
だが1日も経たないうちに、発信源はヨーロッパの人工衛星であることが明らかとなった。事態を悪化させたのは、シグナルの性質について告げてくれるはずのジョージア州の二つ目の望遠鏡がうまく働かなかったことである。
それでもショスタク氏は、この誤報が天文学者にとって貴重な予行演習であったと考えている。仮にシグナルが本物であると判明した場合に、どうするべきかを考えるきっかけになったからだ。
1989年、国際宇宙旅行アカデミーは、知的生命が発見された場合の指針を記した「SETI検出後プロトコル」を採択した。SETIの研究者は近い将来、このプロトコルが役立つことを願っている。
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地球外生命体はそう遠くない未来に発見される
1992年に最初の外惑星が発見されて以来、太陽系外に1,900個近くの惑星が確認された。こうして惑星が発見されるごとに、地球型惑星が発見される統計的確率も高まっていく。一部の試算によれば、地球から33.6光年の近隣の恒星にはおよそ140個の居住可能な惑星が存在するという。今後25〜30年で生命が存在する惑星が発見されると考える天文学者は多い。

SETIはNASAやアメリカ国立科学財団からの資金提供設けている。公に発表する前には、独自に確認して、SETIの信頼を損ねないようにしなければならない。
SETI検出後プロトコルによる知的生命体対応プロセス
まずは電波シグナルを徹底的に確認してから公式発表
彼らが探し求める電波シグナルは宇宙マイクロ背景放射のノイズから検出される。同時に人工衛星や地上の干渉、あるいは未知の天文現象によっても発生する。もしシグナルが狭い周波数のみを占めていれば、それは自然の宇宙放射とは区別され、意図的なシグナルであることが示唆される。その場合、電波望遠鏡の皿をシグナルの発生源から少しずらすことで距離を把握できる。発生源が近くなら、ゆっくりと衰えていくだろう。しかし遠くの恒星から届いたのであれば、シグナルは一気に衰える。
手がかりがすべてシグナルは他の恒星からやって来たと指し示していれば、別の天文台や研究機関に連絡して、
a) シグナルが存在することを確認してもらう。そこでもやはりシグナルが確認されれば、発見者の天文学者が国の当局に報告。さらに国際天文学連合にも報告され、そこから世界の天文台に通知される。こうしたガイドラインは1967年の国連宇宙条約も考慮しており、国連事務総長や各種国際機関にも連絡される。
b) 知的生命が発信源である可能性が高いこと
これらの手続きをすべて完了した後、発見した天文学者は世間に向けて最初に発表する権利も与えられる。

だが発表前にリークされ台無しになる可能性が高い
だがショスタク氏の考えでは、ニュースは公式発表の前にリークされてしまう可能性が高いという。彼は1997年に例の誤報についてニューヨークタイムズ紙から問い合わされた経緯について次のように記している。ずっと後になって、発見がどのように漏れたのか分かった。ブロード氏(ニューヨークタイムズ紙の記者)は6か月前に亡くなったカール・セーガン氏の伝記に取り組んでいた。その一環として、彼はセーガン氏の未亡人アン・ドルーヤン氏に電話した。彼女の秘書はジル・ターターと連絡を取るため、クリスティン・ネラーと接触していた。そしてターターがシグナルの検証のために飛行機を延期してまだウェストバージニア州にいることを告げられた。他意のない特ダネがドルーヤン氏の耳に入った。そこからブロード氏に伝わり、彼が電話をしてきたというわけだ。SETIに隠し事などない。「プロトコルはほとんどフィクション映画の展開のようなもの。噂は想定されたルート以外から漏れ出すでしょう」とショスタク氏は話す。
マスコミをコントロールする術などないのだ。噂は漏れる。更にはそれがSNSや掲示板などで一般人により一気に拡散されてしまう。もしその情報が間違っていたとしても一度広まった情報は例え訂正しても取り返しがつかない。だからこそ慎重に公表しなければならないのだが、情報を得ようとする人々の襲来から情報を確実に守れる方法はもはや存在しないに等しい。
地球外生命体発見のニュースに対する人々の反応は?
100YSSでもよく講演しているリバプール大学のポール・ジオロ氏は、カール・セーガン氏の小説をもとにした『コンタクト』に触れて、そこで描かれている発見によって引き起こされた様々な感情こそ正しいものだと指摘する。「パラノイアから歓喜、絶望まで様々でしょう」と。それを脅威と受け取る者もいれば、待ち望んでいた神と受け取る者だっているはずなのだ。
ちなみにターター氏は、『コンタクト』の主人公のモデルになった人物なのだが、知的生命の発見は我々自身の未来に希望を与えてくれると考えているそうだ。
高度な技術文明が発見されれば、それは平均的に技術文明が長期間生存できることを告げているからだ。これから先も未来が続くという事実……それこそがコンタクトによる最も素晴らしい影響だろうという。
via:outerplaces・areazone51ufos・theatlanticなど / translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
てっきりまた、せっかちな研究生が電子レンジを途中で開けたのかと思ってしまった。
仮に地球外生命体が存在したとしても、そういった事象で観測される前に宙間を航行する宇宙船の方が先に観測されるんじゃないかな?エイリアンが意図的に地球人にコンタクトを取って来るとは思えない。むしろバレない様にこちらを観測するんじゃないかと思う。
2. 匿名処理班
探して見つからないということは
隠れて観察していると言う事
3. 匿名処理班
カール.セーガン氏か懐かしい名前が出てきたな 子供の頃彼の「コスモス」を夢中になって読んだな、少し旧い情報もあるけど 読み返してみようかな。
4. 匿名処理班
SETI走らせていたら一回だけ黄色い画面になって「怪しいパターンが出たんで確認するよ。でも地球外の電波である可能性があるかもってだけだから、発表とかしないでね」っていうメッセージがでてびびった事がある。結局なんにもなかったみたいだけれども。
5. 匿名処理班
※2
そして、この中にいる!状態になるのかw
6. 匿名処理班
地球人より知能が高い生命体がいたとしたらよく描かれる化け物みたいな姿じゃなくて地球人から見ても自分達より美しいと感じる姿をしていると思う。
7. 匿名猫
パラノイアから歓喜、絶望まで様々でしょう
↓
カラパイア民歓喜から、絶望まで様々でしょう
俺の脳は疲れているのか・・
8. 匿名処理班
※8
美醜の定義なんて文化が異なれば人類の中でも
違うのに何を言ってるw
地球人の美の基準(そんなものがあると仮定して)は
宇宙人の美の基準とイコールなわけがない。
9. 匿名処理班
会えるとしたら彼らが作った人工生命やロボットだから化け物でもOK
10. 匿名処理班
地球外生命体なんて見つけた日にゃ最悪だな
人類は地球内の他国に加えて地球外生命体も警戒せにゃならん
出会った頃はうまくいくかもしれんが未来永劫仲良くやれるわけが無い
いつか争いが起きるのは間違いない
11. 匿名処理班
※10
まあああいう考え方もありだろう
神秘的な話じゃん
12. 匿名処理班
SETIの分散コンピューティングてやったなぁ
結局何事もなかったけど夢はあった
13. 匿名処理班
観測員「所長! 宇宙人からのメッセージを受信しました!」
天文台所長「よし、すぐに返信するんだ!」
観測員「なんと返信しますか」
天文台所長「ワレワレ ハ チキュウジン ダ」
観測員「お前が喉を震わせてどうする」
14. 匿名処理班
※12
まあ争いを起すのは十中八九、人類の側だろうな
15. 匿名処理班
出くわしたら、PPAPあたりを披露すれば、なんとなーく(ここ重要)害意がないことは伝わるんではないだろうか?
16. 匿名処理班
途中画像ウチューカラ・きた夫
17. 匿名処理班
水の無い惑星に漂着した宇宙飛行士が
自力で宇宙船を修理して地球に帰還したのかもしれない
18. 匿名処理班
※19
キガ ツク トワ タシ ハバ イド ニナ ツテ イタ ソレ デモ ワタ シハ チキ ユウ ニカ エリ タカ ツタ(違
19. 匿名処理班
このタイトルだと地球に知的生命体がいないみたいに聞こえる。ホーキングのジョークみたいだ
20. 匿名処理班
このタイトルだと地球上に知的生命体がいないみたいに聞こえる。ホーキングのジョークみたいだ
21. 匿名処理班
もし日本で宇宙人が発見されても即米軍が回収しに来るだろう
22. 匿名処理班
宇宙人は消えたり現れたりすっから
「はい宇宙人捕まえました〜」ってのは全部嘘
なぜなら異次元にしかいないから
23. 匿名処理班
※17
(ビッグ)アップル、つまりNYにミサイル落としてくれ、って解釈されたりして…アァーッ!!
24. 匿名処理班
※23
背中にmade in unitedstatesってタグが打ってあって発信器付きの足環が付いててバーコードまで有りそうなんだけど(笑)
25. 匿名処理班
トリコロールは、白・赤・緑
26. 匿名処理班
地球上で発見された場合は、まず初めにその生命体が地球の生命体なのか地球外の生命体なのか判断することが可能か、から考え始めないとならない。
27. 匿名処理班
もし地球人より優れた文明を持つ異星人が見つかったら技術よりもまず、
何故滅亡することなくそこまで栄えることができたかを教えてもらいたい
28. 匿名処理班
地球外生命体は絶対に居ると思うけど、居ても人型じゃなくてミジンコとか微生物的な感じだと思うなー。
29. 匿名処理班
すごく肩こってそう