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コウテイペンギンの大冒険。南極から数千キロ泳ぎオーストラリアまでたどり着く

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(著)

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南極からオーストラリアまでひとり旅をしたコウテイペンギンが浜辺を歩く姿この画像を大きなサイズで見る
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 南極にいるはずなのになぜここに?オーストラリアのビーチで2024年11月初め、体力を消耗しきったコウテイペンギンが保護された。

 遭遇した地元サーファーによると、波間から立ち上がり、砂浜に向かって真っすぐによちよち歩いてきたという。

 「ガス」と名付けられたこのペンギン(オス)は、故郷の南極から3,400km以上もの旅を経て、オーストラリアにたどり着いたとみられている。野生のコウテイペンギンがこれほど北で目撃されたのは初めてだという。

 ガスはひどい栄養失調で、雪だと思ったのか、砂の上をお腹で滑ろうとして砂に顔を突っ込んだりしていたが、今は野生動物保護スタッフのもとで回復中とのことだ。

海から上がったコウテイペンギンにサーファーが遭遇

 オーストラリアの西オーストラリア州生物多様性・保全・観光局(DBCA)の発表によると、南極に住むコウテイペンギンが同州南部、デンマーク近郊のオーシャンビーチにたどり着いたのは11月1日のことだという。

 海から上がってきたコウテイペンギンに遭遇した地元のサーファーのアーロン・ファウラーさんはこうコメントする。

とにかく大きかった。最初は海鳥かと思った。でもこっちに向かってくるにつれ、もっとでかいとわかって「ありゃ何だ?」ってなった。アヒルみたいに水から尻尾が突き出てたんだよ

その鳥は波間から立ち上がって、こっちにまっすぐ歩いてきた。背は1mぐらい。人間を警戒する様子はまったくなかったよ

海にもいろんな生き物がいるけどコウテイペンギンは初めてだよ。子どもたちはかなり興奮してたけど、どれほどすごいことなのかまではわかってなかったと思う

それからそのペンギンは、お腹で滑ろうとしたんだ。砂を雪だと思ったんだろうな。でも顔から砂に突っ込んじゃって、立ち上がって砂を払い落としてたよ

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ひとりとぼとぼ浜辺を歩くコウテイペンギン image credit:youtube

栄養失調で衰弱していた体で保護される

 保護されたコウテイペンギンは、ローマ皇帝アウグストゥスにちなんで「ガス」と名付けられた。

 だがさすがにこの長旅にはこたえたようだ。ひどい栄養不良でやせており、当初の体重は23kgしかなかった。ちなみに成鳥のオスのコウテイペンギンの体重は40kgほどだそう。

 現在ガスのお世話をしている野生動物保護施設のスタッフ、キャロル・ビドゥルフさんはペンギンの飼育経験者だが、ここオーストラリアで南極にいるはずのコウテイペンギンに会うとは夢にも思わなかったという。

コウテイペンギンのお世話をする日が来るなんて!本当に驚くべきことです。この鳥の旅の一部になれることを光栄に思います

彼の状態とビーチに放っておけない状況から、最善の手段としてこちらに連れてきたんですが、車に乗せる時は大変でした。先に大きなペットキャリアに入れてから、車に入れて連れ帰りました

野生動物の世話でまず大切なことといえば、とにかく体重測定です。飲み物や薬を与えるためにも必要なことです

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3,400kmを旅して最北のビーチに到着

 ガスは南極からオーストラリアまでの約3,400kmの旅を経てオーシャンビーチにたどり着いたと考えられている。

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image credit:ABC NEWS

 それはこれまでコウテイペンギンが記録された場所の中でも最北にあたるという。ガスがなぜこれほど北までやってきたかは依然として謎だが、専門家たちは、おそらく海流に乗ってこの長距離を泳いできたと推測する。

 西オーストラリア大学の研究員であり、海洋生物学の専門家であるベリンダ・カネル博士は今回の記録についてこう述べている。

追跡されたペンギンがこれほど北に到達したことはありません

これまで南緯50度が最北端でしたがオーシャンビーチは南緯35度なので、過去のどの記録よりもはるかに北になります

ペンギンは特定の海流を追って移動して、多様な餌がある場所を目指す傾向があります。おそらくガスが追った海流は、通常よりも北のオーストラリアの方へ向かっていたのかもしれません

 記録的な旅をしたガスは引き続き、保護施設にいて手厚くお世話されている。幸いなことに、激減したとみられる体重も徐々に増えているそう。

 専門家たちは前例のないこの状況に驚き困惑しながらも、回復後のガスを南極に戻す方法について検討中とのことだ。

Emperor penguin travels more than 2,000 miles to Australia

ペンギンの中で最大種のコウテイペンギン

 ペンギン科オウサマペンギン属のコウテイペンギンは、南極に生息する最大のペンギン。成鳥のオスの体長は、1m~1.3m。体重は40kg~45kgほどになる。

 寒さ厳しい南極の冬に繁殖するが、他の種と違い、メスが産む卵は年に1度に限られる。その後はオスがほぼ飲まず食わずで卵を温め、メスが海に餌をとりにいくという過酷な育児でも知られる。

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image credit:British Antarctic Survey/Peter Fretwell

 コウテイペンギンも他の野生動物同様、気候変動の脅威にさらされている。近年では氷の減少により、生息地や繁殖機会の減少が懸念されているが、将来的には海氷自体が消滅する危機にも直面するともいわれている。

References: Emperor penguin recovering after 2,200-mile swim to Australia / Emperor penguin recovering in care after epic journey from Antarctica to Western Australia / Emperor penguin arrives on WA beach thousands of kilometres from home

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この記事へのコメント 17件

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  1. こういう個体が子持ちのまま移動して南米や太平洋の諸島に移動したんだね

    • 評価
    1. ペンギンの祖先はニュージーランド辺りで生まれたと言われてるから
      逆に北から南極方面へ広がった模様。

      • +8
  2. 稀にこういうアンタッチャブルなやつが出てくることで、種が分布を広げたり進化してきたりするんかな。

    • +16
  3. パルモさんの字体がトボトボ感をさらに醸し出してて切ないねぇ

    • +12
  4. 歴史の変換点に立ち会うことになるとは・・・国家元首がイギリス国王から皇帝に変わるのか・・・

    • +5
  5. もう繁殖期は過ぎてると思うが、もし繁殖中のペアの片割れだったら残された方は悲劇の結末になっちゃってるのだな・・・

    • +6
    1. 悲劇の結果になっているのは子供だけどね…

      • 評価
    2. 真っ先にそれを心配してしまった…
      ただの冒険好きな独身?の若者だったらいいけど。

      • +11
    3. コウテイペンギンの巣立ちは12月頃らしいので
      まだ子育て中だったかもね。

      シャチとかの天敵に追われて群れからはぐれたとかだろうか。

      • +2
  6. 渡海中のメシ(魚?)は、ちゃんと食えていたのかな?

    • +2
  7. オーストラリア辺りだとサメとかもたくさんいるし、砂浜に上がれたのは運が良かったのかも
    保護されて一安心

    • +2
  8. これほどの方向音痴Lv100個体が今までどうやって生きてきたのか不思議なもんだ

    • +2
  9. 👩「ホントにぃ~?」
    🐧「否定できないの」

    • +1
  10. コウテイペンギンは温帯の病原体の免疫を持っておらず
    そのままだと肺の内側にカビが生えて死んでしまう
    なんて話を聞いたことがあるがその辺は大丈夫だろうか

    • +1
  11.  まさに異世界に迷い込んだ状態ですね。多分砂浜も草地も見たことないでしょう。首を伸ばして周囲を見たりしてるところが涙を誘う感じ。
    「……こ、ここはどこだ?腹ばいになってもちっとも滑らない」
    トボトボ
    「仲間はどこにいるんだろう……遠くに見えるのは!……なんかちょっと仲間とは違うみたい。自分より背が高いというかひょろ長いな……」
    トボトボ
    「とりあえず内陸に進んでみるか……」
    などと脳内での独白が再生されました。

    • 評価

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