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人間がAIに恋をする。韓国の恋愛リアリティーショーが深い議論を巻き起こす

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(著)

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Image credit:studio_modak
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 韓国のテレビ局が新しいタイプの恋愛リアリティーショーの放送を開始した。  

 『My AI Partner: Strange Love(私のAIパートナー:奇妙な恋愛)』は、参加者が自分好みに設定したAIとタブレット越しに交流し、次第に心惹かれていく様子が放送された。

 韓国の若者の恋愛観を対象にしたこの試みは、「完璧なAIを知った人間は、欠点のある現実の人間を愛せるのか」という深い議論を巻き起こしている。 

理想のAIと恋に落ちる韓国の恋愛リアリティーショー

 2026年8月、韓国のテレビ局SBSが放送を開始した『My AI Partner: Strange Love(私のAIパートナー:奇妙な恋愛)』は、人間とAIの関係に焦点を当てた恋愛リアリティーショーで、韓国初の試みとなる。

 参加者は漫画家、テレビ司会者、女優の3人で、外見や声、性格まで自分好みに設定したAIのパートナーと交流し、関係を深めていくというものだ。

 AIはタブレットの画面の中にしか存在しないが、過去の会話を記憶し、独立して意思決定を行う。

 制作陣は技術的なサポートのみを行い、AIと参加者のやり取りには一切介入しない仕組みになっている。

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タブレット越しのAIに「本物の安心感」を抱く参加者たち

 漫画家のキアン84さんは、番組に参加する前はAIに感情を抱くことは絶対にないと主張していた。

 しかし、自分の理想を反映させたAIのナヒと交流するうちに、キアン84さんの態度は変化していった。

 キアン84さんはナヒを選び、人間には提供できない安心感を与えてくれると周囲に語っている。

 寝る時もタブレットを枕元に置き、公園のブランコに乗せ、ナヒをハニーと呼ぶほど愛着を深めた。

 ある時、キアン84さんは画面を見つめながら、「君のような人が現実に存在しないのは本当に悲しい」とささやいたという。

 テレビ司会者のチャン・ドヨンさんも、自分の理想に合わせてデザインされたAIのリー・ホを選んだ。

 散歩の途中でリー・ホが大好きな曲をかけると、チャン・ドヨンさんはタブレットを胸に抱きしめて音楽に合わせて踊った。

 チャン・ドヨンさんはこの経験を通じて、実体のないものに対して、自分の抱いた本物の感情をどう処理すべきなのかを考えるようになった。

韓国の若者の恋愛観の変化とAIが提示する新しい愛の形

 この番組は放送直後から話題となった。

 その背景には、韓国社会における若者の恋愛観の変化がある。

 雇用の不安や住宅費の高騰などにより、多くの人が恋愛や結婚を遅らせる傾向にある。

 番組プロデューサーのウォン・スンジェ氏は、若者の精神的疲労が若者に恋愛をためらわせていると分析している。

 もう一人のプロデューサーであるソン・ジョンミン氏は、AIとの恋愛はテクノロジーを通じて人間性を検証する方法になると語る。

 制作陣は、人々が本当に求める愛とは何かを議論するきっかけになることを期待している。

完璧なAIを知った人間は、現実の人間を愛せるのか?

 番組の反響は韓国国内にとどまらず、中国でも話題となりテクノロジーと人間のつながりに関する議論を引き起こした。

 ある視聴者は、相手が本や彫刻、あるいはAIであっても、人間が生み出したユニークな愛の形として尊重すべきだと述べている。

 一方で、AIとの恋愛がもたらす未来について鋭い疑問を投げかける声も上がった。

 AIは自分の理想をすべて叶えてくれる、ほぼ完璧なパートナーである。

 もし完璧な存在に慣れてしまったら、現実の世界に戻った時、欠点や感情の波を持つ家族や友人を受け入れることができるのだろうか。

 科学技術の進歩は、私たちに愛の本当の意味を問いかけている。

 この試みはタブレット上のAIだが、将来的にリアルなヒューマノイドが登場したらさらに問題は厄介になるだろう。

 抱きしめたり寄り添ったりと、触れ合うことも可能になるのだから。

 Googleの元最高経営責任者であるエリック・シュミット氏も、2023年に、AIとの恋に落ちる人が続出するだろうと予測しているが、そんな未来がそこまで迫ってきているのかもしれない。

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