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米国立公園のクマが殺処分。原因は人間の無責任な行動にあると公園側が強く指摘

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(著) (編集)

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iimage credit: Facebook @Grand Teton National Park
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 2026年9月、アメリカ・ワイオミング州のグランドティトン国立公園で、1頭のアメリカグマが殺処分された。

 クマが人を襲ったからではない。人間の食べ物を繰り返し手に入れ、人に近づけば食べ物が得られることを覚えてしまったためだ。

 公園側は、このクマが死ぬことになった原因は「来園者の誤った判断」にあったと、異例ともいえるほど強い言葉ではっきりと指摘している。

 みだりに野生動物に近づいて写真を撮ったり、森に食べ物を放置したりする無責任な行動が、最終的に1頭のクマの命を奪う結果につながったのだ。

デルタ湖で人に近づくようになったアメリカグマ

 今回の問題が起きたのは、グランドティトン国立公園の山中にあるデルタ湖周辺の森林地帯だ。

 公園当局には2026年に入ってから、この付近で1頭のアメリカグマが来園者に近づいてくるという報告が、複数寄せらるようになっていた。

 ただし当初は、同じクマが人間の食べ物を求めて繰り返し近づいてくるのか、それともそれぞれ個別の事案なのかを判断するには情報が足りなかった。

 ところが9月7日ごろから状況が悪化した。同じクマが人間の食べ物を複数回手に入れたことで味を占め、繰り返し人間に近づくようになったのだ。

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iimage credit: Facebook @Grand Teton National Park

 いくら追い払おうとしても人間のそばを離れようとしないため、公園当局はこのクマに対する監視を強化することに。

 最終的に公園当局は、このクマは人間の食べ物を繰り返し得たことで、「人に近づけば食べ物が手に入る」と学習し始めていると判断した。

 これは来園者の安全を確保する上で、許容できない危険が生じたことになる。公園側は、このクマに起きていた変化について次のように説明している。

このクマは人間の食べ物を繰り返し手に入れ、人との距離もますます近くなり、人間の食べ物を求める行動も強まっていました。

公園管理者は、これが許容できない安全上のリスクを生み出していると判断しました

9月11日、クマの殺処分を実施

 2026年9月11日、野生動物管理スタッフがクマに近づき、麻酔銃で動きを止めた後、その場で安楽死させた。

 デルタ湖は道路から離れた奥地にあるため、クマの死骸は翌朝ヘリコプターで搬出されたという。

 9月15日、公園は公式Facebookで一連の経緯を公表した。そして今回の結末について、かなり強い言葉で来園者の責任を指摘した。

はっきりさせておきます。このクマが殺処分されたのは、公園を訪れた人々の誤った判断が原因です

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iimage credit: Facebook @Grand Teton National Park

スマホを手に取る時間があるなら、食べ物を隠す時間もある

 公園側が特に問題視しているのが、クマが現れたときの来園者の行動だ。

 クマが近づいてきた場合は、食べ物をはじめ自分の荷物をすべて持って、その場から離れる必要がある。

 ところが、今回公開された写真には、クマのすぐそばまで近づく来園者の姿が記録されていた。そこで公園側は、非常にわかりやすい言葉で注意を促している。

クマを野生のままに保つことは、私たち全員の責任です。たとえほんの一瞬でも、食べ物を放置しないでください。

クマが近づいてきたら、自分の持ち物、特に食べ物をすべて持ってその場を離れてください。

スマートフォンを手に取る時間があるなら、食べ物を手に取る時間もあるはずです

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iimage credit: Facebook @Grand Teton National Park

 グランドティトン国立公園では、来園者に対し、食べ物やゴミなど、クマを引き寄せるものを適切に管理するよう求めている。

 食事中にクマが近づいてきた場合、すぐに食べ物を片付けてその場から離れること。クマの気をそらすために、食べ物やリュックを投げつけてはいけない。

 人間の食べ物を手に入れたクマは、人に近づけば食べ物が得られると学習し、その行動を繰り返すようになることがあるからだ。

 公園側も今回の声明で、その危険性についてこう説明している。

人間の食べ物を手に入れたクマは、人に近づけば得をすると学習することがあります。

場では些細な判断に思えることでも、クマやほかの来園者、公園職員に深刻な結果をもたらす可能性があります。

毎回正しい行動を選び、クマを野生のまま守ることに力を貸してください

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iimage credit: Facebook @Grand Teton National Park

なぜ別の場所へ移さなかったのか?

 公園当局には、安易に殺処分するのではなく、クマを別の場所へ移すことはできなかったのか?という疑問も寄せられた。

 そこで公園側は翌9月16日、元の投稿に説明を追加した。

 クマの移送は野生動物管理における重要な手段の1つだが、必ずしも安全で効果的な方法とは限らないという。

 クマは自分の行動圏と強く結びついて生活しているうえ、十分な自然の食べ物があり、人間の活動が少なく、さらに別のクマが暮らせる余地のある場所を探す必要がある。

 だが、「グレーター・イエローストーン生態系(GYE)」では、こうした条件を満たす場所を見つけることがますます難しくなっているという。

 GYEとは、イエローストーン国立公園を中心に、グランドティトン国立公園を含むワイオミング、モンタナ、アイダホの3州にまたがる広大なエリアのことである。

今回、野生動物管理担当者は、このクマの行動と周囲の状況を検討した結果、ほかの選択肢はすでに尽くされており、このクマが人間の安全に明らかな危険をもたらしていると判断しました。殺処分は常に最後の手段です

 さらに公園側は、クマの存在を把握するとすぐに対応し、その後も状況を監視していたことを明らかにした。

 野生動物に近づいたり、食料の保管規則に違反したりした複数の来園者には、違反切符も交付されていた。

 しかし、そのころにはクマはすでに人間の食べ物を覚え、以前より大胆に人へ近づくようになっていたため、取れる対応は限られていたという。

人に近づいてくるクマを見かけた場合は、公園職員に知らせてください。クマが人間の食べ物を覚えてしまう前に、私たちが予防的な対策を取れるよう、ご協力をお願いします

過去にも同じ公園でアメリカグマを殺処分

 こうした事態は今回が初めてではない。同じグランドティトン国立公園では2020年にも、人間の食べ物を求めるようになったアメリカグマが殺処分されている。

 このクマはジェニー湖やストリング湖周辺のキャンプ場やピクニックエリアを頻繁に訪れ、人や車にも近づくようになっていた。

 同年7月22日には、子供連れの家族が利用していたキャンプサイトに入り、テーブルに置かれていた食べ物を食べ、翌23日に殺処分された。

 当時も公園側は、クマが人間への警戒心を失い、人間の食べ物を求めるようになっていたことを理由に挙げている。

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グランドティトン国立公園 Vulturesong, CC0, via Wikimedia Commons

 GYEにはアメリカグマのほか、グリズリー(ハイイログマ)も生息していて、クマを目撃した場合は最寄りのレンジャーやビジターセンターに知らせるよう以前から来園者に呼びかけている。

 私も以前このエリアで、グリズリーと近距離でバッタリ遭遇したことがあって、固まっているうちに向こうが立ち去ってくれて事なきを得た。

 もちろん、その足でビジターセンターに行って報告したのだが、場所や時間、クマとの距離、種類なんかを聞かれたと思う。

 こうして寄せられた目撃場所や日時、クマの行動などの情報は、公園側がクマの動きを把握し、人とのトラブルを防ぐための管理にも役立てられているそうだ。

日本でもクマへの接近や餌付けが問題に

 クマと人間の間の距離を維持することは、アメリカだけの問題ではない。日本に生息するヒグマやツキノワグマにも、同様の問題が起こっている。

 北海道の知床国立公園では、観光客によるヒグマへの餌付けや残飯などのゴミの放置、撮影目的での接近が問題となっているという。

 環境省は、一度人間の食べ物の味を覚えたヒグマは人や家屋、車に近づくようになり、安全対策のために駆除されることもあると注意を呼びかけている。

 これは本州や四国に生息するツキノワグマも同じだ。人間の食べ物が簡単に得られるようになると、それを求めて人の生活圏に近づくようになることがある。

 大切なのは、「人間に近づけば食べ物が手に入る」とクマに覚えさせないこと。それは人間の安全を守るだけでなく、クマの命を守ることにもつながっている。

 お互いに不幸な結果を招かないように、人間の側も気を付けるべき点は徹底し守り、野生動物との適切な距離を保っていきたいものである。

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この記事へのコメント 14件

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  1. いろんなパターンがあるなあ
    この件だと人襲われても放置でよかった気もする
    アーバンベアでもなさそうだし

    • -8
  2. 観光客ほど無責任な輩はいないという真実
    いや、どこの国でも同じなんだけどね…

    • +37
  3. 人間の食べ物の味を覚えてしまったらそれ求めて降りてくるしな。(麻酔銃についてだが免許が2種類いる、射程は最大で10M、当たっても適量で15分~1時間掛かる+興奮状態になるので状況が悪化する可能性がある、山に返してもトラックが入れる山レベルなので簡単に降りてこれる。)

    • +8
  4. 日本でも度々問題視されるやつだね
    熊を殺処分することによって起きる問題と、人間の犠牲者が出た時に起きる問題を比較すればこういう対応をするしかない

    • +12
  5. 言いたいことはわかるし筋も通ってると思う
    けど実際目の前に熊が来て冷静になって貴重品でも何でもない食べ物を持って逃げられるかというとまた別だからね…
    冷静だったとしても食べ物のせいで追いかけられる可能性を考えたらとてもじゃないけど持っては逃げられないかなぁ
    もちろん餌付けや残飯の放置なんて人間として最初から論外です
    最初からその手の場所に人間が入らないのが一番なんだけどねぇ

    • +19
  6. 食べ物あげたがる人って本質的に相手を見下してるよなと思う
    互いの世界を尊重する気がない

    • +10
    1. 鹿せんべいもほんとは良くないね

      • +2
  7. 家に来る野良猫ですら餌はやらないのに、森林で生きてる熊に
    餌をあげたらどんな結果になるのか子供でも分かる
    動物園の熊ですら入場者があげていけないのに、、わざわざ
    与える奴らは熊コロシの一人であり、二度と国立公園に来るな

    • +22
    1. 家に来る野良猫に餌はやらないなんてひどすぎね?

      なぜ飼ってやらないんですか?

      • -10
  8. 野性は野性のままでいるからこそ美しく尊い。
    物珍しさで安易に人が関わっていい存在ではない。

    • +7
  9. 次は人間が喰われる流れになるからな

    • +5
  10. 観光客はその場の楽しい餌やりで済むかもしれないけど、
    結局困るのは地元の人。

    • +2
  11. 外人観光客のせいで奈良の鹿が凶暴になったのと同じ事だな
    質の悪い人間が動物と関わると悪影響が出るって事

    • 評価

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