
礼拝堂の薄暗い地下室、埃だらけの木の棚にずらりと並べられた頭蓋骨の状態はさまざまで、比較的保存状態のいいものから、ほとんど崩れてしまっているものまでいろいろだ。それぞれに十字の印、日付、装飾的な碑文が刻み込まれている。
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「主の変容」という意味のプレオブラジェニエ修道院は、サモヴォデネ村に近いヤントラ川のデルベント峡谷にあり、11世紀に建てられたブルガリア正教会の5つの直轄修道院のひとつと言われている。

image credit:Nicola Miller

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もともとあった修道院の建物は、オスマントルコの支配期に略奪、破壊されてしまった。のちに再建され、現在の教会は1834年頃に完成した。それから数十年後に、鐘楼や住居用の建物が建設された。1991年にまたしてもこの修道院を悲劇が襲った。上の崖から岩が崩れ落ちてきて、修道院の部屋をいくつか押しつぶしてしまった。怪我人は出なかったが、落下してきた大きな岩はふたつに割れ、今日までそのまま残っている。

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地下に並ぶ修道士の頭蓋骨がどれくらい前からそこにさらされていたのかはわからないが、かなり朽ち果てていることから、相当長い間放置されていたことがうかがえる。頭蓋骨に記された日付は、修道士たちが19世紀後半に死んだことを示しているようだ。誰にもかえりみられることなく打ち捨てられた棺もいくつかある。フタが少し開いているということは、少なくとも誰かが中に長いこと眠る死者の顔を垣間見て、大いに動揺したことだろう。

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via:The Mysterious Inscribed Skulls of Preobrazhenski Monastery, Bulgaria/ translated konohazuku / edited by parumo▼あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
落下してきて二つに割れた岩とやらの写真が見たかった
2. 匿名処理班
落下してきて二つに割れた岩とやらの写真も見てみたかった。
3. 匿名処理班
おいらの骸骨が後々赤く塗られて額に白い文字で
「アホ」って書かれて飾られたりしたら嫌だなぁ、
なんて思ってしまった。
って何処の馬の骨とも分からない人間の骨にそんな価値は無いんだけどね
4. 匿名処理班
頭蓋骨に直接メッセージ(記録?)を書くって凄い発想…
斬新というか合理的というか、大切にされてるというか。
怖いモノ見たさで、ちょっと魅かれる。
5. 匿名処理班
※1※2ケコン
6. 匿名処理班
リラは行ったことあるけどこっちも崖っぷちに建ってるとか魅力的。ソフィアは自分が見たなかで一番美女率が高い街だったしまたいきたい。
7. 匿名処理班
「耳なし芳一の骨です。」
「いっぱいあるじゃねーか」
「年齢ごとにとってありますから」
8. 匿名処理班
※5
ID…
9. 匿名処理班
木を隠すなら森の中。
もしかしたら修道士の骨ではないものが混じっているかも……?
10. 匿名処理班
ほとんどが顔の部分を割られて(?)いるようにも見えて
なんとなく不穏な時代背景を想像してしまう・・・
11. 匿名処理班
※10
当時のデスマスク採取に使用した材料の中には、
使用するには少々強めのアルカリ性物質が含まれており、
顔面骨の腐蝕を早めてしまう事も有ったみたいですね。
頭蓋の内部に有る非常に脆い蝶がい骨に損傷が無いにも
関わらず顔面の骨だけに激しい損傷が有った事からそう
推察されているだけに過ぎませんが…
12.
13. 匿名処理班
軽く調べたら19世紀頃のブルガリア正教会って、ブルガリアの文化独立運動に関わってたんだね。オスマン帝国とギリシャの教会同時に相手したなんて、凄まじい……。こりゃ修道士修道女さんだけじゃなく、独立運動に関わって亡くなった村人さんもこのご遺体の中にいらっしゃるのかも。それならせめて頭骨だけでも大事にお預かりしましょう、亡くなった時の記録も可能な限り残しましょう(紙記録で焼かれたり奪われたりしないよう、直に書き込み)って流れになっても不思議はないや。