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悲しむのは人間だけではない。生まれてすぐに死んだ我が子を頭に乗せて泳ぐシャチのお母さん

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(著) (編集)

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 耐え難い不幸に見舞われたとき、深い悲しみや喪失感を抱くのはどうやら人間だけではないようだ(関連記事)。

 カナダ・ブリティッシュコロンビア州の沖合で7月24日、母シャチが子どもを出産した。ところが、それからおよそ30分後に子どもが死亡。

 悲しみにくれる母親はそれから2週間以上、死んだ子ども一緒に泳いでいるのだ。

 悲しみの感情はほかの感情より長く続く(関連記事)ともいわれているが、研究者らは母シャチの健康状態を心配しており監視を続けている。

シャチの群れに3年ぶりの子どもが誕生したが

J35 Drone Footage 20180727

 この母シャチは、絶滅に瀕しているシャチの群れ「サザン・レジデント・キラー・ホエールズ(Southern resident killer whales)」の75頭のうちの1頭だ。

 「J35」またはタレクアと呼ばれており、年齢は20歳ほど。群れにとって約3年ぶりとなる子どもを出産したが、その子はわずか30分ほどしか生きられなかった。

 それ以来、タレクアは2週間以上も死んだ我が子の亡骸とともに泳ぎ続けている。

 頭に乗せて運んだり、尾びれで移動させたりしながら、すでに動かなくなった我が子から片時も離れようとしない。

 誤って海中に落としてしまおうものなら迷わずに潜り、子どもの亡骸が見つかるまで探す。そして、それを何度も繰り返しているのだ。

 子どもの亡骸はおそらく冷たい水のおかげか生まれたときのまま綺麗な状態を保っており、余計に見る者の涙を誘う。

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あまりにも悲しみ深く食事もとらない母シャチ

 アメリカ・ワシントン州サン・ホアン島フライデー・ハーバーにあるくじらの博物館の責任者、ジェニー・アトキンソン氏は当初よりタレクアを見守っている一人だ。

 アトキンソン氏によると、シャチの仲間の多くがタレクアの悲しみに寄り添うかのような素振りを見せていたとのこと。

 しかしタレクアはあまりにも深い悲しみに沈んでおり、食事もとらずに群れの最後尾を6ノット(時速約11km)ほどでゆっくりゆっくり子どもの亡骸を連れて泳いでいるのだとか。

 そのため研究者らは、タレクアの心の痛みを理解しながらも健康状態を気にしているようだ。

 ワシントン大学保全生物学センターの研究者であり、野生のシャチの保護団体「ワイル・オルカ」の研究責任者であるデボラ・ジャイルズ さんは、

タレクアの健康状態がとても心配だよ。今回のことは本当に残念だったが、タレクアは20歳のメスであり繁殖の適齢期だ。群れを存続させるため、彼女が必要なんだ。精神状態がよくなく苦しんでいるだろうから、なんとか乗り越えさせてあげたいが・・・

と語る。

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シャチが2週間以上も悲しみにくれるのは珍しい?

 これまでにも子どもを亡くしたシャチが悲しみにくれる姿は目撃されてきた。数日間、子どもの亡骸と一緒に泳ぐ母シャチもいたという。

 しかし2週間以上もの長期間となると話は別だ。シャチは通常群れで行動するため、孤立してしまうと食料を得られず苦労する場合もあるそうだ。

 そのため研究者らは、タレクアの今後の健康状態に注意しながら見守っていくとしている。

追記:(2018/08/13):最新の報道によるとこの母シャチJ35は17日間、約1,600kmに渡り我が子の亡骸と行動を共にし、ようやく別れを告げたという。

References:Seattle times / YouTubeなど / written by usagi / edited by parumo

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この記事へのコメント 49件

コメントを書く

  1. 愛情の深さって各動物次第だと思う
    猫もさっさと捨てることあるが、そういう捨てた猫って
    ほとんど持病持ってたり、長く生きれない。
    という冷酷な姿を見せると思ったら、同じ仲間が死んだとき
    必死で起こそうと普段臆病な奴が必死で付き添ってた
    なんちゅーか動物って定規で測れない奥深い世界かも

    • +43
  2. シャチの世界ではオスの子殺しもあるから普通2、3日で諦めるのにな
    きっと人一倍愛情深いシャチなんだろうな、きっといいお母さんになれるから早く立ち直っておくれよ…

    • +46
  3. 群れで3年ぶりの子供って普通なのかな。毎年2〜3頭は産まれるもんかと思ってた。

    • +9
    1. >>3
      栄養不足だってさ
      リンク貼ろうとしたら拒否られたから気になるなら自分で探してください

      • +16
    2. ※3
      この海域で魚が激減して群れが十分にえさが獲れないらしい。胎児も栄養不足で何度生まれても成長できないとか。

      • +19
  4. 昔、テレビ番組でチンパンジーかボノボかの群れを追ったのがあったけど、群れ最高齢の母親が、出産したけど死んでしまった子を肌身離さず背中に乗せている映像があった。落ちたら拾い、落ちたら拾いしながら、群れの中で日常生活を過ごしていた。ナレーションの説明だと、朽ちて無くなるまで持ち歩くらしい。
    それ思い出した。チンパンジーだけじゃなかったんだ。

    • +46
  5. 海の中にもこんなに深い悲しみがあるんだね。

    • +14
  6. 泣きました。
    どうか次に産まれる子は健康で長生きしますように。

    • +17
  7. 4です。
    すみません、もう一つ思い出した。
    昔、シルクロードの本で読んだのですが、キャラバンで飼われてるラクダです。旅の途中でラクダが出産したら、子ラクダを母ラクダの背中に乗せてやるんだそうです。でないと、母ラクダが動かないんだとか。で、子ラクダが死んでしまった場合、やはり母ラクダの背中に乗せてやらないと、母ラクダがテコでも動かないそうな。背中の子ラクダは、朽ちて無くなるまで乗せておかないといけないらしい。母ラクダが子ラクダの死骸の傍から離れようとしないんだって。
    野生ラクダはどう対処してんだろうか?

    • +20
    1. ※8
      想像だけど、肉食の連中か、スカベンジャーな連中がやってきて奪い去るだろうね。でも、そうやって次の命の礎になるんだよね。だから人間も焼くんじゃなくて、鳥葬みたいに別の動物に食べてもらうのもアリかもね

      • +9
  8. 他の種でも見られることあるけど、同じ動物でも個性によるよね

    • +12
  9. ちょうど昼間に、あのお母さんが子どもを手放したようだ、っていう記事を見たんだけど、あらためて1つのストーリーとして見られてよかったと思う。
    ありがとね。

    • +17
  10. 愛情深いシャチも、有名な動画の様にアザラシを弄んでコロコロしたりするんだろうか

    • -24
    1. ※12
      人間の愛情深いお母さんだって魚さばいたりエビやカニを熱湯に放り込んだり、住む場所によってはニワトリ締めたりするじゃない。それと同じだよ

      • +42
    2. ※12
      シャチは群れによって食べ物が違う
      この群れはサーモンかなんかが主食で、それが人間に狩りまくられてて
      ろくに食えてないらしいよ
      まあアザラシやペンギンやクジラの子供コロコロしてる群れだとしても
      ※15さんの通りかと

      • +15
  11. シャチの記事を読むたびに彼らの賢さ、チームワーク、愛情深さに驚かされる。
    好きだった人間に無視されるようになって自殺してしまったシャチもいる。
    「人と友達になりたかったシャチ」で検索してみてほしい。

    • +15
  12. あぁ。ついにお別れしたんだ。
    このニュースを見た直後に車内放置で子供を死亡させた親の記事を見て、シャチにも劣る人間が恥ずかしくなった。

    • +8
    1. ※16
      シャチは子殺しもするし、それはチンパンジーも同じ事なんだぜ
      子どもの権利は親の愛情で誤魔化すもんじゃないし
      人間の道徳で野生動物を測るなんて言語道断だぞ

      • +10
    2. ※16
      シャチも人間も一緒
      優劣つける必要ないでしょう

      • +12
  13. シャチには同情できん。あいつら2枚目な上に強いししかも群れやがる。50mくらいのダイオウイカとかタコとかが海の支配者になるべき。

    • -23
    1. ※17.

      「オルカ」釣り上げられたメスのシャチが苦しそうに子供を産み落とすシーンは、衝撃的でした。

      • +7
  14. 「オルカ」っていうアメリカ映画を思い出した
    妻と子を漁師に命を奪われたオスのオルカの復讐の物語
    美しい映像とモリコーネのテーマ曲が泣かせる作品

    • +18
  15. 悲しみとかじゃなくてまだ生きてるor生き返ると思ってるんだろ

    • +5
  16. 7つの海のティコは
    時代を先取りし過ぎていたな。

    • +1
    1. ※23
      その映画の中身自体は作り話だけど、吊り上げられて子を産み落とすシャチは本当なんだよ。
      映画のために殺されたんだと思うと怒りがわいてくる。
      映画作るために犠牲にされる動物が悲しい、娯楽のために殺してるのと同じことだ。

      • +8
      1. ※32
        気になるので教えてほしいんだが、これはソースはあるのかな?

        • +3
  17. サルの母親は、産んですぐに我が子が死んでしまった場合、ミイラ化しても死体を連れ回す事が有る…とか何かで読んだ事が有る。人間に近い種族な事もあって、こういう事例は悲しみを誘う。

    • +5
  18. 鴨川シーワールドの飼育員さんの話では、
    「シャチどうしの絆は、対人間よりもずっと強い」のだそう。
    ところで、そろそろシャチを水族館で飼うのはやめてほしい。
    プールは彼らには狭すぎるんだ。

    • +14
  19. 悲しんでいると言うより、死を認識していなかった可能性は無い?心臓マッサージや人工呼吸の様に、動けなくなっていても共に行動させていれば生き返る可能性は微レ存。と希望を持っていた様に思える。

    • +5
  20. 小学生の頃、読んだ本に港の中に迷い込んできたハナゴンドウクジラの話を思い出した
    そのハナゴンドウクジラは港で子どもを産んだんだけどその子どもはすぐに死んでしまった
    でもハナゴンドウクジラは死んだ子どもがやっぱり朽ち果てるまでずっと連れてて港周辺の住民はそれを見守ってたんだと…動物ってすごいな

    • +6
  21. アメリカ映画だったかな? こぐま物語。
    野生下で、母グマと死に別れた子グマが、成り行きで、大人の雄グマと言う史上最強の後見熊を得て、強く生き延びて行く。って話。

    子グマが、死んだ母グマが朽ちて原型をとどめなくなるまで、傍を離れなかった。アレは胸が締め付けられた。

    • +4
  22. 今度は元気な赤ちゃんと、もっと長く一緒にいられるといいね。

    • +4
  23. 『Mel&Bernardo』ってweb漫画のHPに、シャチについての詳しく解りやすいイラスト解説が掲載されているよ。
    pixivやTwitterで読める同氏のシャチ半擬人化漫画『モルトバール』もおすすめ。

    • +2
  24. 人間より人間らしいシャチ
    というと彼らに失礼だろうか

    • +4
  25. 水を差すようだが本能だよ 子育てする動物のね
    ぬいぐるみを抱く子供しかり・・・

    • -7
    1. ※39
      捕らえた獲物の皮を生きたまま剥いでそのまま捨てたり、狩猟娯楽の為に肉食動物を育てて銃で撃ち殺させたり、他の生き物の食べ物や住み処を根こそぎ奪い取って絶滅させたりする種族もいるし、ま、多少はね?

      • 評価
  26. でもこいつら、捕えたアザラシを2匹でチャッチボール撲殺しながら食うとかいう種族ゾ

    • -9
  27. アザラシ・ボールもやるけど、死にそうなペンギン助けたりもする。
    気分屋なのか、個体差なのか。

    間違いないのは、シャチが食物連鎖でヒエラルキー上位ってことで。
    二週間以上、生物として、群れの成員として機能せずに生きていられる程度には。

    ウチの子供が死んでしまっても、会社は二週間の忌引きを認めないだろなぁ。。。

    • +10
    1. ※42
      人間はゴキブリと見るや部屋中ひっくり返して始末するのに、
      野良猫と見るや姿が見えないと探し回ってまでエサやったりする。
      優しさの指標にはならないよ。

      • +2
  28. ダムのせいでサーモンが激減、栄養不足の中やっと産まれた子供
    この海域では子供の実に75%が死亡してる
    この子供を手放したのはガスが抜けて沈み始めてどうしても一緒に泳げなくなったからってのがもう切なすぎる

    • +16
  29. 私たち陸には病院があって助かった可能性があるのに…もちろん、自然の事に手出しは出来ませんが…辛い。

    • +2
    1. ※44
      俺たちも自然の一部だということを忘れるな。

      • -2
  30. 2020年9月8日 うれしいニュース!!!

    このお母さん出産しました!

    (パルモちゃんが追いニュースUPしてくれました)

    • +5
  31. 「ホラ・・・しっかり泳いで!お願い!!」って意思をイメージしちゃうな

    • 評価

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