メインコンテンツにスキップ

木星の大赤斑がゼリーのようにプルプル揺れている謎の現象をハッブル宇宙望遠鏡が観測

記事の本文にスキップ

19件のコメントを見る

(著)

公開:

ハッブル宇宙望遠鏡による木星の大赤斑の高解像度画像この画像を大きなサイズで見る
NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/Seán Doran
Advertisement

 木星のシンボルである大赤斑は、地球を飲み込むほど巨大な嵐の渦だ。天文学者たちは150年以上もの間、それをずっと観察し続けてきた。

 そして今回、ハッブル宇宙望遠鏡による最新の観測で驚きの発見があったという。この大赤斑は、我々が考えていたほど安定していなかったのだ。

 NASAによると、まるでそれはゼリーのようにぷるんぷるんと揺れているという。

木星の大赤斑はぷるぷると揺れていた

 ハッブル宇宙望遠鏡による最新の観測は、2023年12月~2024年3月の90日間にわたって行われた。

 そこから作成されたタイムラプス画像は、専門家も初めて目にする姿を映し出していた。

この画像を大きなサイズで見る
90日分の観察をもとに作成されたタイムラプス画像。大赤斑のサイズ・形状・色といったさまざまな特徴が一巡する様子が捉えられている。その振る舞いは「ボウルの中で揺れるゼラチン」を思わせるという/NASA, ESA, Amy Simon (NASA-GSFC); Video: Joseph DePasquale (STScI)

 NASAゴダード宇宙飛行センターのエイミー・サイモン氏は、その驚きを次のようにプレスリリースで語っている。

大赤斑が経度の方向に軽く変動することは知っていましたが、サイズが振動するのは予想外です。このような現象が確認されたのは初めてです(エイミー・サイモン氏)

90日で1サイクル。だがゆらぎの原因は不明

 この観察から判明したのは、大赤斑が加減速をしつつ、縮小や膨張もしているということだ。

 それは90日で1サイクルであるようだが、なぜこうしたサイクルができるのか今の時点で詳しいことはわかっていない。

この画像を大きなサイズで見る
大赤斑は見た目ほど安定しておらず、90日サイクルでぷるぷるしている。この揺らぎの原因は不明だ/NASA, ESA, Amy Simon (NASA-GSFC); Image Processing: Joseph DePasquale (STScI)

 一方、カリフォルニア大学バークレー校のマイク・ウォン氏は、大赤斑が加速や減速をする際、その北と南を流れるジェット気流を押し返していると説明する。

これは、サンドイッチのようなもので、具を詰め込みすぎてパンが膨らんだサンドイッチに似ています(マイク・ウォン氏)

 ウォン氏は、大赤斑を海王星の大暗斑とも比べている。

 大赤斑は望遠鏡による観測が始まって以来、ジェット気流に閉じ込められてずっと赤道の南側に留まってきた。

 ところが、大暗斑にはそうしたジェット気流がないのに南半球に固定されているという。

大赤斑は徐々に縮んでいる

 天文学者たちは150年以上もの間、大赤斑を観察し、その都度驚きの発見をしてきた。今回のチームはすでに10年にわたって大赤斑を観察し続けてきた。

この画像を大きなサイズで見る
木星の大赤斑の観察はNASAゴダード宇宙飛行センターのエイミー・サイモン氏を中心とするチームによって行われた/NASA, ESA, STScI, Amy Simon (NASA-GSFC); Image Processing: Joseph DePasquale (STScI)

 そうした観測では、大赤斑のサイズ・形状・色といったさまざまな特徴の日々の変化が目撃されてきた。

 たとえば紫外線で見てみると、大赤斑のコアは大きさが最大になった時、一番明るくなることがわかる。

 そうした傾向から、コアが最大になると大気上部にある霞の吸収が弱くなることがうかがえるという。

 また安定してるように見える大赤斑は今、だんだんと縮小しているのだそう。

 研究チームの予測によれば、縮小は今後も続き、やがて今のような楕円からもっと円に近い形で安定するという。

 その根拠は、現在の大赤斑がその風に対して過剰に広がりすぎていることだ。したがって、大赤斑が今よりもっと縮めば、気流によってきちんと固定されると考えられるのだ。

 こうした太陽系最大の嵐のメカニズムを理解することは、地球の台風やほかの惑星の気象の理解にもつながるとのことだ。

 この研究は『The Planetary Science Journal』(2024年10月9日付)に掲載された。

References: NASA's Hubble Watches Jupiter's Great Red Spot Behave Like a Stress Ball - NASA Science

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 19件

コメントを書く

  1. あれって何で赤いんだろう。
    台風のようなものだと聞いたけれど、下層域の赤い何かを噴きあげてる様な状態なんだろうか。

    • +12
  2. 大気の組成は知らんが気体の渦なんだから形が変わって何の不思議が有るんだ?
    台風の渦が変化するのと同じだろ

    色に関しては銀河や星雲の画像を綺麗だと思ったがあれNASAが色付けしてるって知って公開されてる画像の色は着色や誇張が含まれてると見てる、これもね。

    • -5
    1. 気体の渦っていっても、地球より巨大な渦だぞ。
      そんな怪物スケールでも地球の台風と共通したふるまいが見られるとしたら普通に大発見だろ。

      マジレスするとその気体の渦がどういう振る舞いをするかによって組成とか相互作用とか重力とか、わからないことだらけの木星環境を解明する手がかりになる。
      「同じだろ」で片付けられる問題じゃない。

      宇宙の画像にしても、なにもデタラメに色を付けているわけではなく可視光線に変換した場合にどういう色が相当するかってルールに基づいて色をつけているんだから誇張も何もない。

      自分で知ろうともしてないくせに勝手に疑り深くなって勝手に幻滅して・・・
      ご苦労さま、で済めばいいが、下手したら陰謀論にハマりそうな迷惑なメンタリティしてるよ、あなた。

      • +9
    2. X線・赤外線・紫外線・可視光…その他いろいろな観測方法があるけど一長一短だからね
      わかりやすく色が”復元”される撮影には”赤外線”が使われる事が多い。その理由は可視光では拾えないエネルギーの低い対象も観測できるから
      例えば星雲などは可視光では本当に近距離のモノを大雑把にしか観られないが、赤外線を併用すればより細かい観測が可能になる
      あとは”褐色矮星”なども可視光では拾いづらいので、併用しなければ宇宙にある恒星の総数がかなり減ってしまうことになる

      • +1
  3. 1665年に初めて観察されて、現代に至るまでの間に100年くらい観測されなかった時期もあるらしいから、生成と消滅を長いスパンで繰り返しているのかもね
    木星のまばたきだ

    • +10
  4. 大赤斑の色合い、存在感、
    ある種の不気味さを感じてしまう

    • +5
    1. 段々小さくなってるって、無くなるのさびしいよね
      あれがあって不気味で、それでこそ木星さ

      • +5
  5. 今のところ木星みたいな惑星は遠くから眺めるしかできないからなあ。
    重力や放射線、温度がすごいから観測機が突っ込んだら直ぐ逝けるだろうし・・・。

    • +1
  6. 大気の主成分が水素だから気球みたいな浮揚する探査機を木星大気内に浮かせて長時間観測は不可能なのかな?

    過去ガリレオとかカッシーニとか探査機がガス惑星の大気に突入して廃棄された時の破壊って断熱圧縮で破壊が起きたのか?
    水素過多環境での断熱圧縮って起きるの???

    • 評価
    1. 木星の縞模様、あれ一番速いところは秒速100m超えるので気球とか無理

      • +1
  7. 宇宙から見ると平面に見えるけど、大気現象なんだから雲自体が三次元的な振る舞いをするだろうな
    雲の高度変化を観測出来ると面白いだろうけど

    • 評価
  8. 地球上のでっかいハリケーンも上から見たらミルクプリンみたいにプルプルするん?

    • 評価
    1. ハリケーンじゃないけど日本近海の台風は発生中は
      ひまわり8号リアルタイムWebで動画が見られる

      • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

自然・廃墟・宇宙

自然・廃墟・宇宙についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。