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数十年収蔵庫に眠っていた化石、南極で発見された最初の恐竜のものだった

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(著)

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白亜紀の南極大陸に生息していた恐竜の復元予想図 Image credit:Andrew McAfee Carnegie Museum of Natural History
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 イギリス南極調査所の収蔵庫に約40年も眠っていた化石が、実は南極大陸で最初に発見された恐竜のものだと判明し、正式に登録された。

 この化石は1985年にイギリスの調査隊が南極半島、ジェームズ・ロス島で採取した尾の骨で、約8200万年前の白亜紀の地層から発掘されたものだ。

 当時は大型の爬虫類の骨と考えられていたが、CTスキャンによる再調査で草食恐竜の一種、竜脚類のティタノサウルス類のものと確認された。

 イギリス自然史博物館などの研究チームは、この恐竜は南米から南極を経由してオーストラリアやニュージーランドへ渡った可能性を指摘している。

 この研究成果は『Acta Palaeontologica Polonica』誌(2026年6月29日付)に掲載された。

参考文献:

南極で1985年に採取された謎の骨の化石

 イギリス南極調査所(BAS)の調査隊の一員で地質学者マイク・トムソン氏は、1985年、南極半島の北東にあるジェームズ・ロス島で骨の化石を発見した。

 化石が見つかったサンタ・マルタ層は、約8200万年前の白亜紀後期の海の底にたまった泥や砂が固まってできた地層だ。

 調査隊の本来の目的は、地層の年代を決める手がかりになるアンモナイトなどの無脊椎動物の化石の発掘だった。

 サンタ・マルタ層は海の底にたまった泥や砂が固まってできた地層だ。骨の持ち主は死んだあとに海へ流れ出し、海底に沈んで埋もれ、化石になったとみられている。

 この骨の持ち主は死んだあとに海へ流れ出し、海底に沈んで埋もれ、化石になったとみられている。

 トムソン氏は、予想外の発見となった骨の化石を「大型の爬虫類」のものと記録し、その後BASの収蔵庫にしまわれ、約40年間忘れ去られていた。

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1985年、イギリス南極調査所のマイク・トムソン氏が南極で発見した化石(左)と、調査結果を記載したメモ書き Image credit:British Antarctic Survey

収蔵庫で再発見され、CTスキャンで恐竜の化石と判明

 BASで地質学コレクションを管理する古生物学者マーク・エバンス氏は数年前、収蔵庫の中で偶然この化石を見つけた。

 爬虫類の骨の化石と記録されてはいるものの、違和感を感じたエバンス氏率いる研究チームは、高解像度のCTスキャンを使い、骨の内部構造まで調べた。

 調査の結果、化石は竜脚類(りゅうきゃくるい)の仲間、ティタノサウルス類の尾の骨(尾椎)であることが確認された。

 竜脚類(りゅうきゃくるい)は長い首と長い尾を持つ四足歩行の草食恐竜だ。

 ティタノサウルス類は竜脚類のなかでも、体重15トンを超える史上最大級の巨体をもつ恐竜をふくむグループである。

 ティタノサウルス類は最大級のもので体長37mを超えるが、南極で見つかった個体は体長6〜7mと小さかった。

 まだ成長しきっていない子どもだったか、もともと小柄な種類だった可能性がある。

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CTスキャンにより恐竜の尾椎骨の化石であることが判明 Image credit:British Antarctic Survey

ティタノサウルス類として正式に記載される

 研究チームは今回、正式に化石を竜脚類のティタノサウルス類のものと判断し、学術誌に記載した。 

 だたし化石は尾の骨の一部しか残っていないため、どの種にあたるのかまでは特定できていない

 今回の化石は、南極で最初に採取された恐竜の骨であると同時に、南極から見つかった竜脚類の体化石としては2例目にあたる。

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南極の恐竜の化石は草食恐竜、ティタノサウルス類のものだった Image credit:Andrew McAfee Carnegie Museum of Natural History

竜脚類は南極を通って移動した可能性

 ティタノサウルス類が南極にいたことは、恐竜が南半球の大陸をどう移動したかを考える手がかりになる。

 恐竜が生きていた時代、南半球の大陸は一つにつながり、ゴンドワナと呼ばれる巨大な大陸をつくっていた。

 今の南極は氷におおわれているが、当時は温帯の森が広がり、大型の草食恐竜のえさになる植物も豊富だった。

 南極点に近い位置にありながら暖かかったのは、活発な火山活動によって二酸化炭素が大気に供給されていたためと考えられている。

 ティタノサウルス類の化石は、南米では多く見つかっているが、オーストラリアではまだ見つかっておらず、ニュージーランドでもわずかしかない。

 南極に生息していたことが今回確認されたことで、ティタノサウルス類が南米から、当時陸続きだった南極を通り、オーストラリアやニュージーランドまで移動した可能性が高まった。

 まだ化石が見つかっていない地域も、通り道だった可能性がある。

 論文の筆頭著者でロンドン自然史博物館のポール・バレット博士は、南極にはまだ多くの恐竜が眠っている可能性があり、気候変動で氷が後退すれば、過去の生き物の多様性を示す証拠がさらに見つかるかもしれないと述べている。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

こういった古生物などの研究で、どっかにしまわれたまま再発見されたケースをよく見るけど、大量にあるので忘れがちになっちゃうのかな?それこそAIで一括管理できるようになるといいね。そしたら新発見が続々出てくる可能性ってあるよね。博物館や収蔵庫の中に一度でいいから入ってみたい。

References: doi:10.4202/app.01315.2025

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この記事へのコメント 6件

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  1. カムイサウルスなんかも良く発掘される首長竜の骨だと誤認されて
    収蔵庫にしまってあったのを首長竜の研究者が見つけて
    「これ恐竜やんけ」となって発見に至ったのよな
    古生物学界だと割とあるあるケース

    • +3
  2. 南極も昔は温暖じゃった、、、
    ワシもフサフサじゃった、、、,,彡⌒ミ
    何事も栄枯盛衰じゃのう、、、┐(´д`)┌

    • -5
  3. 南米から南極経由でオーストラリアに移住したのが現在の有袋類
    だから同時代には有袋類のご先祖様と南極で住んでいた可能性も有る

    • 評価
  4. 「未発見の種の大半は博物館にいる」とはよく言ったもので。

    • +2
  5. 学生時代から趣味で化石採集してた。
    採集した化石が結構大量にたまってる、、
    いろいろ整理したいが、、処理に困ってます、、
    一応一通り確認したが、そんな大発見な化石はなさそうだし、、
    名古屋で自然科学の博物マニアという、イベントがあるから
    そこに出せたらよいかなと思ってる。

    • +1
  6. なんだ『巨人の陰嚢』が見つかったのかと…

    • 評価

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