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水中のアイアンマン。深海の謎に迫る次世代型大気圧潜水服「エクソスーツ(Exosuit)」

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 これまで困難だった水中での潜水作業に革命が起きるかもしれない。まるで、アイアンマンのトニー・スタークが身につけたパワードスーツの水中版のような次世代型大気圧潜水服「エクソスーツ(Exosuit)」は、カナダ、バンクーバーのNuytco Research社が開発したもので、水深305メートルまで潜水することができるという。

 エクソスーツの総重量は240キロ以上。ダイバーの身を水圧から守る硬質金属製を使用している。陸上の30倍もの水圧がかかる深海でも、未知の生物を調査することができる。50時間生命を維持できる酸素システムを搭載しており、視界を良好にする強力LEDライト、装着者が胸の高さで見下ろせる涙型のビューポート、高解像度カメラもついている。

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 こんなに重たい海中スーツでも、水中では重さはまったく感じなくなる。装着者は常に海上とコンタクトでき、情報を送ることができる。35年以上もの研究の結果、1.6馬力の4つの反動推進エンジンで動き、進む方向を足で完全にコントロールできる。手足の節々にはオイルの入った18の回転関節がついているため、動きがスムーズだ。手も器用に使え、約1時間の訓練で、簡単に水の中に入ることができるそうだ。

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 機能性に優れ、外科用メスや注射器まで使うことができ、ものを握って集めたり、写真を撮ったり、小さな海中生物を研究するのに必要な道具を使うのに大変実用的だ。

 技術的には、普通のダイビングスーツでも300メートル潜ることはできる。だが、長く滞在することはできない。深海の水圧はとてもきつく、数分間しか留まることはできないのだ。この新開発のスーツは深い場所に潜れるだけでなく、生き物を捕獲して、その場で細かい操作ができるほど十分に長く潜っていられる。

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 エキソスーツは去年の夏、ソロモン諸島沖ですでに実際に使用されている。今年の7月には、マサチューセッツ沖160キロの海底探索に出る。これは大陸棚から急に300メートルも落ち込む海溝を探索し、まだよく知られていない発光生物の生態を探るためだ。

 発光生物は、これまでのところ180種類が特定されているが、もっとたくさんいるはずだという。たまたまトロール網にひっかかってくることもあるが、死んでしまうことが多いので、生きている彼らを観察し、発光パターンなどの生態を調べるためにはこちらから深海を訪ねていくしかない。

 エキソスーツの強力な相棒は、ディープリーフROVという遠隔操作探査機だ。全米科学財団が60万ドルかけて開発した。3台の高解像度カメラを装備し、ファイバー経由でいつでも情報を海上へ送ることができる。

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 この開発は発光生物の研究だけが目的ではなく、人間自身のためでもある。発光生物の体内には、人間の脳内にあるものとよく似たタンパク質が存在する。これは60年代に発見され、緑色蛍光タンパク質と呼ばれている。

 この物質の仕組みがもっと研究されれば、わたしたちの脳がどのようにシグナルを出しているのか、それがどのように劣化していくのか、これまでわからなかったことがたくさん解明され、癲癇、アルツハイマー、ガンなどの研究に応用できる。

 発光生物のたんぱく質は、細胞内で起こる見えないプロセスについて多くのことをおしえてくれる。有機体に隠された細胞の機能や異常についてもっと知ることができる。エキソスーツの効用は単に深海を探索できるという意味をもつだけではないのだ。

via:konohazuku
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この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. 南部ダイバー「深海キターーーーーーーーー!」

    • +2
  2. これで変な生物が見つかったら、またココのネタになるんですね!w

    • +3
  3. 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ!!!

    • +1
  4. 人間のサイズだと大型深海生物が捕食する生物のサイズと大差ないから誤って襲われた場合が恐いな。
    飾りでもいいから色々な物を取り付けて全体としては大型化したほうがいいんじゃないだろうか?

    • +2
  5. 地上のタロス、水中のエクソときたら次は空だな!

    • 評価
  6. アビスという映画でみた服の中を液体で満たす方式の潜水服も実用化されないかと密かに期待しています。

    • +1
  7. こういの体がかゆくなった時の対策ってどうなってるんだろうね。

    • +1
  8. こういうの見ると、もし作業中に背中が痒くなったらどうしようって言う妄想にとり憑かれるんだよね。

    • +3
  9. 60万ドルで遠隔操作探査機できるって技術力と
    高度な頭脳も感心できる

    • +1
  10. 3枚目の画像、中に入ってるのは板尾か?

    • 評価
  11. 海流に流されて、ケーブル切れたら自力で浮上出来るのだろうか・・・・・

    • +1
  12. ちょっとバイオショックをやってくる。

    • 評価
  13. 見た目は昭和初期のロボットのようだw
    とくに手の感じがw

    • +1
  14. 最新でもダサいのは相変わらずなんだな・・・

    • +1
  15. よかった、スタルカァを思い出したのは俺だけじゃないようだ

    • 評価
  16. 硬式のADS(Atmospheric Diving Suit 大気圧潜水服)。米軍で使っているものは600mまで潜水作業できます。潜水服の中は大気圧に保たれているので、水圧と同じ圧力のエアを呼吸するスキューバダイビングに比べるとエアは長く持ちます。

    • +1
  17. 潜水服は昔も今もカッチカチに出来てるんだね

    • 評価
  18. 管理人は知らないかもしれないが、
    ネットでこういう場合はアイアンマンではなく、ビッグダディにしたほうが面白いよ

    • -2
  19. 深海は1万ぐらい深いのにたったの300m…まだまだ謎が深いですな深海は

    • 評価
  20.     /  |´・ω・`|  \     /  |´・ω・`|  \ みんな~

    • 評価

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