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カラスは道具の形状を記憶し、記憶から道具を再現し、それを改良して最適化できる(ニュージーランド・英研究)

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 カラスは様々な道具を使いこなすことができるし(関連記事)、なんなら作って利用することもできる。更にはそれを改良して最適化をはかることができるという。

 では、彼らはどのようにしてそのやり方を知るのだろうか? 最新の研究によると、カラスが道具の形状を記憶して、記憶から再現できるという驚きの事実を伝えている。

道具を自作するカレドニアカラス

 主にニューカレドニアに生息するカレドニアガラスは野生の環境において道具を自作し使用するカラスとして有名だ。特に多いのが、届きにくい場所の餌を釣り上げるフックのような道具だ。

 だがカラスが道具のデザイン(さらにはそれを改造し、最適化する方法)を学ぶ方法についてはこれまではっきりしなかった。これは本能的なものなのだろうか、それともほかのカラスの行動を見て学ぶのだろうか?

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image credit:カレドニアカラス wikipedia

自作した道具を改良し続け、最適化をはかる

 野生のカレドニアガラスはほかのカラスの行為に特に注意を払っているようには見えないが、異なるエリアで固有の道具のデザインが登場している。

 こうした数十年もの観察から示唆されているのは、個々のカラス集団が独自の修正を加え、世代を超えて改良を続けているということだ。

 これは人間以外では滅多に観察されることがない「累積的文化進化(cumulative cultural evolution)」と呼ばれる事象の一例かもしれない。

 だが、それはカラスが本当に道具のデザインを記憶し、再現している場合にのみ言えることだ。

 カラスがそうしたことを行なっているかどうか調べるために、ケンブリッジ大学のサラ・ジェルバート(Sarah Jelbert)氏らは、野生で捕獲したカレドニアガラス8羽で実験を行なった。

カラスはどのように道具の作り方を学ぶのか?

Mental Template Matching in New Caledonian Crows

 まずカラスが良い道具を認識するよう訓練した。各カラスは”自販機”で使える厚紙で作った引換券を、大きい券2枚か小さい券2枚かから選ぶことができる。

 餌は大きい引換券か小さい引換券のどちらかを入れたときしか出てこない。最初にカラス全羽が大きい券の使い方を教えられ、試験フェイズののちに小さい券の使い方も教えられた。“正解”の券を自販機に入れると、後ろ側で隠れていた実験者が肉を出す。

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記憶から最適な道具を作り出す

 面白いのはここからだ。各条件付けフェイズののち、カラスには大きな厚紙が1枚与えられた。すると、それでどうするべきかは特に指示されなかったのだが、カラスは爪やクチバシで正解の券の大きさになるよう厚紙を引き裂いた。

 つまりすでに使い方を把握している自販機に使う道具を自分で作り出したのだ。

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カラスが作成した引換券をスキャンしたもの。各カラスの名前のすぐ下の行は、雛形を見せられる前にカラスが作ったもの

image credit:Jelbert et al./Scientific Reports
 グラフでも示されているように、ほかの仲間よりも再現能力が秀でたカラスもいた。その賢いカラスは券の大きさを記憶し、できるだけそれに近いものを再現する才能がはっきりと優れていることを示している。

野生の環境なら道具の再現力も高まる可能性

 野生では、記憶されたデザインと実際にカラスが再現するものの忠実性は高まるだろうと研究者は述べている。

 実験で使用された厚紙はまっすぐに裂けていないが、引き裂いた葉っぱならカラスにとって再現がもっと容易であろうからだ。

 カラスが道具の形状を憶えていられる期間については、実験環境よりも野生での方が長くなる可能性が高いために、それをはっきり知るにはさらなる実験が必要になる。しかしカラスの驚くべき賢さの理解について素晴らしい進展である。

 「結果は、我々が知る限り、人間以外で道具を作成する種が過去に報酬を得られた雛形のサイズと一致する道具を作れることを始めて実証したものだ」と論文にはある。

 カレドニアガラスが累積的文化進化の証拠を示している理由の解明へ向けた第一歩となったようだ。

 研究論文は『Nature Scientific Reports』に掲載された。

References:Animal Minds / the-scientist / nature/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. 最近都心じゃカラスも見かけなくなったなぁ
    ノラ猫といい、害獣なのかもしれないがなにか寂しい

    • +5
  2. EMMAちゃん、めっちゃ器用。D4RとBLUEは出来ない子だわ。
    関係ないけどこの間駅前のカラスにパンくずを投げたら恐る恐る寄ってきて食べた後こっちを見上げて「グォウグォウ」と変な声で鳴いた。

    • +11
  3. そのうちカラス文字が生まれそうだな…

    • +3
  4. カラスに人間みたいな手があったらちょっとした文明を築けたかもしれない

    • +14
    1. ※5
      文明をしょっちゅう破綻させてる人間よりも
      自然界のバランス崩さず天下取ってるカラスさんの方が賢い生き方してる気がする

      • +2
      1. ※21
        ソレは如何かなぁ
        知能が発達したら自分に快適な世界作るのが結局最優先事項になる気がする

        • +2
        1. ※22 同感です。進化は良識が発達することじゃなくて、自分のいる環境(目先の問題)でどうやって効率よく立ち回るかですから。欲望のセーブはできない。カラスも今より賢くなれば、意図せず環境を変えて自分の首を絞めてしまうような事案も発生するでしょう

          • +1
          1. ※23
            知能は自分の首を締めることもあるけど、途中でやり直せる可能性も秘めてる。

            • +3
  5. カラスはホント頭いいな
    実験の映像も分かりやすいだけじゃなく、
    カラスがでかい厚紙を見つけたときの「これ使えんじゃね?」
    みたいな動きがかわいかった

    • +8
  6. もし鳥類が恐竜の子孫だというのなら、こういうカラスの行動を見ると
    ある程度高度な文明を持った恐竜がいたかもしれないと想像してワクワクしてしまう

    • +7
  7. 大抵は頭いいけど稀にアホの子もいる
    水飲もうとして池に落ちかけたり

    • +12
    1. ※8 人間といっしょやな。個体差がある。

      • +8
  8. 人間が滅びた後の遠い未来で、進化したカラスが発掘した道具を(修理もしくは本来と違う用途で)利用して生活する光景もありかもしれない。

    • +5
  9. カラスは賢い!
    でもこの実験をデザインした研究者も賢いなあ、ヒト以外の動物の累積的文化進化の見事な実証だ。

    • +8
  10. なんかもう、自販機で餌買うぐらいじゃ驚けなくなってきたな。
    既存の餌を調理して美味しくするぐらいはやりそう。

    • +3
    1. ※16
      漁港近くのカラスだと、生の魚よりも
      太陽に当たって少し干からびた奴の方が
      美味い、位の事は把握してそうな予感。

      • +1
  11. これだけ賢いのに何故か鏡像認知できないんだよな
    同じ鳥類のカササギは出来るのに

    • +1
  12. 形状記憶ガラスでもできたのかと思った

    • +1
  13. 観察者及び餌を出す人は完全に隠されていたのだろうか?

    「犬や馬が足し算できる」話があるだろ。
    出題者(飼い主)の様子を見ながら、必要な数まで吼えたり、蹄で音を立てたりする。

    カラスはもう少し頭が良くて、人の表情・感情を読むのが上手い。
    だから観察者が「しめしめ良いぞ」「いいぞ、それ」なんて顔をしてると容易に『望まれた行動をとる』。
    で一度覚えてしまえば改良は簡単。
    小さい紙片に切り替えるとき、どうしていたかが気になる。

    あと世代を超えて道具の改良を続けているのはチンパンジーの蟻釣りでも見られるのでは。

    • +6
  14. 残飯をちゃんと処理すればカラスは寄り付かない

    • +1
  15. 俺も大きい紙と小さい紙を破れるよ誉めて

    • +1
  16. 「――――基本骨子、解明」
     「――――構成材質、解明」
     「――――、基本骨子、変更」
     「――、――っ、構成材質、補強」

    名前といいエミヤ・士郎みたい

    • 評価
  17. このカラス達にお札渡してみようぜー(ビリビリ)

    • 評価
  18. 昔、犬の名前を何回も呼んでたら覚えたらしくって、家の犬が空から呼ばれてたよ。
    呼んでたのは一匹だけだったけど。

    • 評価
  19. 翼をナックルウォーキングするみたいに地面につけて足がわりにして、足二本を自由に使えるようにすればすごい進化しそうだなぁって思うんだけど
    たぶん移動性が死ぬからほんと限られた環境下でしか無理そう

    • 評価

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