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もしも火星と木星の間に惑星があれば、地球上の生命が絶滅する可能性

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(著) (編集)

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 太陽系にもっと惑星があればいいのに… そんなふうに想像したことがある人は、きっとなかったことに感謝するだろう。

 『Planetary Science Journal』(2023年2月28日付)に掲載された研究によれば、火星と木星の間に惑星が1つでもあったとすれば、地球は太陽系から放り出されて、地上の生命は一巻の終わりを迎える可能性があるそうだ。

 たった1つの惑星があるだけでなぜそんな重大なことに?それには巨大な木星の重力が関係しているという。

太陽系惑星にある2つのギャップ

 太陽系には2つのギャップがある。1つは「地球型惑星」と「木星型惑星」の大きさだ。

 地球型惑星とは主に岩石や金属でできた惑星のことで、地球のほか、火星・金星・水星がそうだ。一方、木星型惑星は主にガスでできた惑星で、木星・土星・天王星・海王星がこれにあたる。

 この2種の惑星は同じ惑星でありながら、大きさが極端に違う。たとえば太陽系最大の地球型惑星は地球で、最小の木星型惑星は海王星なのだが、後者の直径は前者の4倍で、重さは17倍ある。

 不思議なことに、太陽系にはその中間の大きさの惑星が存在しない。もちろん広い宇宙には存在しており、たとえば「スーパーアース」などと呼ばれている。

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photo by iStock

 もう1つのギャップは、火星から木星までの距離がやたらと離れており、空白地帯となっていることだ。

 惑星が存在できるだけの十分広い空間があるのに、あるのは小惑星帯だけだ。だから天文学者はしばしば、ここにもう1つ惑星があればと想像したりする。

 こうしたギャップは、太陽系の構造や進化について何か重要なことを伝えている可能性がある。

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photo by iStock

もしも火星と木星の間に惑星があったら、地球の生命が滅亡の危機

 そこで米カリフォルニア大学リバーサイド校のスティーブン・ケイン氏らは、もしも火星と木星の間に惑星があったらという天文学者の想像をシミュレーションで確かめてみることにしたのだ。

 その結果、天文学者の想像が現実になったら、太陽系全体を巻き込むような大惨事につながることがわかってしまったのだ。

 その仮想の惑星が木星に与える影響のおかげで、太陽系全体が不安定になるのである。

 「多くの天文学者がもう1つ惑星と願っていますが、ないのは幸いでした」と、ケイン氏はプレスリリースで語る。

 太陽系最大の惑星である木星の質量は、地球の318倍もある。その重力が太陽系に与える影響はとてつもなく大きなものだ。

 だからもし火星と木星の間にスーパーアースが存在し、木星がわずかでも乱れてしまうと、その影響はほかの惑星にも及ぶのだ。

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地球から1200光年の彼方にあるスーパーアース「ケプラー62f」 / image credit:NASA Ames/JPL-Caltech/Tim Pyle

 そのせいで地球の軌道も変わってしまう。そうなれば生命が全滅することはないにせよ、地上は今よりずっと居心地が悪い場所になる。

 だがスーパーアースの質量や位置によっては、地球はおろか、水星や金星まで太陽系から追い出されてしまうかもしれない。

 もっと大きな天王星や海王星すら不安定になり、やはり宇宙空間に追放される可能性もある。

 仮想の惑星をもっと小さくして、火星と木星の間に直接放り込んでやれば、長期間安定する可能性はあるようだ。

 だが、どこかの方向にほんの少しでもズレていれば、「物事はうまくいかなくなる」のだそうだ。

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photo by Pixabay

太陽系は緻密な秩序の上に成り立っていた

 この研究は、太陽系外惑星に宿る生命についても重要なことを告げている。

 太陽系外の星系で、ガスで構成された巨大な木星型惑星があるのは1割ほどだ。だが、それがあるかどうかで、同じ星系内の惑星が安定するかどうか決まるかもしれない。

 こうした結果を目にしたケイン氏に、太陽系をまとめる緻密な秩序に改めて畏敬の念を抱いたそうだ。

太陽系には、想像以上に緻密な調整がほどこされています。まるで複雑時計の歯車のようです。そこに余計な歯車を組み合わせると、すべてが壊れてしまうのです

References:The planet that could end life on Earth | News / The Dynamical Consequences of a Super-Earth in the Solar System – IOPscience / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 39件

コメントを書く

  1. 神は賽を振らないし手心も加えない。
    今の地球はとてつもない宇宙規模の偶然の上で産物だと心得よ。

    • -3
    1. >>1
      アインシュタインが言った「神は賽を振らない」は彼が信心深いユダヤ教信者であり、
      「神は賽を振らない(神は必ず法則を定めている)」もそれゆえに出た発言なのに、なぜか別の意味に取られがち

      • 評価
  2. なんか順序が違うような…そもそも太陽系が形成された初期なんてどう考えてもまだ安定なんかしてなかっただろうし、台風後の川の濁流が次第に落ち着くように、天体の軌道が収斂して自然と安定するようになったから現在の太陽系になったのでは?
    近年の星系観測においても、多重連星だったらともかく変に不安定な惑星系なんて見つかってないと思うんだけどね

    • +23
    1. >>3
      あんたが正解

      この考察の順序は真逆でおかしい

      • -1
    2. >>3
      奇跡と偶然から成す結果論というやつだね。

      • 評価
  3. 自分が依って立つところの地面が
    ギッチギチの均衡で危うく成り立っている
    卑小な我々にとって恐ろしいくらいのラッキーだ

    • +6
  4. 今までの人生で一度も太陽系にもう一個惑星欲しいと思ったことがない…
    科学者はどういう思考でその考えに至るのだろう

    • +7
    1. >>5
      気持ちはわからなくもないけどね
      現状地球以外の惑星でまともに探査機着陸させて調査できるの火星くらいだし(金星着陸の事例もあるにはあるが過酷な環境ですぐ壊れてしまう)
      科学者からしたら物足りなさ感じる部分もあるんじゃないかね
      まあ仮に火星木星間に惑星あったとして着陸できるような星になるとは限らないけど

      • 評価
    2. >>5
      物理や天文系ではない分野の科学者だけど、自分も太陽系の惑星増えてほしいと思ったことは一度もないな。冥王星が準惑星になって寂しがってた同業者は居る

      • +1
  5. 寝る前にこういうの読むと眠気飛ぶ。でも読んじゃう

    • +3
  6. そんなたらればの話されてもな。
    今地球がここにあって生命が存在しているのは”なるようになったから”
    岩やらガスやらが太陽の周りぐるぐる回って引力やら熱やらいろんな要素で各惑星が育った結果こうなったのであって追加でここに惑星あったら、とか妄想話でしかない。
    宝くじ当たったらの方がまだ意味がある。

    • -7
    1. >>7
      そうだな、これはどうやったら宝くじが当たるようになるか科学的に検証する話だな。
      現実として、地球は宝くじが当たったものとして存在してるからね。

      • 評価
    2. >>7
      科学には、過去の「たられば」という仮定から至る現在、そして現実の現在を比較対照する思考実験ってのも重要。
      それは現在の環境条件(変数)がどう変わると将来どうなるってシミュレーション予測に直接つながってくる知見に不可欠なものだからだ。
      「今」しか見れない、研究対象の価値を認めない人間ほど「たられば」批判をするが、科学史に無知な余りに短絡的浅慮と言う他ない。

      • 評価
      1. >>32
        可能性があるから批判するやつは科学史に無知な余りに短絡的浅慮と勝手に断じてるがそういうあんたはどれだけ科学史に精通しててご立派な思慮深い才人なんすか?
        そうはならなかったものを後からもしここにこれを足したらどうなるか、が本当に必要なん?
        じゃあ月の軌道に後5個位月入れたらどうなるかもある日突然火星の直系が倍になったらどうなるかも意味があって必要なことなんだよな?
        そんなんゲームでここに悪魔召喚したらどんな騒ぎになるかなとかやってるのと同じだわ。
        単に批判的なコメントやり込めてキモチイイってなりたいだけの逆張り君だろ。

        なぜ太陽系の特定部分に惑星が無い部分があるのかを必死に考察するとかなら意味深いとは思うがな。

        • -1
  7. もしかすると太陽系こそ人工的に配置されたオーパーツかもしれない

    • 評価
  8. 火星と木星の間の惑星と思い返して
    危うく水星が出そうになった

    • +6
  9. かつては太陽系こそ典型的な惑星系と思われていたが
    宇宙ではむしろ激レア型だったってNHKで言ってたなぁ。

    • +4
  10. 地球のわずかな地軸の傾きだけで四季がありあれだけ環境変わるんだから
    まあ、その影響は言わずもがななんでしょうな。
    というか火星と木星の間に惑星がないのはそれこそ過去にどうにかなってしまったのでは。

    • +3
    1. >>11
      「逆に」考える癖がついてしまって
      あなたの意見を聞くと我々は極小さな温度幅ですら許容するのに必死で、その環境の中で多様な彩りを世界にもたらしている、弱く儚いモノなんだなと思ってしまった

      • 評価
    2. >>11
      もしかして、惑星が一個あったけど存在できない状態(たとえば潮汐力によってとか)にバラバラになってしまって、小惑星帯がその名残とかね。

      • -1
      1. >>33
        惑星がバラバラになったと言うより
        木星等の引力の影響で最初から惑星に成長できなかった、
        という見方が主流みたいね。

        まあそもそも小惑星帯の小惑星の合計質量は
        月の35分の1と言われてるから合体できたとしても
        惑星と呼べるサイズにはならなかっただろうけど。

        • +1
  11. 小惑星帯って元々1個の星で、木星の重力だか何だかでバラバラになったって説が有ったな。
    その説が本当なら昔は火星と木星の間に1個の惑星が有った事になるが果たして?

    • +2
  12. そもそも太陽系は誕生時の不安定な状態から
    星々の合体や間引きによって今の安定状態になったわけだから
    ここから惑星サイズの天体を追加したら火星と木星の間に限らず
    再度不安定になるのは当たり前だと思うわ。

    左右で釣り合ってるシーソーのどこかに
    人が乗っかったらバランスが崩れるのと同じ。

    • +7
  13. もう一個惑星があったならですって??
    地球環境が変わるどころか
    地球は存在していなかったと思いますけど
    公転は絶妙なバランスで釣り合っているのですから

    • +1
  14. よくこういう言説見るけど、因果関係が逆だし全く無意味。

    緻密に成り立ってるって、どの目線で言ってるのか謎だし
    手を加えるって、どうやって手を加えるつもりなのか。

    多分神様を信じてる人なんだろうなと思う。

    初期入力値長い時間をかけて今そうなってる現状の、過去の段階でもし「何か」が違っていたら
    全然違う結果になります!って、ものすごく当たり前のこと。
    惑星がもう1つあるって、「何か」にしてはものすごいでかいしw

    • +1
    1. >>18
      例えば「地球誕生の間もない頃に地球から分裂して月が生まれなかったら、地球に生命は誕生しなかった。」
      この仮説を「現実として月は存在するんだから存在しなかった仮説を検証しても無駄」
      という言い分が一般的に支持されているなら、あらゆる科学は存在してないだろうね、
      神を唯一の物として信仰してた中世の封建時代のように。
      しかし人間は、神の存在を信じること知性が生まれ、同じく神の存在にも等しい可能性を信じることで科学を発展させてきた、これもまた事実。

      • 評価
  15. 火星と木星の間の場所は大きな惑星が出来にくい、と言う話も聞くけどね。

    • 評価
  16. 稀有な事かもしれない、だが全宇宙の恒星系の数で観ればままあることかもしれない、そのうえ生命誕生に太陽系が最高の状態なのかは何とも言えない。

    • +1
  17. 第5惑星が存在する世界の学者
    「第五惑星が安定せず分裂して小惑星になっていたら、地球への頻繁な巨大隕石衝突で生物は進化できなかっただろう」

    • +1
  18. 太陽系内の惑星たちの公転が地球の地震へ影響を与えているのも当然だなぁと感じるね

    • -1
  19. 木星に取り込まれたからアステロイドベルトのまま小惑星が残ったんじゃねーか?

    • 評価
  20. もともと太陽系の成り立ちが、ガスが集まって衛星になったってことだったから、
    緻密に調整された奇跡のバランスじゃなんかじゃくて、
    必然的に安定する位置に調整された大きさで惑星ができたんじゃないんですかね。

    • 評価
  21. 軌道共鳴の話ですね。
    複数の惑星が恒星を公転する場合、恒星や各惑星の質量によって軌道は自ずと決まってしまう。もし違う条件(他の惑星を軌道に挿入する)を与えた場合、他の惑星の軌道も全て変化してしまう。地球が今の位置を公転できるのも太陽系の他の惑星の重力のおかげであり、これが少しでも異なっていれば水が液体である領域(ハビタブルゾーン)を維持できなかった。

    • 評価
  22. 『バランスが取れている状態に
    バランスを崩すものを投入するとバランスが崩れる!!』

    お、おう、そうだな。

    • +3
  23. スーパーアース分の質量は、小惑星帯の質量の和に等しいだろうからバランス取れてなくもないんでわ
    もうちょい木星の質量が大きいと点火してしまって、灼熱地獄で生命発生があり得なかった話のが怖い

    • 評価
    1. >>30
      小惑星帯の質量を全て合わせても月にも満たないみたい。因みに小惑星の中でも最大のセレスが小惑星全体の質量の1/3を占めている。
      木星の質量は太陽の1000分の1(0.1%)であり、軽水素が核融合を引き起こす最低の質量は太陽質量の8%、つまり木星質量の80倍は必要になる。

      • +3
  24. やっぱ、この世界はバーチャルだったんだな

    • 評価

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