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麻酔にかかる植物。ということは植物にも人間のような意識があるということなのか?

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(著)

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 さて前回、植物も動物同様、麻酔にかかるという研究結果をお伝えしたが、動物的に見ると、麻酔とは意識を失わせるものである。ということは植物にも「意識」があるのだろうか?それは「意識」と呼べるものなのだろうか?

 近年、植物にも知性や感情があると考える科学者が増えているが、それでもまだ植物は正当な評価を得ていない。

 植物は動く。鉢植えの植物は朝になれば太陽に向かって体を動かし、光を浴びて光合成を行う。自ら食料を作り出して生きている。

 そして少なからず知性らしきものもある。

植物の知性

 エンドウは、土壌の状態が悪い場合、まるでリスク評価をしているかのようだ。とても敏感で、記憶があり、ちょっかいを出せばツルを巻かないよう学習させることができる。

 ハエトリグサは獲物が罠にかかった時、数を数えているかのようだ。さらに植物同士やイモムシの類とコミュニケーションまで図ることができる。

 これらはこれまでの研究でわかったことだ。

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麻酔にかかる植物

 『Annals of Botany』に掲載された研究では、各種麻酔によって植物が動かなくなることが明かされた。人間用の麻酔も植物に効くことが確認されたのだ。これは植物と動物には考えられているほどの違いがないことを示している。

植物も動物同様、麻酔にかかることが判明(国際研究) : カラパイア

 実験では、エンドウをエーテルが充満するガラス容器に入れる、エンドウの根やガーデンクレスの苗をリドカインに浸す、ハエトリグサの罠の部分の細胞の電気活動を計測するといったことを行った。

 1時間もするとエンドウは反応を示さなくなった。苗は休眠状態となり、ハエトリグサは刺激に対して無反応で、細胞の発火が見られなくなった。

 そして麻酔が切れると再び活動を開始した。一般に我々は植物に意識があるとは考えていないが、その様子はまるで植物が意識不明の状態から回復したかのようだ。

 この研究に携わったドイツ、ボン大学の植物細胞生物学者フランチシェク・バルスカ博士によると、生物が環境を認識し、反応・適応する仕組みはとてもよく似た原理に基づいているという。

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植物は機械ではない。刺激を感じ反応する

 「植物は単なる機械のような存在ではなく、刺激に反応する装置です」とバルスカ博士は話す。

 「各々が問題を抱えた生体で、たぶん人間のような苦しみや喜びを感じているでしょう。その複雑な生涯を生きるために、羅針盤がなければなりません」

 植物はストレスや競争などに対応するためにそうした羅針盤を使うことがある。例えば、環境から情報を取り込み、メタノール、エタノール、コカインといった麻酔薬を作り出す。

 これは人間がトラウマによる苦痛を緩和するために化学物質を放出するのと似ている。それは植物の内部で作用することもあれば、空気中を漂い周囲の植物に影響することもある。

麻酔で意識を奪う仕組みは現在もまだ不明

 化学構造や元素が異なる麻酔が植物や動物(あるいは細菌)の苦痛・意識・活動を停止させることは分かった。

 だがそれらが我々から意識を奪う仕組み、つまり化学物質が持つ人間の神経系への物理的作用は、麻酔が使用されてから1世紀以上経った現在も不明なままだ。

 一部は受容体と結合して活動を遮断しているようだが、それですべてが説明されるわけではない。

 研究では、麻酔にかかった状態では、細胞膜の物理特性が変化し、より柔軟になることが判明した。

 ところが細胞に圧力をかけるとその作用は逆転し、麻酔は徐々に消える。ここから、細胞膜に生じる物理現象といった単純なことが、動植物に共通する麻酔効果の特徴である可能性が示唆される。

 バルスカ博士らは、麻酔をかけられた一部の植物の根の細胞において、細胞物質を内外に輸送してリサイクルするという、通常の機能に障害が起きていることを発見した。

 植物の細胞膜機能を改変しているものの正体は不明であるが、膜は細胞間の電気を介して伝令(活動や動きにつながる)を伝える上で重要な役割を担っている。

植物にも人間のような意識が存在するということなのか?

 一説によれば、人間の意識は神経細胞を伝って移動する電気活動によって生じている。もし植物についても、麻酔によって電気活動が阻害されることで”意識不明”の状態を引き起こしているのならば、やはり植物にも意識があるということなのだろうか?

 「直接訊けない以上は誰にも分かりません」とバルスカ博士。

 いずれにせよ、我々と植物は思っている以上に似ているのかもしれない。

References:boingboing / nytimes

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この記事へのコメント 40件

コメントを書く

  1. 買ってきた時点では食べ物だが
    芽や根が出てきてるところを見ると
    生きてるって気がして、植えてしまう

    • +12
  2. 意識があるのと麻酔にかかるのはまた別の話では?

    • +15
  3. 動物と構造は違うが、生物である以上意識はあるでしょ。

    聞いた話だと、ある植物の花を咲かせようとものすごくケアして育てると現状に満足して花を咲かせないらしい。花を咲かせる行為は繁殖行為だから、何の問題もないと繁殖の必要すら感じずに過ごすことになるそうだ。

    • 評価
  4. 意識、の定義次第じゃないか?
    能動的に環境に反応する能力を意識と言うなら、単細胞生物にも意識はあるけど、人間とはだいぶ違うものじゃないかな。

    • +15
  5. もしも植物に知脳があるなら
    AI人工知能なんて夢のまた夢だな

    • -3
    1. ※8
      逆じゃないか?
      植物の麻酔に対する反応で「意識・知能」があるとするならば
      AIはすでに「意識・知能」を持っている!

      Ω ΩΩ<な、なんだってー!?

      • +14
      1. ※15
        それ思う
        人工無能と人間の違いもすごく有るようで無いような気がしてさ
        人工無能に学習機能が付いたら人工知能と呼ぶとしたらもう人間の知性の仕組みとさほど差がないような気がして…
        まぁ生き物かどうかとか長い歴史で作り上げた善悪の基準や本能がないのでそこまで崇高に感じる必要はないとしてもだな、人工知能が人間の歴史の土台があってその上に断つ存在だとしたらある程度の敬意とか持ってもいいと思うだよねとかいろいろ思うわけだ

        • +3
        1. ※22 なんか知能と意識が混ざってる様な?
          AI研究者にとって知能とは“何かの目的を達成する能力の計算的な部分”であって、それを行う機械が人工知能って事みたい。(人工知能学会HP)
          だからAIに知能はあっても意識は(現状は)無いだろうし、人工無能にはどっちも無いんじゃないかなあ。

          • +2
  6. 麻酔の原理が細胞膜への作用かもしれないという話なのか?ということは、動物と植物が分かれる前の共通祖先の単細胞の時点で麻酔にかかる機構があったとしてもおかしくはない。次は酵母でも麻酔にかけてみるか?菌類(キノコ)は?大腸菌はどうだろうか?

    • +6
  7. キー坊「植物星の大使になれる程度には知能指数があります」

    • 評価
  8. ビーガンが植物を食べれなくなる日も近い

    • +23
  9. 姿形が似ても似つかないからと他者を自分たちより下に見るのは人類の悪いクセでしょ。

    • +11
  10. 「植物にも意識はある」と言ってる人は、ディズニーの映画みたいに植物を擬人化して考えてる気がする。

    例え意識があったとしても、我々が考えるような意識とは全然違うんじゃないのかな?

    • +12
  11. 人間と同じような意識はないだろうけど
    ぼんやりとしたものはあると思うよ
    そうじゃなきゃ様々な環境に適応し
    進化を繰り返して生き残れない

    • +5
  12. *15
    それだとウィルスや大腸菌にも意思があることになるけど

    • +3
  13. ボン大学のバルスカ博士、  アニメに出てきそうな、

    • +4
  14. そもそも麻酔って、植物由来の成分でできてたような

    • +1
  15. 「物理的化学的電気的反応としては、普通の人間と全く同じであるが、
    意識(クオリア)を全く持っていない人間」
    っていう哲学的ゾンビの話を思い出した
    意識ってなんなんだろうな。

    • +1
  16. 麻酔とは意識を失わせるモノ、と言う最初の定義が間違えてる
    麻酔によって生理的機能が麻痺する事と、意識の有無は関連性が無い

    • +2
  17. 人間でいう思考は無いだろうけど、「無意識」「潜在意識」的な意識はあるかもね。
    パソコンでいう思考がOSなら、無意識がBIOSみたいな

    • +5
  18. 植え替えに失敗して枯れてしまいそうな植物があるから
    これから毎朝励まそうと思う

    • +3
  19. 生命があったら意識もある可能性はあると普通に思ってる
    人間に感知出来るか如何かが判断基準ってのが抑々解せない

    • +2
  20. そうそう最近見た夢で花が好意を向けてる夢を見たな。
    「あ、好意を向けてる!」てな感じで。
    目が覚めてから少し考えたけど動物が好意を向けてくる感じに似てたかな。
    まあ夢だし信憑性はないし記憶から生じたものだろうからでもまあ不思議体験みたいな感じでよかったかな(笑)
    でもまあ植物にも植物なりの感性みたいのはあるのかもね。

    • +2
  21. 意識があるとするなら日本昔話だと植物とか木の精霊が出てくるけど、そのことに近いのかな?(日本人は意識ある派が多いのかも?)
    かなり昔の心霊番組でノンフィクション漫画か小説か何かで、庭の柳の精霊に見初められた?女性の話しがあったはず(知ってる方いる?)

    • +1
  22. 何を持って意識と定義するか次第では意識があるとも取れるし、無いとも取れる
    結局のところまずその定義をきっちり固めない限りは議論しても、物差しが違うんだから食い違うばっかりだと思うよ

    • +4
  23. 人間の脳から四肢へと伸びている神経の伸びている形状図と、植物の根の形状図ってなんか似てる気がするし、特に驚かないな

    • +1
  24. 現時点で、科学的に意識の存在を確認する方法がないだけの話。否定する理由はない。鉱物でさえ、ミクロでは、振動している。

    • +1
  25. こいつらの生きようとする力を見てるとさ、一部のベジタリアンが言う
    「植物には意思がないから動物とちがって食っていい云々」
    ってーのが詭弁に聞こえるのよね

    荒川弘 著 「百姓貴族」3巻より

    • 評価
  26. 意識って言葉を無意識的に使ってなかったかい?

    • 評価
  27. なぜ人間だけが意識があると思うのだろう?
    なぜ人間だけが知能があると思うのだろう?
    なぜ人間だけが痛みがあると思うのだろう?

    人間のエゴが炸裂ですわ

    • 評価
  28. 昔、特報王国(だっけ?)でも仲間思いの白菜がいた覚えがある。隣の白菜に包丁を入れようとすると「やめてぇぇ!」と言わんばかりの音波を出すみたいな。まぁあの音波が何なのか覚えてないんだけど。

    • +1
  29. 動物のような感情を伴う意識があるかっていうとね…
    プランクトンやサンゴだって意識があるのなら、植物だって当然あるでしょう

    • 評価
  30. そりゃ生き物なんだから麻酔くらいかかるでしょ
    ただ植物が「自我」を持っているかはまだ不明だと思う
    集合意識を持ってるという説が有力じゃないかな
    お互いの枝を避けて成長したりする種もあるので、単に混沌と成長してるわけでは無いはず

    まあヴィーガンの言う「植物は食っていい」というのはエゴだよ
    昔の仏教の坊主も「魚は獣ではないから食っていい」だったんだよね
    どういう理論だよっていうw

    • 評価
    1. ※46
      しっかりと枯れるまで育て上げて、そして埋葬してお墓を作るべきです

      植物系にはマヒが利く、と
      そうすると神経毒で枯れることになるのかな?

      • 評価
  31. 熱帯植物園(ドーム)に行くとわかるよ。
    生命力旺盛なドームに行くと、確実に集合意識を感じるから。
    気配と共に、たまに明確な意識さえ伝わる。
    楽しいよ♪

    • -3

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