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H・R・ギーガーが手掛けたデボラ・ハリーのボディーペインティング

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(著) (編集)

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 映画『エイリアン』のデザインを手掛けたことで知られているスイス人デザイナー、H・R・ギーガー(1940年 – 2014年)だが、ロックシーンにおいても様々な業績を残している。

 1973年11月にリリースされたエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)の『恐怖の頭脳改革』をはじめ、様々なアルバムジャケットを手掛けた。

 1980年春、彼は、ニューヨーク、ハンソンギャラリーで開かれたH・R・ギーガーの作品展示パーティーで、アメリカを代表する女性ミュージシャン。ブロンディのヴォーカリストとして知られるデボラ・ハリー(1945年~)と出会う。

 この時ギーガーは、『エイリアン』のデザイナーとしてアカデミー賞視覚伝達効果賞を受賞したばかりだった。

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 ギーガーはこの時のことをこうコメントを残している。

すごい美人を紹介されたんだ。ブロンディってバンドでボーカルをやっているデボラ・ハリーさ。それから彼氏のクリス・シュタインも。僕の作品が気に入ったみたいで、最新アルバムのジャケットをデザインしてくれないかって頼んできた。

僕の方も2人をすぐ気に入ったから、快諾したよ。素敵な女性のために何かを作れるっていうのはとても嬉しいことだからさ。バンドの曲は聴いたことがなかったけど、それは僕がジャズの方が好きだったせいさ。

 どちらも多忙を極めていた。『エイリアン』によってギーガーの名は一層知れ渡るようになり、ブロンディも人気の絶頂にあった。

 数ヶ月前、4枚目のアルバムとなる『恋のハートビート』をリリースしていたが、ハリーとシュタインはブロンディとしての活動に疲れてきてもいた。

最初のコラボ作品は斬新すぎて広告掲載拒否も

 ハリーとギーガーは似たようなタイプのアーティストではないだろう。しかし、よく知られているように、2人はコラボしてハリー初ソロアルバム『KooKoo』(1981年)のジャケットを作り上げた。だが、残念なことに同アルバムはそれほど成功を収めることができなかった。

 その大きな理由は、荘厳な顔に4本の串が貫通した紛うことなきギーガー調の心乱されるジャケットアートであった。以下は、ギーガーが製作中の初期のコンセプトアートだ。

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 ギーガーによると、金属の串のアイデアは自身が少し前に受けた治療法から着想を得たという。

友人で医師のポール・トブラーから鍼治療を受けて、4本の針を刺すっていうアイデアが浮かんだ。それは4元素のシンボルで、それを彼女の顔に組み合わせるんだ。電話でデボラとクリスに伝えたら気に入ってくれて、一番出来が良かった2曲のミュージックビデオの製作まで依頼してくれた

 ジャケットアートが醸し出す不穏さゆえに、イギリス国鉄はその広告の掲載を拒否し、ほかにも同じような動きがみられた。当時のセックスシンボルだった彼女が不気味な禁断のギーガーの世界に登場することなど誰も望んでいなかったという意見もあるだろうが、ハリーとシュタインはそうしたリスクを冒すことを恐れておらず、賽は振られたのである。

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 アルバムがリリースされた後、ハリーとシュタインはヘビーメタル誌(本誌ではギーガー作品がお馴染みだった)でギーガーとの作業について綴った。「スイス人との奇妙な遭遇(Strange Encournters of the Swiss Kind)」と題されたその記事では次のように述べられている。

ギーガーはインダストリアルデザイナーだ。そのことは彼の家に足を踏み入れた瞬間はっきりと分かる。彼の椅子のようにエイリアンの姿をしたものですら、構造的に堅固である。

エイリアンのクリーチャーは、有機体の延長としてマクルーハン的な機械の性質を持つが、生物学的に合理的だ。フェイスハガーは気嚢を持つが、これは単なる飾りではない。

ギーガーの作品は潜在意識に作用し、金属に変えられてしまうのではないかという恐怖を生み出す。究極の完璧主義者による作品であり、まさに偏執的で素晴らしい。

ギーガーが監督まで務めた『Backfired』

 ギーガーが述べているように、彼はアルバムに収録されていた『Now I Know You Know』と『Backfired』向けのミュージックビデオのビジュアルコンセプトを手がけることになっていた。ところが撮影当日に監督が現れず、ギーガーは監督まで務めることになったのである。

 以下は、ギーガーが制作したボディスーツを着込んだハリーの姿や制作風景を記録した写真だ。

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またヘビーメタル誌の記事もある。

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こちらは『Backfired』のミュージックビデオだ。

VIDEO – Debbie Harry – Backfired

via:H.R. Giger body paints Debbie Harry for album cover and video—behind the scenes | Dangerous Minds/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 26件

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  1. クローネンバーグのアレの方が七倍よい

    • 評価
  2. ブロンディのHeart of Glass好きだったな
    マドンナも憧れたというデボラ・ハリーはセクシーで綺麗だった

    • +4
  3. ブロンディは今年11枚目のアルバムを発表してびっくりした デボラ・ハリー72歳よ!

    • +9
  4. 誰かが(エイベックスの社長だったかな?)レコードやCDはやがて廃れて音楽は配信ばかりになるみたいな事をいっていたけれど やっぱりジャケットアートは楽しいなあ
    メタルやジャズ系なんかついジャケ買いするもの

    • +12
  5. ブロンディ!?懐かしいですね~
    ディスコで”Call Me”がかかってましたね

    • +1
  6. デザイナーとしては疑いようのない大天才だが、映像センスは最低最悪だなw
    かえって親近感湧くわオチャメなギーガーさん

    • 評価
  7. 邦題は「予感」だったかな。
    持ってるわこのアルバム

    • 評価
  8. 音楽は配信でしか買わないけど、音データと文字データだけじゃなんとも寂しい
    ジャケット(画像データ)もセットじゃないと
    と感じるのはおっさんだからか

    • +7
  9. ギーガーはデザインの世界にひとつの大きな流れを生み出した天才。

    • +5
  10. 今ならもっと凄いMV撮れたろうな

    でも正直、ギーガーは人間とMIXするより、対人間の方が素敵
    ボディスーツがお茶目すぎるよ!

    • +4
  11. ”ギーガー”で検索したら僕の右手が・・・

    • 評価
  12. ローラースケート場でCall Meがよくかかってたな

    • 評価
  13. お亡くなりになられてたんですね
    ロメロさんもそちらへ向かわれましたのでヨロ&南無

    • +4
  14. 初めてデビーハリーを見た時は
    すごい魅力的な人だって衝撃うけたな
    結果辛い恋愛になっちゃっただろうけど
    いい時の過ごし方したんだ

    • 評価
  15. テイラースウィフトをみてこの人を連想した
    近年chicのドキュメンタリー番組でみかけたが完全なおばあちゃんだったわ
    まあ俺自身、全然馴染みがない世代なんだけど曲はよく聴いてる

    • +1
  16. そういや、超迷作ゲーム ダークシードっぽいと思ったが、関係者だったのか

    • 評価
  17. 83年以降に洋楽を本格的に聴きだしたので
    ブロンディのピーク時は知らない。
    でも知ってからはアルバム全部買いそろえたよ。
    パンクとニューウェーブがほどよく混ざった感じで
    いいと思います。
    ギーガーとのコラボは知らなかったなあ。意外。

    • +2
  18. 様々なクリーチャーを目にしたけれど、未だにギーガーのエイリアンの造形だけは恐怖を感じずに観られない
    紛れもない天才

    • 評価
  19. ギーガー仕様シトロエンはペイントで誤魔化しすぎ。

    • 評価

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