この画像を大きなサイズで見る米シアトルのバーク博物館が、恐竜の化石を岩から取り出して整える「クリーニング」作業の舞台裏を公開した。
投稿された動画では、スタッフがハドロサウルスの頭骨を筆で丁寧に払う様子が確認できる。
恐竜の目があったと思われる場所に、動く目玉シールを貼り付けているのがかわいくていいね。
化石はとても繊細で、クリーニング中に割れてしまうこともある。地味で根気のいる作業だが、古生物に対する情熱がそれを支えてくれているのだろう。
化石のクリーニング作業。目玉のおもちゃで遊び心も
アメリカのワシントン州シアトルにあるバーク博物館が、TikTokで化石クリーニング作業の動画を公開している。
動画には、6600万年以上前の白亜紀に生息していた恐竜「エドモントサウルス・アネクテンス」の頭骨を、スタッフが筆で慎重にクリーニングする様子が映っている。
この画像を大きなサイズで見るエドモントサウルス・アネクテンスは、カモのようなくちばしを持つハドロサウルス科の草食恐竜で、白亜紀の終わりに北アメリカ大陸で暮らしていた。
ティラノサウルスやトリケラトプスと同時代を生きた恐竜である。
平たいくちばしとたくさんの頑丈な歯で植物をすりつぶして食べており、大人になると体長12mを超えるほど大きかったという。
博物館のスタッフは、この恐竜に「コールド・ハーテッド」という愛称をつけた。
スタッフは化石化した骨の表面を優しく払い、恐竜の目があったと考えられる位置には動く目玉のおもちゃを取り付けて、遊び心を交えて紹介している。
この画像を大きなサイズで見るアメリカ北西部のモンタナ州で見つかったコールド・ハーテッドは、まだ大人になりきっていない若い個体で、鼻先から尻尾までの長さは約6mあったと推定されている。
一緒に発掘された植物化石が物語る白亜紀末期の環境
もう1本投稿された動画には、恐竜と一緒に見つかった植物の化石について解説している。
魚の尾や鳥の羽に見えるが、ヤシの葉の化石だ。
この恐竜は死後、砂の多い川底に埋もれ、大量の植物と一緒に化石になった。
砂は粒が粗く、細かい形が残りにくい。そのため、植物がここまできれいに保存されているのは珍しく、幸運な発見だと博物館は説明している。
研究者たちは、植物化石がより多く見つかっていることから、恐竜の化石が発掘された場所は、かつてはアメリカ南部のミシシッピ川の三角州のような温暖で湿った沼地だったと考えている。
古植物標本の管理責任者であるペイジ・ウィルソン・デイベル氏によると、そうした場所からはヤシやイチョウ、針葉樹などの化石が見つかっているという。
植物の化石は、恐竜の生息環境を復元する重要な手がかりとなっている。
少しの刺激で割れてしまう繊細な化石
バーク博物館で化石処理室の責任者を務めるケルシー・エイブラムス氏は、16年にわたり恐竜の発掘現場を指揮してきた。
見学に訪れる人から「化石を壊したことはあるか」と聞かれると、エイブラムス氏はいつも「ある」と正直に答えている。
化石は非常に脆く、触り方が少し悪かったり、重さのかかり方が変わったりするだけで割れてしまう。
また、複数の骨が複雑に絡み合って保存されている場合は、正しい骨格に組み立て直すために、スタッフがわざと化石を割るという。
もし、作業中に化石が割れてしまった場合でも、接着剤を使って元の形に修復することが可能だ。
エイブラムス氏は、何かが起きる前の化石の姿を残しておくため、作業前の状態を大量の写真に収めて記録していると説明する。
万が一化石を割ってしまっても、できる限り多くの情報を残せるよう、データも集めているそうだ。
化石を取り出すのは地味で根気のいる大変な作業で、時にパズルのような謎解きも必要になってくるのだ。
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