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ユークリッド宇宙望遠鏡、超高精細な宇宙地図の一部を公開、それでも宇宙の1%

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(著)

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2024年10月15日に公開された画像は、今後6年でユークリッド宇宙望遠鏡が観測する範囲の1%分だ。なおこの宇宙地図は、ESAのガイア衛星とプランク衛星が撮影した画像を組み合わせたものこの画像を大きなサイズで見る
Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA; ESA/Gaia/DPAC; ESA/Planck Collaboration
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 ESAが運用する近赤外線宇宙望遠鏡「ユークリッド」がとらえた超高精細な宇宙地図が公開された。

 南半球の132平方度をカバーする208ギガピクセルのこのマップは、ユークリッド宇宙望遠鏡による史上最大の3D宇宙マップ作成という6年間におよぶ旅の始まりを告げるものだ。

 公開された画像は観測できる範囲のほんの1%でしかない。どんだけ宇宙広いんだよってことだ。だが、これまで誰も見たことがないほど繊細な銀河の姿を私たちに教えてくれる。

史上最大の宇宙の3Dマップ作成ミッション

 宇宙望遠鏡と言うとジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡ハッブル宇宙望遠鏡が思い浮かぶが、地球の外から深宇宙に目をこらす望遠鏡はほかにもたくさんある。

 今回のユークリッド宇宙望遠鏡は、ESAが2023年に打ち上げ、2024年2月から観測を開始している最新型だ。

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飛行中のユークリッド宇宙望遠鏡の想像図 WIKI commons ESA, CC BY-SA IGO 3.0

その主な目的は、宇宙の膨張の正確な観測を通じて、ダークエネルギーとダークマターの謎を解明することである。

 今回公開された画像は、史上最大の3D宇宙地図作成ミッションの一環として公開されたもの。

このミッションでは、今後6年かけて空の3分の1を観測し、100億光年先までの数十億の銀河がマッピングされる。

 まずは映像を見ながら壮大な宇宙旅行にいざなってもらおう。

Euclid survey’s sneak preview

 これが今回公開されたユークリッド宇宙望遠鏡がとらえた宇宙の姿だ。

 左上の楕円形の画像の黄色い枠の部分は、全天図(41,000平方度)と今回の画像の位置を示している。

 左下の画像は今回の画像の倍率を変えたもので、600倍まで拡大すれば渦巻銀河の繊細な姿が見えてくる

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Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay, image processing by J.-C. Cuillandre, E. Bertin, G. Anselmi; ESA/Gaia/DPAC; ESA/Planck Collaboration

驚異的な詳細度で捉えた宇宙の姿

 今回、その旅の幕開けとして公開されたモザイク状の画像は、2024年3月25日~4月8日に行われた260回の観測で構成されている。

 2週間で観測された部分は観測できる範囲ののほんの1%でしかないが、132平方度をカバーする南半球の空は、満月の500倍もの面積に匹敵する。

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 そこに含まれている天体は、天の川銀河の星々やそのほかの銀河をはじめ、およそ1億にも達するという。

 また、そのうち1400万の銀河は、ユークリッド宇宙望遠鏡の主要な目的であるダークマターとダークエネルギーの影響を研究するために利用できるとみなされている。

 その美しさは、拡大すればするほどよくわかる。

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 どんどん画像をズームし、600倍にまで拡大してみれば、元のサイズでは気づきもしなかった渦巻銀河の複雑かつ繊細な構造がはっきりと見えてくる。

 もう1つ注目すべきなのは、天の川銀河の星々の間にある淡い青白い雲だ。これらはガスと塵が混ざったもので、「シラス(巻雲)」と呼ばれる。

 ユークリッド宇宙望遠鏡の超高感度可視光カメラがとらえたのは、シラスによって反射される天の川銀河の光だが、過去には遠赤外線によってもその輝きが観察されている。

 なお現在の時点で、ユークリッド宇宙望遠鏡は観測の12%をすでに終えているという。

 53平方度の深域調査のプレビューは、2025年3月に公開予定。また、同ミッションの最初の宇宙データは2026年に公開予定であるそうだ。

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600倍に拡大したもの。地球から4億2000万光年離れた渦巻銀河(ESO 364-G036)の繊細な姿が、208ギガピクセルの0.0003%で描かれている/Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay, image processing by J.-C. Cuillandre, E. Bertin, G. Anselmi
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150倍に拡大したもの。画像の左側には、地球から4億2000万光年離れた互いに作用し合う2つの銀河(ESO 364-G035およびG036)がある。右側に見えるのは、6億7800万光年先のAbell 3381銀河団/Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay, image processing by J.-C. Cuillandre, E. Bertin, G. Anselmi
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36倍。6億7800万光年先のAbell 3381銀河団のコアをはじめ、楕円銀河から渦巻銀河まで、さまざまな形と大きさの銀河が映し出されている/Cedit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay, image processing by J.-C. Cuillandre, E. Bertin, G. Anselmi
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12倍。中央左に見えるのは、2500万光年離れた渦巻銀河「NGC 2188」の側面の姿。Abell 3381銀河団は右上角付近にある/Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay, image processing by J.-C. Cuillandre, E. Bertin, G. Anselmi
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3倍。南半球の空の一部を切り取ったもので、天の川銀河内の無数の星々と、その外にある数多の銀河が見える。色によって温度が違い、赤い星ほど冷たく、白や青い星ほど熱い。画像の右側にAbell 3381銀河団の連なりが見える/Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, CEA Paris-Saclay, image processing by J.-C. Cuillandre, E. Bertin, G. Anselmi
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ユークリッド宇宙望遠鏡によって観測される範囲。青は広域調査、黄色は深域調査の対象である。水平に広がる明るい領域は、天の川の銀河面に対応する/Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA/Planck Collaboration/A. Mellinger – Acknowledgment: Jean-Charles Cuillandre, João Dinis and Euclid Consortium Survey Group

References: Euclid “Dark Universe” Telescope Unveils Stunning 208-Gigapixel Window Into the Cosmos / ESA - Euclid survey’s sneak preview

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この記事へのコメント 16件

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  1. この望遠鏡のデータがあれば
    太陽系の全容も明らかにできるのだろうか
    未だにほとんど分かっていない

    • +3
    1. ごめん、いいね押すつもりで間違ってマイナス推しちゃった
      宇宙の一部を解明できても自分たちの足元すら解明しきれてないもんな人類
      世界のなんという広大さ

      • +1
  2. ふーむ 1%と言う言葉のマジックやな。
    記事としては ホムホムって頷きながら読めるんだが(笑

    • 評価
    1. 200 週間で全天を撮影できるともいいますね。ってことは 4 年で全天……画像データファイルはどれくらいになるんだろう?なんてことが気になりました。冥王星の表面なんか生きてる間に見られるとは想像もしませんでしたが見えるようになったし、星空の精細画像もすごく見えるようになるし。平均寿命まであと 20 年くらいかな、そのころにはどんな天文世界になってるかワクワクしちゃいます。

      • +2
  3. あの光のつぶ一つ一つが銀河とは…
    何となく教科書的頭で理解していたけど、実際にこうして視覚的に観ると、自分たちの世界が極微の原子のレベルに思えて、正に気が遠くなる

    • +10
  4. これも10年後くらいに見たら荒く感じるようになるのかな?

    • +2
    1. なんだか知らないけど宇宙望遠鏡打上げラッシュなので可能性はある

      • +2
  5. 自分には1円も得にならない話題なんだけど、ワクワク感はプライスレスだ!

    • 評価
  6. 動画見て「うわーうわー」って言葉しか出なかった。

    • 評価
  7. >公開された画像は観測できる範囲のほんの1%でしかない。どんだけ宇宙広いんだよってことだ

    そもそも公開された画像の広さがわからない

    • +1

  8. その画像はどれ
    分かりやすく貼ってくれ公式サイトなら開き方も頼む
    宇宙からすれば人生なんて一瞬だ
    どこだどこだと探す無駄な時間を減らしてくれ

    • 評価

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