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拷問器具じゃないっすよ、エクササイズマシンなんです。1800年代に医師が作ったシュールな筋トレ器具。

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(著)

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 運動器具というと、現代においても通販番組で紹介されるお手軽商品から、ジムに置かれている本格的なものまで色々な商品が出回っている。

 だがそんなありふれた器具にも黎明期はあるものだ。今をさかのぼること100年以上前、工業化の波が押し寄せ、科学がようやく学問にカテゴライズされる時代、運動と健康の関係性に着目した医師がいた。スウェーデンの整形外科医が作った運動器具は、家具と鉄製の機械部品が融合したようなシュールな姿をしていた。

 中には現在のジムでも見かけるマシンのプロトタイプに見えるものもあれば、マッサージ的な用途やある種の拷問器具のように見えるものもある。とはいえバラエティに富んだラインナップも、この後にやってくる医学分野の大変革に至るまでの試行錯誤の証なのかもしれない。

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 整形外科医だったスゥエーデン人のグスタフ・ザンダーが、健康と運動の関係性に着目したのは医学部の頃だった。また、「健康の秘訣は運動だ」という持論を持つザンダーは、当時の人々が体内の邪悪な物質を排除できると信じ、盛んに行っていた瀉血や下剤などの「浄化」行為を否定していた。

 そして筋肉をつけるには時間がかかる、と考えた彼は、古くから人間が行ってきた動きを手本にし、それと似た動作を使用者にさせる運動器具作りに着手した。そうしてザンダーが完成させた器具は、当時有名だったトレーニングマシンの一つを簡単にしたもので、人々が求めていた能動的または受動的な動きを可能にするものだった。

 見た目にも複雑な仕組みの器具は、重労働や事故、そして出産などをきっかけに体の機能障害を治す医療器具として健康を望む人々に取り入れられ、国内はおろか国外でも運動器具ブームを巻き起こすほどになる。

 ザンダーがアメリカに持ち込んだ運動器具は、ビジネスマンの間で「身を粉にして働く従来の労働者の労働と、新型健康器具を使うエクササイズは別物」と受け入れられ、社会的な地位がある富裕層から人気を集めた。1900年代に入るとアメリカ全土のスパに設置されるようになった。また、この器具は非常に高価であったが、個人用に買い求める裕福な人もいた。

 かくしてザンダーはストックホルム大学の講師をしつつ、146ヶ国に研究機関を持つようになった。

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 彼の研究所は新しい運動器具を備えた「ジム」も兼ねていた。ただ、残念だったのは当時の服装だ。画期的なトレーニングマシンであれば、運動に適した恰好で挑んでほしいところだが、当時のファッション事情としてはスポーツウェアはおろか、現代のように軽量で薄く、通気性や伸縮性に富む素材も生まれていなかった。

 そのため人々は、ウールでできたスーツや硬いブーツ、首元までボタンで留めるコルセットに足全体を覆うロングスカートといった、窮屈で動きにくい服装で運動にいそしんだ。

 100年以上前に考案されたものなだけに目的がわかりにくい器具もあるが、馴染みのあるタイプもちらほらある。特に上のような馬を模した器具にまたがり自力で動かす乗馬型は、現代でも出回っているフィットネス器具の初期バージョンといえそうだ。

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 他にも現在のジムにもよくある、三頭筋を鍛えるようなものもあった。そして大人だけではなく、裕福な家庭の子供たちは体を鍛えるためにこの器具を使うことができた。

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 現代のトレーニングマシンと比べると、拷問を連想させるような謎めいた器具も中にはあるが、これらの写真からは、運動で健康な体を手に入れたいという当時の人々の意欲が伝わってくる。

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via:dailymail・written by R /

 しかし人々の健康志向の波に乗っていたザンダーの運動器具も、1970年に入ると次第に利用者が減っていった。高強度のトレーニングが流行し始め、軽い運動をさせるような器具は取り残されることになった。かくして健康を追い求める人々のニーズはゆるい動きではなく、大量に汗をかくエクササイズや重い負荷をかける筋トレマシンへと移行していったのだ。

 なお、これらの写真は現在スウェーデンのストックホルム国立博物館に保存されている。

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. 錘を上げ下げするだけなのに、どれも全部足踏みミシン程度に複雑そうな構造に見えるのは何故なのだ(´・ω・`;)

    • +5
  2. 日本の満員電車も何十年後には拷問道具とか
    罪人輸送車両とか言われそうな予感

    • +2
  3. 服装も相まって、スチームパンクみたいな感じになってる
    この服で運動してたなんてびっくり!

    • +3
  4. 昔の手動のミシンもこんな感じだった。
    40年くらい前の小学校の家庭科室に
    いっぱい置いてあった。

    • +2
  5. 器具の形状とかそれ以上に、写ってる人の無表情がいかがわしさに拍車をかけている。

    • +3
  6. k3がプロクルステスのベッドにしかみえないw

    • 評価
  7. ホームセンターで買った器具金具で作るんじゃ無いんだから
    当時の人間はすごい

    • +5
  8. な、なんやろう・・・。
    下手したら間接が曲がっちゃいけない方向に曲げられそうで怖いんだけど・・・。

    • +5
  9. ベルトで腹の周りを揺らす器具も昔あったが馬鹿みたいだったな

    • +1
  10. H1の画像、PCの画面見てると邪魔しに来て、
    キーボードの上に乗っかってるネコと同じポーズだわ。

    • +2
  11. スターイリースタイリー♪
    ワタシガショウメイシマース
    …いかん、歳がバレる

    • 評価
    1. ※19
      ワタシニデンワシテクダサーイ
      ドーゾー ヨロシク
      なんて事も言ってましたよねw

      • +1
  12. TOP画の首の牽引は今でも整形外科で普通にやってる

    • 評価
  13. 「F2」は乗馬マシン?
    俺もちょっと前まで首を引っ張る機械で四十肩のリハビリしてたんだけど、
    今、整形外科のリハビリにあるようなマシンの原型がこんな昔にあったことに驚いた。

    • +2
  14. 多分だけど
    A9 上腕二頭筋(二の腕の前側)、ひょっとすると上腕三頭筋(二の腕の後ろ側)も
    L1 広背筋(クロールとか、懸垂で鍛えられる、逆三角形上半身の背中の筋肉)
    C5 背筋かなぁ
    A3 たぶん L1 と同じ
    のようにみえます。
    A7 は四十肩の治療?

    • +2
  15. K3って今でも普通の外科病棟でみかけるけど?
    首の骨ずれて曲がったから伸ばすときとか

    • 評価

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