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植物は思った以上にハイスペックだった。植物による5つのコミュニケーション法

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 ただそこに生えている植物。そんな概念は払しょくした方がいい。植物は動けないだけで、実際はおしゃべりで活発である。

 カナダ、アルバータ大学の環境植物生態学者ジェームズ・カーヒルによれば、植物は走り去ることができないことから、生き延びるための不思議な戦略を発達させたという。

 そうした中には、化学物質を利用して昆虫などとコミュニケーションを図る能力がある。ここでは、植物がいかに活発な存在であるかを示す5つの行動をご紹介しよう。

1. 植物は助けを呼ぶ

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 草を刈った後や花の手入れをした後、あたりに漂う新緑の香りを楽しむことができるが、実際にはこれは植物のSOS信号である。

 「植物は助けを求めて叫んでいるのです」とカーヒル氏。この香りは自分に齧り付く害虫を食べる昆虫を呼び寄せる。

 例えば、ワイルドタバコはその唾液でスズメガの幼虫を特定することができる。この幼虫に襲われたとき、タバコは幼虫の天敵となる昆虫を魅きつける化学信号を放出する。

 数時間もすれば、カメムシの仲間が集まり、見事に害虫を駆逐してくれる。

2. 植物は通信を傍受する

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 植物は仲間の化学信号を傍受できる。こうして付近にいる腹を空かせた昆虫の存在を察知すれば、他の植物へ向けて予防的にSOS信号を発信することもある。

 48本の研究をレビューした調査からも、周囲に被害を受けた仲間がいれば、防衛反応を強化するという事実が裏付けられている。

 例えば、芋虫に傷つけられたヤマヨモギはトリプシンプロテアーゼ阻害剤という防御タンパク質を放出する。これが芋虫によるタンパク質の消化を阻害し、その成長を阻む。

 そして、付近の植物がこの化学物質に暴露されると、たとえ他の種であっても、その植物までが防衛の準備を整える。

 ワイルドタバコはヤマヨモギの救助信号を感知すると、自分もトリプシンプロテアーゼ阻害剤を準備し、一足先に芋虫に対する防衛体制を整えるのだ。

3. 植物は自分のテリトリーを防衛する

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 植物同士は日光を多く浴びるため、有利な位置を確保しようと競争をしている。だが、それ以外にも競争の方法がある。

 東ヨーロッパ原産のヤグルマギクは、アメリカの草原を破壊した侵略的な種であることで知られている。

 根から放出される化学物質は土壌からの栄養吸収を助けるものだが、これがその土地の固有種を殺してしまうのだ。

 こうしてヤグルマギクは広大なテリトリーを奪い取り、動物のように競争相手を一掃してしまう。

 しかし、これに対して抵抗する植物もある。ハウチワマメは根からシュウ酸を分泌し、ヤグルマギクの毒から身を守るバリアを展開する。

 このバリアは周囲の他の植物も侵略者の魔の手から守ってくれる頼もしい存在だ。

4.植物は仲間を認識する

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 植物は周囲に伸びる植物を感じている。これは、他の植物が影になったときに成長を促進するなど、日光を求める競争で役に立つ。しかも、動物と同じく、自分の仲間を認識し、同族の支援をする。

 オニハマダイコンは仲間と群生して成長することで知られる。この植物を使ったある実験では、無作為に選んだ他種の植物と育てたときよりも、同族同士で育てたときのほうが根の成長が抑えられていた。

 他種が周囲にいるときは養分を競い合って根を張り巡らせるが、同種に囲まれているときは仲間の需要を考慮しているのだ。

 さらなる実験により、植物は化学物質を通じて仲間を認識していることが判明している。

5. 植物は哺乳類とコミュニケーションがとれる

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 植物が引き寄せるのは昆虫だけではない。ボルネオに固有の食虫植物の一種は、コウモリの通信システムをハイジャックする能力を進化させた。

 コウモリの反響定位を自分の有利なように調整してまうのだ。ネペンテス・ヘムスレヤナ(Nepenthes hemsleyana)というウツボカズラの袋状構造は、コウモリの反響定位を反射するのに適した形状をしている。

 植物を発見したコウモリは、それを寝ぐらとして利用する。そして、コウモリの糞がウツボカズラに格好の栄養を提供してくれる。

 ということで、植物は我々が思っている以上にハイスペックで、自らの意志を持ち様々なコミュニケーションを行っているということだけは理解しておくことにしよう。

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この記事へのコメント 32件

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  1. でも人間関係に疲れたオッサンとかがガーデニングや盆栽にハマるのって
    植物が文句も言わず愛情かけただけ成長で応えてくれるからだよな…
    メールやラインし放題の時代だからこそ無言語コミュニケーションって大事だと思うわ

    • +1
    1. >>2 そもそもDNAをもつ細胞って(ry
      枯れ木でも食ってろってはなしだけどな

      • +7
  2. 管理人いつも面白い記事をありがとうございます!
    これからも更新頑張って下さい!

    • +30
  3. 数万年後にはラピュタみたいな樹木の群生が
    人類の遺産を絡め取りながら浮遊してたりして

    • 評価
  4. 俺より頭いいよう・・・
    アレロパシーといえば、昔「緑の王」っていうSF漫画があったなぁ

    • +12
  5. まぁでもちょっと「自らの意思を持つ」というのはいかがなものかと。
    コミュニケーションはあるだろうけど、そこからちょっと飛躍しているような気もしなくもない。

    • 評価
  6. ロアルド・ダールの「音響捕獲機」、ダグラス・アダムスの「宇宙の果てのレストラン」を思い出した

    • 評価
  7. 我々は知らない
    知っているのは解っている事だけである
    思いもよらない方法で哲学を興じる植物があるかもしれない
    宇宙の9割を我々は知らないのだ。

    • -4
  8. 植物のコロニー同士で闘うリアルタイムストラテジーゲームができそうだな

    • 評価
  9. うちのカーちゃんガーデニングやってんだけど
    「今年もちゃんと咲かないと切ってしまうよ」
    と脅迫したのとしないのとでは全然咲き方が違うそうです・・・・
    ガーデニング経験者が言うんだから間違いないと思います。
    あ、ちなみにちゃんと薬や肥料、管理はしてるんで
    「虐待」は多分してないと思います

    • +10
  10. 植物でさえコミュニケーション出来るのに俺らと来たら…

    • +2
  11. 俺は佐々木淳子の「ダークグリーン」を思い出すな。

    • +13
  12. 生きてる動物を食べるのが可哀想で肉が食べれなくなりベジタリアンになるが、植物にも意思があって生きていると知って何も食べられなくなった物語を思い出した

    • 評価
  13. わかる。これ分かる。
    人間ともコミュニケーションとってると思う。

    • +1
  14. そのうちバクスター効果も取り上げてくれ

    • +10
  15. 相手の声を聴く気がなければ、何も聞こえてこない。
    人間だって、植物だって同じだ。

    • 評価
  16. 植物が食べられたくない一心?で防衛物質を出している話は聞いたけど、他にもこれほどとは。
    >タバコは幼虫の天敵となる昆虫を魅きつける化学信号を放出する。
    こういう話聞くと「鶏が先か?卵が先か?」って疑問を思い出す。おあつらえ向きすぎて。進化論に疑問を持つ人がいるのも少しわかるような気がする。

    • +4
  17. いま夏だから、草ボーボーで除草剤必須。

    • 評価
  18. 畑の野菜は搾取されっぱなしだけど、何か対抗してるのかね。

    • +1
  19. 植物は人間を呼んでいるけど、なんでかねぇ・・・
    明らかに人間との意思疎通ができるのは中型犬からかな。
    小型犬は良く言い聞かせないとダメ、あまりわかっていない。
    哺乳類では中型犬より大きい個体なら意思疎通の訓練すればなんとかなるハズ。
    驚いたのは昆虫、5ミリぐらいの蜘蛛やカメ虫でも人間の行動を理解できるみたい。
    5ミリ以上の大きさなら人間のやっている事は漠然と理解していると思う。

    • 評価
  20. 畑に毎朝水やりやってるんだが恐ろしくなってきた、、、。

    • +1
  21. 植物だって意志がある。
    木と話せる漫画家のエッセイは興味深かったなぁ

    • 評価
  22. 植物と人間がコミニケーションしだしたら、対等な世界になる。
    コミニケーションしてなかった時代の粗暴な人間を受けいれてくれるのだろうか?
    動物も人工知能のロボットも。

    • 評価
  23. 命を頂いてるんだなあ。
    実りの秋、感謝して食べよう。

    • +2

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