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6900万年前に南極に生息していた水鳥は現代の鳥類の元祖だった可能性

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(著) (編集)

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南極の海で魚を追うヴェガヴィスのイメージ/Mark Witton
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 約6900万年前、恐竜がまだ地球を支配していた白亜紀の終わり、南極には「ヴェガヴィス・イアアイ(Vegavis iaai)」と呼ばれる鳥が生息していた。

 南極で発掘されたそのヴェガヴィスのほぼ完全な頭蓋骨が、鳥類の進化の「ミッシングリンク」を埋める手がかりとなりそうだ。

 このたび発表された研究によると、この鳥は現代の水鳥と共通する特徴を持ち、南極が鳥類の進化の中心地だった可能性を示しているという。

 もしかすると、現代のすべての鳥は南極からやってきたのかもしれない。

ヴェガヴィスは現代の鳥類の祖先に近いのか?

 鳥を専門とする古生物学者たちにとって、2005年に種として記載されてから20年、「ヴェガヴィス・イアアイ(Vegavis iaai)」は物議を醸し続ける存在だった。

 その化石には現代の鳥に似た特徴が見られる。そのため一部の学者は、ヴェガヴィスは現生の鳥の系統の初期の仲間で、おそらくは水鳥のグループに分類されるだろうと推測してきた。

 一方、現代の鳥類の祖先は、恐竜を絶滅させた小惑星の衝突前の時代にはきわめて稀な存在だったため、このヴェガヴィスが今日の鳥につながる系統とは考えにくいという反論もあった。

 こうした議論を決着させるうえで大きな手掛かりになるのは頭蓋骨の部分だ。

 だがこれまで発掘されてきたヴェガヴィスの化石は、どれも頭蓋骨がないか、あっても一部しか確認できないものばかりだった。

 ところが、2011年の南極探検で発掘された化石は、保存状態も良好で、古生物学者待望の完璧な頭蓋骨だったのである。

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3Dモデルで復元されたヴェガヴィスの頭蓋骨。現代の水鳥の特徴が見られる/C. Torres and J. Gronke

南極の鳥は大量絶滅を生き延びた?

 米国オハイオ大学をはじめとする研究チームは、ヴェガヴィスは巨大隕石による大量絶滅を生き延びたのではないかと考えている。

 なぜなら当時の南極は、暖かく植物も豊かだったからだ。他の地域はほとんど住めない状態だったとしても、南極でなら生きて行けたと考えられるのだ。

 だとするなら、ヴェガヴィスの頭蓋骨は大量絶滅前の鳥と現代の鳥とを橋渡ししてくれるかもしれない。

 今回の研究では、その頭蓋骨のCTスキャンから3Dデジタルモデルが作成されている。ここから、脳頭蓋・口蓋・くちばし・下顎・脳の形など、ヴェガヴィスの頭部のさまざまなディテールが明らかになった。

 それによると、ヴェガヴィスには確かに現代の水鳥と同じような特徴があった。

 だが現生のアヒルやガチョウとは異なり、細長く尖ったくちばしと、魚を捕えるための強力な顎の筋肉もあった。こうしたものは、カイツブリやアビのような潜水性の鳥の特徴だ。

 また、くちばしの鼻の部分に発達した塩類腺も見つかっている。これは現代の海生生物などにある、体内の過剰な塩分をろ過して排出するための分泌器官で、ペンギンやカモメといった海鳥の場合は鼻腔の奥にあり、鼻から塩分を排出する。

 さらに足には、水中で泳ぐ獲物を追いかけられるよう推進力を発揮しやすい作りが確認された。こうしたことは、ヴェガヴィスが海のそばで暮らしていただろうことを示している。

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ヴェガヴィスの化石から、海で生きていただろうことが確認されている/Andrew McAfee/Carnegie Museum of Natural History

ヴェガヴィス・イアイは進化の橋渡し役だった可能性

 オハイオ大学の古生物学者パトリック・オコナー氏の説明によれば、マダガスカルやアルゼンチンで発見された大量絶滅前の鳥は、現代の鳥とはかなり違う、異質な存在なのだという。

マダガスカルやアルゼンチンのような、白亜紀後期の鳥の化石がかなり残っている場所では、歯や長い骨の尾を持つ、奇妙な絶滅種の存在が明らかになっています。ですが、これらと現代の鳥の関係は遠く離れています(オコナー氏)

 ところが南極で生きたヴェガヴィスは、現代の鳥との近しい関係がうかがえる。それが意味するのは、現生のすべての鳥の故郷は南極ということなのだろうか?

南半球の僻地、とりわけ南極では、なにやらまるで違うことが起きていたようです(オコナー氏)

 この研究は『Nature』(2025年2月5日付)に掲載された。

References: Cretaceous fossil from Antarctica reveals ear | EurekAlert! / This 69-Million-Year-Old Duck-like Skull Reveals How Modern Birds Survived the Dinosaurs

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この記事へのコメント 6件

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  1. すでにかなり特殊化しているということはこれ以外にも色々いたんだろうな この鳥もペンギンの先祖かも。

    • +6
  2. ダチョウの祖先は7000万年以上前に既にアフリカに居たそうだから
    少なくとも全ての鳥が南極から、ということは無いと思う。

    でも確かに南極辺りは隕石衝突の影響が少なかったとされてるから
    かなり多くの生物の祖先が南極を経由してるかも。

    • +6
  3. 氷漬けの凄いのとかフリーズドライになってるとかが残ってないかな~

    • +2
  4. そうしたら、カモってすごくない?
    飛べるし泳げるし浮かぶし長距離を渡るし
    ハトみたいにしつこくないし、気が強い。

    • +1

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