
およそ7100万年前、うたた寝をするために丸くなり、そのまま命を落とした恐竜がいた。『PLOS ONE』(2023年11月15日付)に掲載された研究によれば、その寝姿は現代の鳥にそっくりであるそうだ。
モンゴル、ゴビ砂漠にあるネメグト盆地で発掘されたこの新種の恐竜は「Jaculinykus yaruui(ヤキュリニクス・ヤルウイ)」と名付けられた。
北海道大学をはじめとするチームによれば、その寝姿は、原鳥類のような鳥に近い恐竜が登場するずっと以前に、鳥的な行動が既に出現していたことを示す決定的な証拠であるそうだ。
7100万年前の眠ったままの姿で発見された新種の恐竜
モンゴル、ゴビ砂漠北西にあるネメグト盆地は、地元では「竜の谷」とも呼ばれる化石の名所だ。白亜紀後期に生息していたとされる「Jaculinykus yaruui(ヤキュリニクス・ヤルウイ)」は、そこにあるバルンゴヨット層で発掘された。
学名は、ギリシャ神話に登場する怪蛇「ヤクルス(Jaculus)」、鉤爪を意味する「onykus」、モンゴル語で素早いを意味する「yaruu」にちなむ。
その名が示すように、この恐竜は大昔の地上でチョコマカと走り回っていたのかもしれない。そして走り疲れたら、現代の鳥のような姿勢になり眠りについた。
ヤキュリニクス・ヤルウイは、アルヴァレサウルス科ヤキュリニクス属に分類される獣脚類だ。
この属は、かつては最古の飛べない鳥とされたこともあったが、現在では鳥ではなく、その近縁であるマニラプトル類(手盗類)の恐竜だとされている。

現代の鳥との共通点
その特徴は長い腕と、物をつかむのにぴったりな3本指の手だ。こうした特徴は鳥類と共通しており、鳥の場合、それは飛ぶ動作を可能にしたかもしれないものだ。
今回の研究では、それらにくわえて寝相も現代の鳥と共通していた可能性を明らかにしている。
ヤキュリニクスの化石は、首と尾を弓形にし、後足を骨盤の下に折りたたんで眠っていた。それは典型的な鳥の寝姿だ。
より具体的には、後足を体の左右で折りたたみ、左前足は肘のところで曲げて体の横に折られる。首は体の右側で後ろに湾曲し、尾は体の左側で、曲げられた後足のあたりで右に巻かれている。

References:journals.plos.org / New Dinosaur Species Snoozing For 71 Million Years Suggests They Slept Like Birds | IFLScience / Bird-Like Dinosaurs Slept Like Modern Birds, New Fossil Reveals | Sci.News / written by hiroching / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
北海道大学だからそうだろうと思ったけれど、やはり小林教授の研究室からなのね。
2.
3. 匿名処理班
極論、恐竜も鳥の仲間だしね
4. 匿名処理班
まさか冬眠に失敗したとかではないだろうし、火山ガスにやられたとか?
5. 匿名処理班
>>3
厳密に言うと鳥が恐竜の一種。分類学的には爬虫類を単系統群とすると、鳥類は爬虫類に含まれる獣脚類に属する。
6. 匿名処理班
>>ヤキュリニクス・ヤルウイは、アルヴァレサウルス科ヤキュリニクス属に分類される獣脚類だ。
>>この属は、かつては最古の飛べない鳥とされたこともあったが、現在では鳥ではなく、その近縁であるマニラプトル類(手盗類)の恐竜だとされている。
>>現代の鳥との共通点
>>その特徴は長い腕と、物をつかむのにぴったりな3本指の手だ。こうした特徴は鳥類と共通しており、鳥の場合、それは飛ぶ動作を可能にしたかもしれないものだ。
この部分は間違っているところと書き方に問題があるところがある。
まず、かつて飛べない鳥だとされていたのはずっと以前に発見されていたアルヴァレスサウルス科の他の属の恐竜であり、ヤキュリニクスはアルヴァレスサウルス科が鳥ではないとされて以降に発見されている。
7. 匿名処理班
>>6(?)の続き
「長い腕と、物をつかむのにぴったりな3本指の手」というのは、マニラプトル類の全般的な特徴で、ヤキュリニクスも含めアルヴァレスサウルス科自体はむしろ腕が極短くなっていることと機能する指が1本のみ(他に痕跡的な指が1・2本あるものとそれすら無く完全に指が1本しかないものがいる)であることをその特徴とする。これはこの記事にも載っている骨格図や復元側面図からも見て取れることと思う。
この記事の書き方だと「長い腕と、物をつかむのにぴったりな3本指の手」がマニラプトル類の全般的な特徴でアルヴァレスサウルス科には当てはまらないことがわかりにくい。「長い腕と、物をつかむのにぴったりな3本指の手」を持ち、さらにこのような姿勢の化石が発見されているマニラプトル類は既に知られている(トロオドン科)おり、トロオドン科よりも鳥類から遠いアルヴァレスサウルス科でこの姿勢の化石が見付かったというのがこの発見で重要な点(この姿勢が今までの想定より古くからとられていたか、収斂進化として複数の系統で現れるものであったのかを示す)なので、なおのこときちんと区別されるべきなのだ。
8. 匿名処理班
寝てる状態で化石になるかねぇ
卵の中で生まれないまま化石化したとかで新種みたいな状態になってるだけのような
そもそもこれくらい昔だと真実なんて分からんしな
9. 匿名処理班
>>8 そのとおり、わからない、わからないんだけど寝てるイラストのあまりのかわいらしさに身もだえがとまらないわ。
10. 匿名処理班
ティラノとかステゴサウルスみたいなのが鳥になったわけじゃなくて
元から鳥に近い生態とサイズ感のやつらが鳥になっていったって話だしね。
11.
12. 7cg3
>>1
ダイナソー小林vsバード川上
13. 匿名処理班
>>8
一般的にはヒトの頭骨が有名だが、部位によって成長とともに複数が癒合していく骨があり、
その状態からこの個体は死んだときには成長し切ったかそれに近い成長段階であったとわかっている。
14. 匿名処理班
>>8
化石を切った断面を調べると成長線(成長痕)が残っていることもあるので、そこから恐竜の年齢を推測可能です。