この画像を大きなサイズで見るポーランドにある2700年前の墓から、隕石の鉄で作られた鉄器が発見されたそうだ。
発掘されたブレスレットやアンクレット、ナイフといった遺物は、ポーランドを中心に栄えたルサチア文化の人々が作ったもので、ニッケルが豊富な鉄隕石から得られた鉄が使われている。
宇宙起源の鉄が使われているとなれば、さぞや高価な代物だったろう思うかもしれないが、初期鉄器時代の人々は隕石の価値を知らなかったようで、大したものだと思っていなかったようだ。
さらに興味深いことに、この隕石鉄器は世界最古の模様入り金属である可能性も明らかになっている。
2700年前に使用されていた隕石由来の鉄
隕石の鉄が含まれていたのは、ポーランド南部にある初期鉄器時代の墓2か所、チェンストホヴァ=ラコフ(Częstochowa-Raków)と、チェンストホヴァ=ミルフ(Częstochowa-Mirów)で発掘された鉄器だ。
この墓はルサチア文化のもので、墓自体は紀元前750~前600年頃のものだ。
ルサチア文化は後期青銅器時代から初期鉄器時代(紀元前1300年頃から紀元前500年頃)にかけて中央ヨーロッパのポーランド、チェコ、ドイツ東部を中心に栄えた文化で主に農耕や金属加工が発展したことが特徴だ。
フランス、コートダジュール大学の考古学者アルベール・ジャンボン博士らは、ここで発掘された26点の鉄器(ブレスレット、ネックレス、ナイフ、槍先など)をX線蛍光分析や走査型電子顕微鏡などで分析し、そこに含まれている元素や組成を調べた。
するとブレスレット3点とアンクレット(足首用のアクセサリーリング)1点の一部は「鉄隕石」、すなわち鉄を豊富に含んだ隕石から作られていたことが判明したのだ。
その鉄隕石はニッケルが豊富であることから、「アタキサイト」という種類のものだと考えられている。
この画像を大きなサイズで見る当時の人々は隕石落下を目撃し、すぐに入手した可能性
ジャンポン博士によると、この隕石はたまたま拾われたものではないという。むしろ、当時の人々はそれが落下する瞬間を目撃しており、それをすぐに手に入れたと考えられるそうだ。
その根拠は当時の鉄の加工技術レベルだ。
隕石の中には、重さ数百kgもの大きなものもある。こうした大きな塊はそのままでは加工できず、1kg未満の小さな塊に分ける必要がある。
だが、これは初期鉄器時代の技術レベルでは不可能だったはずだ。
それどころか19世紀のフランスですら困難だったと、ジャンボン博士は過去の事例を挙げて説明する。
1830年のフランス、カイユの教会前で、600kgの鉄隕石が発見されたことがあります。当時の人たちはここから道具を作ろうとそのカケラを採取しようとしましたが、結局は断念し、鉄隕石は一片たりとも回収されませんでした(ジャンボン博士)
となると、ルサチア文化の人々が手にした鉄隕石は、最初から1kg未満の小さなものだったはずだ。
こうした隕石が落下すれば、地面に20cmほどの穴があく。そうした隕石は雨が降ればすぐに土が被って埋まってしまうので、簡単には発見されなくなる。
こう考えると、当時の人々は鉄隕石が落下した直後、すぐにそれを拾った可能性が高いということになる。
この画像を大きなサイズで見る隕石の鉄はそれほど貴重ではなかった
宇宙由来の鉄となると、さぞや高価だったろうと想像されるが、どうもそんなことはなかったようだ。
鉄器が発見された墓からは、金・銀・宝石・外国産の品など、一般に高価とされる副葬品が見つかっていない。性別や埋葬法(土葬か火葬か)も関係がなく、子供の墓からも見つかっている。
こうしたことから、宇宙由来の鉄器だからといって、特に身分の高い人物に捧げられたわけではないと推測できる。ならば、それほど高価なものではなかったのだろう。
それもそのはず。鉄器時代になって鉄の価値は大幅に下がったのだと、ジャンボン博士は説明する。
鉄の価格は、青銅器時代には金の10倍もありましたが、初期鉄器時代には銅以下にまで下落しました(ジャンボン博士)
なおスペインでも「ビリェーナの財宝」と呼ばれる遺物の中に、鉄隕石を使った3000年前の鉄器が確認されているが、こちらは青銅器時代のものなので、もっと高価な品だったかもしれない。
以下の画像はスイスで発掘された青銅器時代の鉄隕石で作られた矢尻だ。
この画像を大きなサイズで見る世界最古の模様入りの鉄器である可能性
もう1つ面白い発見は、このルサチア文化の隕石の鉄器が世界最古の模様入り鉄器かもしれないことだ。
その鉄隕石の鉄は、鉄スラグ(金属の製錬の際に生じる物質)と混ぜられている。この鉄スラグは黒っぽいが、鉄隕石の鉄はニッケルを豊富に含むために白っぽい。その結果、発掘された鉄器にはうっすらと縞模様が浮かび上がっているのだ。
この模様が意図的に作られたものかどうか定かではない
だが、もしもそれが狙ったものだったとすれば、模様入りの金属として有名な「ダマスカス鋼」よりずっと古いことになるそうだ。
この研究は『Journal of Archaeological Science: Reports』(2025年1月22日付)に掲載された。
References: Sciencedirect / New study finds meteoric iron in early Iron Age artifacts in Poland
















流れ星を見かけた瞬間に「よしゲットしよう!」となる発想はなかったな
ロマンチックなような 世知辛いような…
隕石で作られた・・・矢尻だとッ・・・!
RPGでなんか使えそうだな、アーチャーの持ち物として。
スタンドに目覚めるチャンスだな
後期青銅器時代は主にアフガニスタンから産出される錫資源に支えられており、何らかの問題によっていちど社会の流通が滞ってしまったところで、広範な地域で青銅器文明が瞬く間に崩壊したという経緯がある。その段階で青銅が生産できなくなった人々は鉄の利用へと移行するわけだけど、最初期は鉄鉱石よりも土層の表層付近で採集できる隕鉄を活用するのは自然の流れだったと思う
先史時代の人々は居住地域周辺の自然から採集できる資源について現代人より遥かに鋭敏に理解していたはずで、隕石が石というより金属に近いものであることは当時の人たちにとって常識だったのだろうね。
鉱物の即売会でも隕鉄で出来た
ナイフとか売ってますね。
30年前に東京ミネラルショーで
隕石見てたら隣にデカい人が
プロレスラーの前田日明でした。
声掛けようかととも思ったが
女性と一緒だったので遠慮しました。
鉄ねー、硬くて強いんだけど錆びるんですよねー。 最終的には銅剣を駆逐したけど一長一短ってところですし。 でも隕鉄ってところは魅かれます。
昔の人も錆びさせないように油を塗ったりして手入れをしていたんでしょうね
日本にも隕石と鉄鉱石から作られた刀があります
そういえば、ツタンカーメンの宝物の中に、隕鉄で作られた剣があった
とか言う話を聞いた記憶がある。