
しかし、漫画のようなスーパーヒーローは現実に存在しうるのだろうか? そんな問いに答えるため、将来的に、そして既に存在しうる、アメコミのスーパーヒーロー10人を紹介してみよう。
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10. サイクロップス
Living cell laser on CNN Newsroom Big-I, with Yun and Gather
『X-メン』の主要メンバーの1人、サイクロップスは目から強力なエネルギービームを照射する。SFならではと思うだろうが、マサチューセッツ総合病院の科学者は人間の細胞を改変し、光を発せられるようにすることに成功した。
このチームが行ったのは、人間の腎細胞を改変し、緑の蛍光タンパク質を産生可能にしたことだ。輝く細胞は癌治療など、細胞を確認するうえで有用なものである。科学者によれば、目からビームを出せる可能性もあるらしいが、破壊光線というよりは懐中電灯のようなものになりそうだ。
9. スワンプシング

こうした超能力は実現できそうもないが、光合成を行う人間と植物のハイブリッドを生み出すことは理論的に可能だ。エンドウヒゲナガアブラムシやスズメバチの一種、脊椎動物ではキボシサンショウウオなど一部の動物は光合成を行うことが知られている。2011年にはカリフォルニア大学の研究者が光合成を行うバクテリアをゼブラフィッシュの胚に注入したところ、光合成は行わなかったものの、成長する過程でそのバクテリアを受け入れることが確認された。
このことから、人間もいつの日かこうしたバクテリアを体内に受け入れる可能性はある。ただし、葉を持たない人体は十分な日光を吸収するだけの面積を持たないため、その効果にはあまり期待できないかもしれない。
8. キャプテン・アメリカ

骨が成長しないため、彼のように薬物で背を伸ばすことはできないが、苦痛を伴う手術で身長を伸ばすことはできる。この手術では、骨を切断し、1日に1mmほど骨を引き離すためのロッドを埋め込む。2回も手術を受ければ15cmほど背を伸ばすことが可能だ。
ロジャースは1回の注射で強靭な肉体を手に入れているが、実はこちらは可能だ。米オハイオ州コロンバスにある全国子供病院は、1発で筋肉の量を増加させる注射の開発に成功した。この注射にはホリスタチンを組み込んだウイルスが利用されており、筋肉の成長を止めるミオスタチンという遺伝子を抑制するのだ。これは筋肉の病気を患う患者のために開発されたもので、漫画のような劇的な効果はないが、6ヶ月は筋肉の成長を促してくれる。
7. ウルヴァリン
DIY X-MEN WOLVERINE fully automatic claws
ウルヴァリンの強さの秘訣は、驚異的な治癒能力、ほぼ破壊不可能な金属アダマンチウム合金で強化された骨格、そして収納可能な爪だ。
ハーバード大学のある研究者は、偶然にも急激な再生を可能にする遺伝子を発見した。これは癌研究の際に発見されたもので、この遺伝子を組み込んだマウスの耳に穴を開けたところ、わずかな時間で穴が塞がった。さらにつま先を切断しても、やがて元に戻ったという。
また独マックス・プランク研究所では、有機物質と金属を結合させる方法を研究している。ここではヨウ素化金属のビームをクモの糸に照射して、その内部に組み込むことに成功している。これは骨格の強化に利用できるかもしれない。
アダマンチウム合金は架空の金属だが、固い金属の開発は着々と進行中だ。2008年、ノースカロライナ州立大学は、ナノサイズの結晶から非常に固く、高温にも耐える鉄合金を開発した。
最後に収納可能な爪については、上記動画を見ればご覧のとおりだ。
6. スパイダーマン

が、そもそもクモによって遺伝的に変化するなどということはあり得るのだろうか? ごくごく低い可能性であるが、理論的にはないとは言えない。クモが噛み付ついて、相手に遺伝情報を有したレトロウイルスを感染させればいいのだ。だが、ウイルスは体内ほぼ全ての細胞に感染する必要があるだろうし、アクチンという筋肉の収縮を引き起こすタンパク質を増加させるような効果がなければならない。
こうして無事DNAが変わり、両手と足の裏にクモのような毛が生えてくれば、壁を登ることもできるかもしれない。しかし、その人の手足は常に毛むくじゃらだし、振動や空気の圧力を感じるだけで、スパイダーマンのような第6感を授かることはない。
そこで米国防高等研究計画局の”ゲッコーパドル”はどうだろう。これはヤモリの身体の構造を模したもので、壁を垂直に登ることができる。だが、人体は重たいため、非常に大きな開発段階の道具でしかない。
最後はクモの糸を射出する能力だ。実はクモの糸は数百万年の進化を経て現在のものになった、非常に複雑なものである。そもそも人間はこれを作り出すタンパク質を持たないため、レトロウイルスがもたらす以上の生体的な変化が必要となる。だが、これを実現できれば、生み出された糸には間違いなく人間の体重を支える強度がある。クモの糸は、同じ直径の鉄の5倍の強度を持つのだ。
漫画でピーター・パーカーは手首に装着するウェブシューターを開発したが、これは可能だ。既に電磁石を利用した類似のガジェットは存在するし、イスラエルのヘブライ大学では遺伝子工学でクモの巣の繊維を開発済みだ。2つの発明が組み合わされる日もそう遠くないはずだ。
5. グルート

ただしグルートはかなりの速さで歩くという、他の植物にはない特技がある。太陽に向かって芽を伸ばすなど、植物も動くことはできるが、細胞の構造から筋肉を形成することまではできない。しかしグルートは地球外生命体であり、地球上の植物の制約は当てはまらない。地球外の植物は思考し、動き回るのかもしれない。
4. アクアマン

水中の生物との会話は少しばかり敷居が高いが、魚類の中には水の振動を利用してコミュニケーションをとるものがある。また、イルカについては、科学者が昔からコミュニーションを試みてきた。イルカは”シグネチャーホイッスル”と呼ばれる個体に特有の鳴音を利用してコミュニケーションを交わすが、科学者はこれを人工的に再現しようとしている。
さらにアクアマンは水中でも呼吸ができるが、驚くべきことに、将来的に人間も同じことが行えるかもしれない。2014年に南デンマーク大学が発表したコバルトから作り出した結晶物質は、酸素を吸収し、熱を加えるとそれを放出するのだ。”アクアマン・クリスタル”と名付けられたこの物質は非常に強力で、バケツ一杯もあれば1部屋分の酸素を全て吸収してしまえる。これさえあればダイバーは煩わしいスキューバ装備を脱ぎ捨てて潜水できるようになるかもしれない。
3. サイボーグ

これは30年以上も前の作品だが、サイボーグは非常に現実的なスーパーヒーローだろう。例えば、今日ではサイバネティクスによる義手や義足を神経と接続することで、自然に動かせるようにまでなった。この標的化筋肉神経再生手術は筋肉を利用し、脳と義手や義足との間に信号を送信する。これによって近い将来、人体の50パーセントが換装可能になると見られている。
サイボーグにはコンピューターにリンクして思考できるという特徴もある。ワシントン大学の研究者は既に思考を電気的に送信することに成功しており、これもまた実現可能性が高い。この実験では電極を被験者2名の頭皮に取り付け、ゲームを遊んでもらった。このとき片方の被験者にはキーボードが用意されたが、他方は何もない状態でプレイを始めた。そしてスクリーン上に目標が出現したとき、キーボードを持たない被験者が「発射」と考えると、キーボードを持つ側の手が勝手に発射ボタンを押したのだ。
2. アイアンマン

さらに、米軍が開発中のパワードスーツTALOSは、アイアンマンの強さの秘密である頑丈さまで彷彿とさせる。TALOSにはコンピューターが搭載され、戦場のデータが表示されるほか、バイタルサインの確認や、酷い出血を止める機能まで備わっている。銃弾が貫通する可能性があるのならば、頭からつま先まで防弾仕様となることが期待されるだろう。ちなみに、この驚異的なパワードスーツは2018年から実戦に投入される見込みだ。
1. バットマン

まずブルース・ウェインは、バットマンとの二重生活に苦しむことになる。バットマンとなって毎晩敵と肉弾戦を繰り広げたら、疲れ果ててしまいウェイン・エンタープライズの経営どころではなくなるだろう。またバットマンのガジェットとそのライフスタイルに関連して、バットマンとなるために一体いくら必要なのか試算したサイトがあったが、それによれば、なんと760億円が必要なのである。しかも、この他に贅沢なライフスタイルを維持するお金と、ガジェットの維持費と執事アルフレッドの給料を支払わなければならない。
こうした莫大な資産を保有するうえに、バットマンは非常に聡明だ。一体どれほどの教育を行えば、化学、科学捜査、工学、プログラムに彼ほど精通することができるのだろうか? 各分野の学位を2年で取得したのだとしても、最低8年間は大学に通わなければならない。そのうえバットマンは、様々なガジェットやツールを開発し、維持するための最新知識を常に仕入れておかねばならない。
それを何とか突破して、超々高学歴の大金持ちがバットマンになろうと決意したとしたら、お次は肉体と格闘技術の鍛錬が待っている。彼は短期間のうちに世界最高の格闘家の1人にならなければならないのだ。しかも、バットマンは殺しを行わないから、そのさじ加減も自在でなければならない。バットスーツを着たまま死に物狂いで練習したとしても、20年はかかりそうだ。
これほど過酷な試練に耐えたとしても、バットマンの任務の過酷さを考えれば、よくて数年しか保たないだろう。ある試算によれば、2、3年が精々といったところらしい。超人的な力を持たずにスーパーヒーローとなるには、これほどの条件を乗り越えなければならないのだ。
via:listverse・原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
ウルヴィーって骨からでも再生したことなかったっけ?
2. 匿名処理班
『ア』が抜けただけで何もかもが残念に見えて来る不思議・・・
3. 匿名処理班
パニッシャーとホークアイも行けそう
4. 匿名処理班
>バケツ一杯もあれば1部屋分の酸素を全て吸収
これは効率悪い。
5. 匿名処理班
目から懐中電灯いいね
ビームより平和で、しかも笑える
6. 匿名処理班
メコミになっていますよ、管理人さん。ところで、ウルヴィの爪の動画で爪の出し入れの動力は圧搾空気によるものかな?
7. 残飯処理班
目からビームってまぶしそう
8. 匿名処理班
※3
ロビンやデアデビルもいけそう、てかロビンはサイドキックか
9. 匿名処理班
コメディアンとロールシャッハもいける。
問題はその人生を選べるかだと思う。
10. 匿名処理班
特殊能力無くても、映画のヒーローは超人だわ。それでないと、話が始まらない。
11. 匿名処理班
※6
つっても、今のクソ重いボンベよりはマシになるんじゃね?
12. 匿名処理班
パワードスーツの存在に男の浪漫を感じてしまう
一度は着てみたいもんだけど体鍛えなきゃいかんのだろうか?
13. 匿名処理班
ウルヴァリンが楽しそうで何より
14. 匿名処理班
RSSでは「メコミのスーパーヒーロー」ってなっててワロス
15. 匿名処理班
バルログ…
16. 匿名処理班
※15
パワードスーツは、最低限の動作が出来る筋力があれば大丈夫じゃないかな
人間の筋力で動かしてる訳じゃないんだし
まあ、ある程度鍛えて、体型を整えないと入らないと言う笑えないオチがまってそうだけど
スパイダーマンので言及されてるゲッコーパドル云々だけど、蜘蛛とヤモリの壁張り付きは同じ原理だからもう再現できてるってことじゃないの
それと、壁に張り付く際に必要な毛は、非常に量が多いけど非常に細く相当短いからそれほど目立つ見た目にならない気もする
17. 匿名処理班
僕はプリキュアになれますか?
18. 匿名処理班
うちの地元に既に一人いらっしゃるけど、
そうかそんな過酷な試練に耐えておられるのか…
ちなみに千葉県在住です。
19. 匿名処理班
スワンプシングは残念ながら後に 溶けたアレック・ホランドの記憶を吸収しただけの
植物性の生物だと発覚した 本物のアレック・ホランドは既に溶けて存在していない
20. 匿名処理班
理論的には現在の技術レベルでも実現できそうなバットマンが一番現実的じゃないのが面白いな。
スーパーパワーより金、知識、鍛錬に耐える強靱な精神の方がよほど得がたいということか。
21. 匿名処理班
※20
あと何人かの大きなお友達が必要だね
22. 匿名処理班
高性能AI積んだロボができたら人間の存在意義なくなるなーと思ってたけど、
そうかーサイボーグになればいいのかー。
23. 匿名処理班
6の「全国子供病院」なんかわろた。
全米児童病院とか、なんというか、こう…
24. 匿名処理班
アメリカ陸軍は「アイアンマン」を欲しがってるんだよな
絶対に傷つかない最強の兵士を
25. 匿名処理班
超人ハルクは?
26. 匿名処理班
アメコミじゃないが、ニンジャーなら頑張ればなれるよね。
近所の忍者道場、いつも外人さんで賑わってるわ。
でも亀と合体するのは勘弁な
27. 匿名処理班
なんか、実現可能だと思うと逆にロマンが無いような気も・・・
ヒーローというのはファンタジーだからこそ輝く気がするわ
28. 匿名処理班
流石にトランスフォーマーは無理なのかね
29. 匿名処理班
テラフォーマーのMO手術は嫌だなあ・・・
30. 匿名処理班
アイアンマンが大丈夫ならメタルマンもいけるんじゃねぇか?
31. 匿名処理班
ところでガン・カタは理論上可能ですか?
32. 匿名処理班
こんなことが、、可能なのか、、?!
33. 匿名処理班
バットマンってある意味最強じゃね?
34. 匿名処理班
目からビームは、何回か前のモヤさまで、舞台装置作ってる会社が、メガネの目の部分からビームだす装置作ってた。
まんまサイクロップスだったよ。
35. 匿名処理班
ウォッチメンのキャラなら、
Dr.マンハッタンやオジマンディアス以外ならいけるんじゃ。
36. 匿名処理班
※32
自立思考して動くっていう意味では無理だけど、車から人型ロボットに変形するって意味では可能(らしい)
現在、1/1スケールを目指してプロジェクトが立ち上がってる
37. 匿名処理班
コールオブデューティーのEXOと言うパワードスーツなら実現すると思う・・・。
車を蹴飛ばしたり、扉を破壊したりするなど、便利である
しかし骨折したりしないだろうか?
38. 匿名処理班
国際救助隊とかはやろうと思えば可能だなぁ。誰かお金持ってる人、やらないかなぁ。需要があるのかって問題は別としても…
39. 匿名処理班
バットマンはすげえ奴だよ
プレデターに勝ってるしバットでぼこって
40. 匿名処理班
※39
ウォッチメンのヒーローの大半はコスプレ自警団だもんな
41. 匿名処理班
※2
俺は評価するぞ。
42. 匿名処理班
グリーンアローなら才能次第でいけそうじゃない?
アメコミのアーチャー枠は比較的なれそう
43. 匿名処理班
ミステリーメンのキャラだと…
ショベラー、ブルー・ラジャは普通にいける、
ミスター・ヒューリアスとスプリーンはなんとか再現できそう、
ボウラー…は最初から無理だな、インビジブル・ボーイに到っては元々訳分からんw
でも一番訳分からんのはスフィンクスだったり。
…キャプテン・アメージングって何か能力あったっけ?
44. 匿名処理班
ワイルドキャットさんならボクサーが猫スーツ準備するくらいでイケる。
45. 匿名処理班
※11
そんなときのナイトウィングさんですよ
バットガールもあり
46. 匿名処理班
バットマンになるにはハルクやスーパーマンに勝ち ドゥームズデイと素手で戦い ダークサイドに頭脳戦を挑み ピエロにストーキングされなきゃな
47. 匿名処理班
Xーメンのマグニートは、地磁気を操れる。だから、地球上の鉄、ニッケル、コバルトを、引き寄せられる。人体の中には、ヘモグロピンとして、鉄の成分が含まれている。人体から、ヘモグロピンを操作できるなら、酸欠状態にして大量殺戮が出来そうな気がする。これを、現実化するならば、電磁波障害として、血液中のヘモグロピンに、影響を与える兵器を開発すれば、中性子爆弾と並ぶ、大量破壊兵器にならないだろうか。