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昆虫にも感情がある?マルハナバチが喜びの感情を持っているという研究結果が報告される(英研究)

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(著) (編集)

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 人の感情を汲み取ることは容易ではない。だが、それが昆虫であればどうか?

 無論、ダーウィンの時代から、昆虫に感情らしきものがあることは推察されており、その難しさにもかかわらず、そうした状態を特定しようと研究が続けられている。

 これまでの研究で、ミツバチが悲観的認知バイアスを持つことは知られていたが、最新の知見によると、甘いご褒美によってミツバチ科のマルハナバチは、意思決定に変化が現れ、喜びを表すポジティブな感情が生じることが判明したそうだ。

 それは主観的な気分とは違うのだとしても、行動という点ではチョコレートバーが人類に与えることもある影響と同じような感じだ。

ご褒美がマルハナバチの脳の状態を変化させる

 一応はっきりさせておくと、実験を行なった研究者は、人間がスイーツを食べた後のように、甘い砂糖がマルハナバチを幸せな気分にするとは言っていない。

 だが、ご褒美はマルハナバチの脳の状態を変化させ、報酬をよりすばやく追い、恐慌状態からもすばやく回復できるようにするのだという。

 マルハナバチに人間にあるようなポジティブな良い気分という何らかの主観的体験があるかどうかは、これまでのところ未回答のままだ。

 いくつかの最近の研究では、マルハナバチの脳の構造は主観的な体験をもたらす可能性があると論じている。

 それは身体的な感覚と同じくらい単純なものかもしれないが、「良い気分!」といった大まかで捉えどころのないものではない。

 また別の研究からは、ミツバチの悲観的なようなもののほか、ザリガニの不安のようなもの、恐怖のようなものを抱かせるミバエの防御的状態が発見されている。

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photo by iStock

脳の状態がマルハナバチの意思決定にバイアスを与える

 今回の『サイエンス』誌に報告されたのは、ロンドン大学クイーン・メアリーの研究員クリント・ペリーによるミツバチ科、マルハナバチの研究である。

 ペリー博士のチームはマルハナバチを訓練して、青のような色で印をつけられた戸口に飛んでご褒美を得られるようにした。

 緑に塗られた戸口に飛んで行ってしまうと水しか得られない。この訓練を終えた後、飛び立つ前に少量の砂糖水をマルハナバチに与えてみた。このときは紫のような曖昧な色で戸口を塗った。

 飛び立つ前に砂糖水を与えられたマルハナバチは、そうでないマルハナバチに比べて、曖昧な色を塗られた戸口へ素早く向かっていった。

 また、マルハナバチを放す前に、短い間つかんで、外敵からの襲撃を模してもみた。すると、砂糖水を与えられたマルハナバチの方が回復が早かった。

 さらに、ドーパミンのようなポジティブな状態に関連するとされる脳内物質の効果も阻害してみた。ドーパミンが阻害されると、砂糖水は効果を発揮しなくなった。

 ポジティブと呼ぼうが、テンションが上がると呼ぼうが、好きな呼び方でかまわないが、とにかくその脳状態はマルハナバチの意思決定にバイアスを与えているようだった。

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photo by Pixabay

果たして昆虫に感情はあるのか?

 この研究について、ザリガニの研究を行なったボルドー大学のダニエル・カッタエルは、よく構成されており、先行研究の結果とも一致していると評する一方、少々異なる意見を持つ研究者もいる。

 ミバエの研究を行なったカリフォルニア工科大学のデビッド・アンダーソンは、昆虫の”感情原始”は哺乳類が体験するもの以上に、感情の進化的な基本要素のようなものだと考えており、今回の発見は決定的なものではないと話す。

 彼によれば、糖による混乱や、ドーパミン阻害薬による記憶への干渉といったことの方が今回の結果をうまく説明できるのではないかとのことだ。

via:The Sweet Emotional Life of Bees/ written hiroching / edited by parumo

 ということで最後までちゃんと読んでいただいた方には、昆虫の感情原始についての総論が分かったかと思う。

 昆虫を忌み嫌う人にとっては昆虫に意識があるという実験結果は認めたくないだろうけど、地球上で圧倒的大多数を占める昆虫は、生態系を維持していくうえで重要なキーパーソンであるゆえに、人間に芽生える生理的嫌悪もなんらかの理由があるということで、とにかく無視してはいけない存在なんだ。虫だけにね。(だれがうまいこと言えと・・・)

via:The Sweet Emotional Life of Bees/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 37件

コメントを書く

  1. 蜜蜂は蜂蜜作ってくれるんで昆虫のなかで二番目に好き。一番好きなんは蝶々

    • +10
  2. ゴキブリはどうなんだろう?
    おびえてるように見えてときどき可哀想になるんだけど

    • +10
  3. 生きてる生き物には
    みんな感情があると思うけどな
    だって「生きる」ってそのものが
    感情だもの

    • +4
  4. 「知能の高い虫を食べるなんて」という声があがるなぁ。

    • +11
  5. なんだよこの反則的な可愛すぎる見た目は・・・

    • +19
  6. サムネの写真、マルハナバチがクモに食われそうになってるところだろ? 喜んでる記事にふさわしくないんじゃないのか?

    • +4
  7. だから俺は、むやみやたらと虫を殺す連中が嫌いなんだ。
    虫にだって心があるんだよ。

    • +19
  8. 報酬を先払いされたことでやる気がアップしたってこと?
    単にエネルギーを取得したことで活発になっただけとも思えるが…
    まぁ何にしてもマルハナバチはもふもふ可愛い。もふもふは正義。

    • +19
  9. 植物にすら感情があるのだから
    昆虫にも感情はあると思ってたが、まさか行動に出すとは…

    • +5
  10. 昆虫にも感情はあるよ。
    モンシロチョウがあまりにもしつこくキャベツに集るんで追い払っていた時に、一瞬あいつ等の怒りを感じた。直後、まさかの突進をしてきたので近くにあった野菜を盛るカゴで叩き落としたことがある。スコーンと言う音がしたので頭部直撃したんじゃないかと思う。死んだかな?と思ったけどふらふら飛び去った。
    チョウが一直線に突進してくるのを見たのは、それが最初で最後だ。

    • +12
  11. 感情の始まり?でしょうね
    進化の過程で感情があったほうが有利だから残ったのかな?
    無害であれば意味が無くても残る形質はあるから、人間にも無駄な感情が多いのでしょうね

    • +9
  12. うちのミツバチ砂糖水与えないとなんか怒りやすいけど不機嫌なのかな?
    今の時期はアワダチソウの花があるからまだマシだけど。

    • +5
  13. 生きるのに必要な物を喜びに直結させて、死に繋がるものを苦痛にする
    喜びに積極的に向かうようにして、死から遠ざかるようにする
    そうやって種を存続させて行くのが生命なんじゃないかなぁと思ってる
    人間に感知出来ようが出来まいが、こう言う仕組みはどの生物でも層々変わらない気がするんだよね

    • +10
  14. 単純に、数が多いから他人の死に無関心になるのと一緒なんじゃないの?
    昆虫の感情が淡白なのはさ。

    • +4
  15. 「チョコレートバーが人類に与えることもある影響」。
    つまり、不機嫌なアメリカ人見たらとりあえずスニッカーズ渡せってこと?

    • +11
  16. うーむと唸りながら読んでたら、最後で脱力した。
    ありがとう、パルモ

    • +3
  17. 感情があっても自意識と思考がなければ条件反射の塊でしか無いからなあ

    • +3
    1. ※20
      もっと高次の存在からしたら人間もそういう認識なんだろうね。

      • +6
  18. うまいこと言ったつもりのパルモに脱帽だよ!

    • +2
  19. 以前マルハナバチが日陰で寒くて動けなくなっていたので
    手で暖めつつ日なたの葉っぱの上においたらバンザイしてた
    「復活!」みたいな感じで
    威嚇してたんだろうけどw

    • +22
  20. 死んだふりをして人間が近づくのを待っているセミって
    内心ニヤニヤ笑いが止まらないんだろうな。

    • +5
  21. うちの近くのバス停の横にちょっとした花壇がある。そこは春になると小さな花がたくさん咲いて、それにつられてミツバチもたくさんやってくる。
    ある日その花壇に、おそらく偵察任務の個体と思しきミツバチが一匹だけやって来てた。
    何気なくそいつを見ていると、なぜかある花からは蜜をとっていくが、別のある花からは止まるけど蜜をとらないみたいな行動をしていたんだよね。
    もしもあれが、自分が見つけた花壇のプレゼンテーションを巣で行うときに、説得力を増すために最も品質の良いサンプルをえり好みするという行動だとしたら、ミツバチは「自分の成果をより高く巣の仲間に評価してもらいたい、もしくは評価してもらえるとうれしい」というポジティブさに関わる感覚を持っているようにしか思えないんだよね。

    • +18
  22. 記事書いてる方はイモムシか毛虫?好きらしいから朗報かもしれないww 可愛さが増すかもですね。
    俺は全力で逃げます。

    • 評価
  23. 虫は少なくとも感情を感じるけど植物はどうなんだろう
    ゴキの赤ちゃんがうまそうになんかをペロペロしてるんだよな。流石に見逃す
    害虫は一撃でしとめてやることにした。
    どの道利害関係は存在する

    • +4
  24. 感情というより、S-Rのパスに重さが掛かるのが感情のように見えるだけでは?
    ミツバチに感情があるなら、PCのソフトもそれを模擬的に再現できることになる。

    • +1
  25. 恐怖とか興奮とか嬉しい?とか悲しいみたいな漠然とした感情のような回路はあると思う。
    生き物だもの、プログラムがあるだけの単純な機械と違うから。

    • +3
  26. マルハナバチがなぜ飛べるかって原理が解明されたのって21世紀になってからだったよなw
    長年にわたり航空力学を無視して大空を駆け花蜜を集めて廻るこいつらは偉大かつ愛くるしい存在の昆虫だ。

    • +2
  27. 晩秋の虫って哀愁あって殺すの躊躇うんだよね……お店だから駆除しないといけないんだけど。余計やりづらくなったなぁ……。(^^;

    • +5
  28. ハチが怒るっていう表現は結構昔から使われてたから、
    一寸の虫にも五分の魂
    と言うし、昔の人も無意識に??気づいてたんじゃない??

    • +5
  29. ザリガニに不安な感情があるってすごいな。タロットの月のカード(基本ザリガニが描かれる)の寓意そのままじゃないか。

    • +10
  30. ミツバチの巣の近くに、死んだスズメバチの頭部(だけ)を転がしておくと、ミツバチがアタフタする様子を映したビデオを見た事があるが、何か「腰を抜かす程の衝撃」を受けている様でカワイイ感じがした。昆虫って、案外と感情が有ると思うよ。複眼だから目付きから感情は読み取れないけどね。

    • +5
  31. あ?
    じゃあサクラは「すげー寒かったけどやっと暖かくなってきたな」とか思って開花してんの?
    擬人化も大概にしろ

    • +2
  32. まぁ、蜂は特に社会性を発展させた昆虫だしなぁ
    でも感情的なものがない昆虫はいないと思うよ、人間に認識できるかは別として

    • -12

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