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深海のエイリアン!スパゲッティーワームの新属新種を発見

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(著)

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新属新種として認定されたスパゲッティワームの1種(Terebellosuctoria jimii) credit:The Australian Museum/Dr Elena Kupriyanova et al.
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光がほとんど届かないインド洋の深海底で、無数の触手を持つエイリアンのような奇妙な生物が発見された。

 スパゲッティワームと呼ばれるフサゴカイ科の仲間だが、他の種には見られない奇妙な吸盤がついている。

 見つかったワームは、「新属新種」として認められた。

 吸盤の謎を解くヒントは、日本の研究チームが沖縄の深海で発見していた別のワームにあった。

 オーストラリアと日本の研究が結びつき、過酷な深海を生き抜くための新しい進化の系統が明らかになっている。

 この研究成果は『Records of the Australian Museum』誌(2026年7月8日付)に掲載された。

参考文献:

インド洋の海山で見つかった奇妙なスパゲッティワーム

 2021年と2022年、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の調査船インベスティゲーター号が、インド洋に浮かぶオーストラリア領のクリスマス島とココス(キーリング)諸島周辺の海山を探索した。

 海山とは、海底から山のように盛り上がった地形のことだ。

 科学者たちは深海の海底から数百匹のワームを採集し、その中から、ココス諸島沖の水深467mから674mで採れた全く新しい2種類のワームを見つけ出した。

 スパゲッティワームと呼ばれるフサゴカイ科の多毛類(ゴカイの仲間)で、陸にいるミミズの親戚にあたる。

 柔らかい体を保護用の管の中に隠し、スパゲッティのような長い触手を伸ばして周囲の堆積物から餌を探し出して生活する。

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テレベロスクトリア・ジミイ(Terebellosuctoria jimii)と名付けられたスパゲッティワームのうちの1種。生きている時はオレンジ色をしている。Image credit:CSRIO

本来はないはずの吸盤を持つ未知の系統

 今回見つかった2種類のワームは、これまでに知られているスパゲッティワームとは明確に異なる特徴を持っていた。

 体を保護する管から取り出してみると、体の前の方の腹側にあるふくらみが変形して、吸盤のような構造になっていた。

 オーストラリア博物館の海洋動物学者であるエレーナ・クプリヤノヴァ博士らのチームが体のつくりとDNAを詳しく調べると、既存のどのグループにも当てはまらない全く新しい属であると判明した。

 深海で新種が見つかることは珍しくないが、新しい属が作られるのはまれだという。

 研究チームは「吸盤を持つフサゴカイ」を意味する新属「テレベロスクトリア(Terebellosuctoria)」を設立し、2種を新しい属に分類される新種「新属新種」として記載した。

 なぜ泥の中に住むはずのワームに吸盤があるのかは、謎のままだった。

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発見されたスパゲッティワームのうちの1種はテレベロスクトリア・キーリンゲンシス(Terebellosuctoria keelingensis)と名付けられた。Image credit:The Australian Museum/Dr Elena Kupriyanova et al.

沖縄の深海で見つかっていた近縁種

 吸盤の謎を解くヒントは、数千km離れた日本の海で発見された近縁種にあった。

 オーストラリアの研究チームが論文を発表する前の2025年11月、名古屋大学などの研究チームが沖縄県の南大東島沖の水深843mで、同じように吸盤を持つワームを報告している。

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沖縄で発見されたワームの腹部にある吸盤状の構造 Image credit:Jimi et al. / Scientific Reports, CC BY-NC-ND 4.0

 キュウバンフサゴカイと名付けられたこのワームは、吸盤を使って深海に木のように生えるガラス質のスギノキカイメンの表面にしっかりとくっつき、そこに自分の管を作って生活していた。

 日本の研究チームは、海山のように地形が急で泥などの堆積物がたまりにくい環境で、硬い場所に体を固定するために吸盤が役立っていると考えている。

 ただし日本の研究チームは、キュウバンフサゴカイがどのグループに属するのかを決めきれず、「似た吸盤を持つ仲間が見つかれば、未知の系統かもしれない」と論文に書き残していた。

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沖縄県の南大東島沖で発見されたキュウバンフサゴカイも吸盤を持っていた。Image credit:Jimi et al. / Scientific Reports, CC BY-NC-ND 4.0

2国の研究が繋がり新たな属が誕生

 クプリヤノヴァ博士のチームがオーストラリアのワームと日本のワームのDNAや体のつくりを比較すると、すべて同じグループに属することが判明した。

 日本の研究チームが発見していたキュウバンフサゴカイも、新しく設立されたテレベロスクトリア属に組み込まれた。

 インド洋で見つかった新属新種の1つは「テレベロスクトリア・ジミイ(Terebellosuctoria jimii)」と名付けられた。

 キュウバンフサゴカイを発見し、フサゴカイ科の吸盤を初めて報告した名古屋大学の自見直人氏にちなんでいる。

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自見直人氏の名にちなんで名づけられたテレベロスクトリア・ジミイ(Terebellosuctoria jimii)Image credit:The Australian Museum/Dr Elena Kupriyanova et al.

 もう1種は「テレベロスクトリア・キーリンゲンシス(Terebellosuctoria keelingensis)」の名付けられ、2種が見つかったココス(キーリング)諸島にちなんでいる。

 インド洋の2種はカイメンにはついておらず、吸盤をどう使っているのかはまだわかっていない。

 遠く離れた海で別々に発見された未知の生物が、DNAと体のつくりの比較によって1つの新しい進化の系統として繋がったのだ。

 まさに深海の神秘であり、海はつながっているということを実感させてくれる。

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この記事へのコメント 2件

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  1. とてつもなく気持ち悪い
    と思いながらもじっくり見ちゃう

    • +1
  2. 進化してこうなったのか、原初の姿に近いのか、どっちなんだろう…!

    • +1

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