝手に決められません。しかも惑星の進化においては重要な瞬間でもあります。なぜなら、その瞬間に、惑星の内部で地質活動が活発になるからです」(メッツガー氏)

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 たとえば冥王星には、地下の海、いくつもの層を持つ大気、有機化合物、古代の湖の証拠、複数の衛星がある。

 なにより、そこには火星よりもダイナミックで、地球よりも複雑な地質が存在する。

・冥王星の地表を可視化。ニュー・ホライズンズの画像を元に作成されたシミュレーション動画(NASA) : カラパイア

 昨年、天体物理学者のイーサン・シーゲル氏がフォーブス誌に寄稿した記事によると、これはただ冥王星が惑星かどうかといった問題に留まらず、それが太陽系内に位置しているかどうかといった問題にも関わるのだそうだ。

惑星の地位を決めるに当たっては、地球物理学だけではダメだ。天文学における不動産の3つのルールを当てはめねばならない。つまり位置と位置と位置だ。

「太陽系の中の私たちがいるこの場所には、地球が惑星で、冥王星は惑星でないと定める深淵なものがある。

もし私たちが太陽系とそこにある惑星の数について誠実な態度をとるのならば、他のものとは異なる天体がはっきりと8つあることが分かる

 冥王星の地位を巡っては今後も論争が続くだろう。

 そして我々は、いつだって宇宙に注目だ。

 この論文は『Icarus』に掲載された。

References:sciencedaily / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 78件

コメントを書く

  1. 「惑星探査」と「小惑星探査」とじゃ
    なんとなく獲得できる予算も違ってきそうだよね。

    • +11
  2. アメリカが発見した唯一の(準)惑星だからといって必死すぎる

    • +52
  3. アメリカ必死だなw
    冥王星ってアメリカ人が発見した唯一の惑星だったから
    格下げ事件の時一番反対したのはアメリカ。
    まだ復活運動やってたのか…

    • +39
  4. 認定すべき根拠じゃなくて、排除すべき根拠が甘過ぎって話じゃん

    • +19
  5. 恒星は核融合してる星、ブラックホールは光が抜け出せない星、みたいに明確に定義できるけど、それに比べると惑星ってかなり雑な分類。
    球形の定義だって曖昧だし、そもそも「太陽の周りを公転してる」って条件なら系外惑星は厳密には惑星じゃなくなる。
    いっそ惑星、準惑星、小惑星を全てまとめて惑星って呼んじゃダメなの?

    • +7
  6. 冥王星は、ただ単に小さいから外されたのかと思ってた。
    全く違った。恥ずかし。

    • +10
  7. おや?
    ”もやしもん”石川雅之氏連載中の「惑わない星」にブレが生じちゃうな。
    あれ、冥王星が惑星から外されて拗ねちゃうのが一つのトピックになってたから。

    • +2
    1. ※10
      もし今回で惑星に返り咲いたとして、次また降格にならないという保証は一切ないしな。それこそブチギレ案件だよ冥王星からすれば
      存在してるのになんで人間程度にイチイチ決めつけられなきゃいけないのか

      • 評価
  8. 冥王星を惑星認定しちゃうと、ほかに惑星認定しなきゃいけないのがたーくさんあるのよね

    • +28
    1. ※11
      惑星が増えてなんか問題でもあるんかね?

      • -8
      1. ※32
        教科書に書かれるものが増えるなんて俺は嫌だぞ!

        • +7
      2. ※32
        せっかく小学生が学校で覚える惑星がシンプルに水金地火木土天海になったのに、水金地火ケレス木土天冥海ハウメアマケマケエリスになってしまう。将来的にはさらにこれに数十個加わる。

        • 評価
        1. ※82
          案外科学者たちの本音もそんなものかもな。だから取ってつけたような定義作って冥王星以遠を外したんだろうな。

          • 評価
  9. 慣れてたというか収まりが良い気がするから惑星の方がいいな~

    • -1
  10. 別に復帰してもいいけどその時はマケマケちゃんとかも惑星にしてあげて
    和名どうなんのかなというところはあるけど

    • +7
  11. 冥王星=プルートの秘密道具は隠れマント。一時的に天文業界から隠れていたようで・・・
    占星学では死と再生の星としてさそり座に割り当てられている。コイツが再び現れるということは・・・アァ、陰謀論がぁ~・・・

    • +1
  12. ポニーとかイルカみたいなもんだしなあ
    明確な分類なんて太陽系内に限らないと無理だから、遠い将来他の恒星系が観測できるようになるならどうせまた変わる

    • +6
  13. アメリカさんだろうなあと思ったらやっぱりアメリカさんだった
    いや嘲るわけじゃないんだけど、いつかまた言い出すと思っていた
    個人的には「冥王星」というネーミングが好きなので惑星でもいいかな

    • +5
  14. 冥王星と聞くと銀河鉄道999思い出す。
    星全体お墓になってるやつ。

    • +7
    1. ※18
      せめて月に大気があれば二重惑星認定できたかも

      • 評価
  15. 冥王星が惑星に帰り咲くというのは、個人的に賛成だ
    だって『太陽系の惑星』という括りにしたい時に…
    『冥王星は惑星じゃなくて準惑星だけど…』
    と断って、別の項目を設けなきゃイカンのは面倒じゃん?

    • +2
  16. タイタンやエウロパを惑星と呼んでいた天文学者が過去に多くいたことが最新の惑星の定義を否定する根拠なら、条件1の太陽を周回する軌道を持っていることも惑星を定義する条件にはならないってことになっちゃうじゃん。もういっそ、天動説に戻したらいいよ。

    • +5
  17. 冥王星を惑星に格上げしたら、エリスやセドナ、マケマケも惑星に格上げされて、一気に太陽系の惑星が増えそう。観測技術も上がってるから、今後更に増えるかもしれない。
    個人的には、月よりも小さく、同じ程度の大きさで複数存在する天体は、やっぱり準惑星っていう分類が妥当な気がする。地球や火星、木星、海王星といった惑星と比べると、あまりにも違いすぎる。

    • +9
    1. ※23
      セドナのぞっとするような軌道だいすき

      • 評価
  18. 月と比べて小さいからだっけか?
    球体だし公転軌道持ってるし大気もあるし、
    惑星でいいと思うけどね

    • -1
  19. 天文学って定義がいい加減なんだな
    well-definedとかわかって学問やってるのだろうか

    • 評価
  20. 発見からまだ公転半周すらしてないんだっけ?

    • 評価
  21. >つまり位置と位置と位置だ。
    つまり…どういうことだってばよ

    • +4
  22. 最初に有った月の軌道に太陽系外から来た地球が居座ったあげく衛星にした過去からすれば、月を排除出来なかった地球は惑星では無い。

    • -4
  23. どっちなんやねん?
    白黒はっきりして貰いたいけど、ちゃんと精査してから発表してね!
    学説が短期間でコロコロ代わると、教科書会社や授業が大変! まあ、コロコロ代わるという経緯があったというのも、一つの歴史なんやけどね…
    そんなめんどくさい経緯を一つの歴史として、一々覚えさせられる学生も大迷惑!

    • -1
  24. 話の内容よりも「12年前」という事実に驚愕
    そんなに前の話だっけ・・・

    • +9
  25. 球体で地質活動があるなら、今は準惑星となった元小惑星ケレスがある
    >火星よりもダイナミックで、地球よりも複雑な地質
    土星や木星の衛星にもそんな地形があるけどな
    タイタンなんか大気はあるし川や湖もある

    • +1
  26. アメリカ至上主義とかw
    他に大きな小惑星もあるし…
    問題は黄道面からズレが大きいことだと考える。

    • +5
  27. 冥王星が惑星から外されたころ、アメリカで「Pluto」がスラングとして使われていたんだそうだ。
    意味はもちろん「降格される」だってさ。

    • +5
  28. こんな批判が12年もあとから出てくるなら
    もっと排除するときに問題になるのでは?
    長年惑星だったものを排除するってけっこうおおごとだと思うんだけど

    • 評価
      1. >>38
        決まったから騒ぎになったのであって
        決まる前にそんな議論があるなんて一般人誰も知らないじゃん

        • -3
        1. ※48
          決まる前後は冥王星が惑星から外れるかもって
          ニュースがNHKの7時のニュースでも流れてた記憶があるけどな
          一般向けのニュースだったから松本零士とかインタビュー受けてたじゃん

          • +2
  29. 「区分的には準惑星だが、歴史的経緯により例外的に惑星に含める」でいいじゃん。

    • 評価
  30. 言われてみれば軌道を持たない浮遊惑星も惑星って言っちゃってるな

    • +1
  31. つまり、冥王星が惑星に返り咲くと、惑星Xが雨後の筍のように沸くわけだ。

    • +2
  32. まぁ「エッジワース・カイパーベルト帯準惑星代表」という意味でなら根拠としては充分だと思うんだけどな、少なくとも1930年の時点で発見されているんだし、
    近年の目覚ましい技術の進歩によるもので無く、古い光学望遠鏡の範囲内で観測できると言う意味でも惑星に返り咲いていいんじゃないかなと思う。
    13等級だからそれなりに設備必要だけどさw

    • 評価
  33. 12年前の当時からcの根拠は昔からの通説ってより、冥王星と同様な軌道にエリスなどの類似の星が次々と発見されたことにより、他の惑星と大きく違うその特徴をまとめたもの。
    よって、本文の理屈では世界の天文学者を納得させるのは難しいでしょう。

    惑星発見国の栄誉に即したいなら、今、別の9番目の惑星探しがある程度の根拠を持って行われているらしいからそっちで頑張れ。

    • +5
    1. ※43
      その場合cは「他の天体を排除できるくらい大きい」にすべきであって
      軌道上に少しでも他の天体(隕石や流星群)があるとcを満たしきれて居ない、
      ってのをこの研究チームは言いたいんじゃないの?
      cがその後の研究で間違ってると判明するものだったってのはそういう軌道上の他の天体があることが当時判ってなかったからってことを指してるんだし

      • 評価
  34. 準惑星とかは地球人の考え方で、要は地球の衛星である月を基準に判断してるだけだと思う
    仮に木星大気に知的生物が住んでたら、地球は準惑星と呼ばれるかもね

    • -6
  35. 惑星などという分類がそもそも胡散臭い
    地球型天体と木星型天体と天王星型天体と冥王星をまとめて、
    それ以外の天体を排除する分類なんて、
    どんな基準でも正当化できない

    • -8
  36. 定義なんて人間が勝手に決めるだけで誰が何と言おうとも冥王星は冥王星でしかない。

    • 評価
  37. 「軌道上の”他の”天体を排除」って言ってるのに「自分自身の軌道は排除できない」ってどういう反論だよ

    • +1
  38. 定義が無かったから定義を決めたって話だろうに
    今の定義と合致してない文献があるだの昔は曖昧だの何の意味もない蒸し返しだよ
    冥王星の軌道には冥王星と同等サイズの天体が多すぎるから他惑星とは全く状況が違う

    • +4
    1. ※54
      その定義の根拠が実は薄いものだったって話じゃないの?

      • 評価
  39. 冥王星が話せたら
    「どーでもいいわ」
    って言いそうだなあ

    • 評価
  40. 28がサラリとわけわからんこと言ってる。地球は太陽系外惑星だったという根拠はなんぞや

    • +1
  41. 冥王星は戻してもいいと思うけどね。専門家とか星が好きな人は文句ありそうだけど、一般人としては惑星のほうが気分的には収まりが良い。

    • 評価
  42. この問題のそもそもは古い呼び方をそのまま引っ張ってきて使ってる事じゃなかろうか

    世の中そういう厳密に扱うべきことに旧来の名前引用というかそういうことして意味がぶれてる例っていっぱいあるじゃない?

    • +1
  43. JSTの惑星の旅を見に行ったら終了してて悲しい

    • 評価
  44. 往生際が悪すぎる
    アメリカ人てどんだけ冥王星好きなんだw
    その分の労力でプラネット・ナイン探してる人のほうがなんか古き良きアメリカ人らしい気がするけど

    • 評価
  45. 冥王星は孤独で小さな惑星・・・ってところがあの人たちの心情には合致したのだとも思う
    研究が進んだお陰で実際は違うと分かったけど
    もし冥王星を惑星に格上げするなら、他の天体もする事になるよ
    アメリカ発見の理由は惑星の根拠にならない

    • +1
  46. 木星とか地球もトロヤ群を所持したC違反の罪で準惑星降格な。

    • +1
  47. こんなに多くの人を惑わすのだから惑星と呼んでも良いのかも知れない

    • +2
  48. 自分は戻さないほうがいい派だけど
    「すいきんちかもくどてんかい」よりも
    「すいきんちかもくどてんかいめい」の方がしっくりくる

    • 評価
  49. リックアンドモーリーの冥王星の話を思い出した
    てっきりジェリー勝利かとか思ったけどそうでもなくてその辺もジェリーみたいだなって

    • 評価
  50. 「冥王星型天体」という言葉があるように、準惑星の代表と言えば冥王星、それはきっと永遠に揺るがない
    それで十分だと思うんだけどなあ
    鶏口牛後ってやつですね

    • +1
  51. 確かに3つ目の項目は普遍性に欠けるよなぁ。
    よし、私も冥王星が惑星であるに一票

    • 評価
  52. 自分は冥王星好きだよっ 帰ってこい冥王星

    • +1
  53. 他の準惑星と別にするに足る新しい発見でもあったのか、とwktkした俺の期待を返せ

    • 評価
  54. 他の惑星ごと増やせばいいじゃない
    無いかのように扱う方が妙に感じるな
    どうしてなんだろう

    • 評価

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