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太陽は若い頃にスーパーアースを飲み込み、今も内部に痕跡を残しているかもしれない

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Illustration: NASA, ESA, CSA, Ralf Crawford (STScI)
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 地球の命を育んできた太陽は、約46億年前に誕生して間もない頃、地球の約5〜10倍の質量を持つスーパーアース(巨大地球型惑星)と呼ばれる岩石惑星を飲み込んでいたのかもしれない。

 トルコのエーゲ大学の天文学者が太陽の誕生から現在までの変化を計算したところ、飲み込まれた惑星の成分が、痕跡として今も太陽の内部に残っている可能性があるという。

 この研究成果は『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』誌(2026年9月10日付)に掲載された。

参考文献:

太陽系にスーパーアースがない理由

 広い宇宙を見渡すと、他の恒星の周辺にはスーパーアースと呼ばれる惑星がごく当たり前のように存在している。

 スーパーアースは、巨大地球型惑星とも呼ばれており、地球の数倍から10倍程度の質量を持ち、岩石などでできた巨大な惑星を指す。

 しかし太陽系には、スーパーアースが1つも存在しないのだ。

 太陽系の岩石惑星の中では地球が最も重く、地球の次に重い惑星は、地球の約15倍の質量を持ち、氷とガスでできた天王星になる。

 天文学者たちは長い間、他の恒星の周辺に多いスーパーアースが、なぜ太陽系には存在しないのかと疑問を抱いてきた。

 トルコのエーゲ大学のムトル・ユルドゥズ教授は、太陽系にもかつてスーパーアースが存在していたが、約46億年前、誕生して間もない太陽に飲み込まれてしまったのではないかと仮説を立てた。

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太陽系 Image credit:NASA/JPL

恒星進化論では説明できない太陽内部の謎

 現在の太陽には、標準的な恒星進化論は説明できない特徴がある。

 恒星進化論とは、恒星が誕生してから最期までの内部構造の変化を、物理法則に基づいて計算する理論モデルを指す。

 ひとつは、太陽内部の対流層の深さと、そのすぐ下で音が伝わる速さが、これまでの予測と実際の観測結果で食い違っていることだ。

 対流層とは、下からの熱でガスが上昇し、冷えると沈み込むという対流によってエネルギーを外へ運ぶ場所を指す。

 もうひとつは、太陽表面におけるリチウムの極端な不足である。

 リチウムは宇宙の初期から存在する軽い元素だが、太陽の表面では、太陽系が誕生した頃の100分の1以下にまで減っている。

 ユルドゥズ教授は、対流層とリチウムという一見バラバラに見える2つの問題が、太陽が誕生したばかりのころの化学的な歴史に共通の起源を持っているのではないかと考えた。

地球の数倍の惑星を飲み込んだ化学的痕跡

 誕生して間もない若い星の周りには、原始惑星系円盤と呼ばれるガスと塵(ちり)でできた巨大で平らな雲が広がっている。

 惑星は原始惑星系円盤の中で形成されるが、岩石などに含まれる重い元素を多く含むため、円盤内のガスとは化学的に異なる物質でできている。

 ユルドゥズ教授は高度なコンピュータープログラムを使用し、太陽が過去に惑星を飲み込んださまざまなパターンをシミュレーションした。

 その結果、地球の5倍から10倍の質量を持つスーパーアースを飲み込んだというシナリオが、現在の太陽の特徴に最も適合した。

 水星の軌道より内側で形成された巨大な岩石惑星が太陽へと引き寄せられて落下し、物質が太陽の深部にまで到達して永続的な化学的痕跡を残したというのだ。

 スーパーアースの飲み込みを計算に入れると、対流層の深さや音が伝わる速さの食い違いから、異常に少ないリチウムの量まで、太陽が抱えていた2つの謎を同時に説明することができるという。

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太陽観測衛星(SDO)が観測した太陽 Image credit:NASA/SDO

太陽が惑星を飲み込んだ証拠を裏付けるために

 水星の内側でスーパーアースが形成され、太陽に向かって移動した可能性は2016年の研究で指摘されていた。

 今回の研究はさらに一歩踏み込み、太陽が惑星を飲み込んだ証拠を今も内部に隠し持っている可能性を示した。

 飲み込まれた惑星は太陽の外層を通過しても質量をほとんど失わず、姿を消した後も長く太陽の内部に検出可能な「指紋」を残すと考えられている。

 ユルドゥズ教授は、太陽が惑星を飲み込んだことを決定的に証明することは難しいかもしれないとしながらも、次のステップは、太陽内部に残る指紋を別の観測で検出できるかどうかを確認することだと語っている。

 今後、日震学(太陽表面の振動を観測して内部を調べる研究)などの精密な観測によって、予測された構造的・化学的な特徴が特定されれば、太陽が数十億年前に巨大な惑星を飲み込んだことの強い証拠になるという。

References: DOI.10.1093/mnras/stag1527

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この記事へのコメント 7件

コメントを書く

  1. スーパーアース。人類の故郷

    • 評価
  2. 内部に岩石層があるかどうか、太陽の全面を伝わる音波をくまなく捜査したら分かるかもしれませんね。
    地球の地震波を観測するように、内部の界面や比重が可視化されるのではないかと思います。

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  3. そう言えば、太陽の自転軸が1度ほど傾いているけど理由がわからない、とか言う話を聞いた事が有るな。
    太陽の自転軸を傾けるほどの衝突は凄い事になると言う話だけど、あるいはそのスーパーアースの
    衝突が原因なのか、とか考えてみた。

    • 評価
  4.  うーん、太陽系の 99% が太陽に集中しているから現在残っている惑星以外はみんな太陽に飲み込まれたと考えるのが自然だから、スーパーアースであるかはともかくそれ相当の物質は太陽に落ちて行ったのだろうなとは思います。 太陽に落ちて行ってない分はそれぞれの惑星が自分のところに引き寄せてしまってるでしょうし。 スーパーアースになる前(小惑星や岩石状態のスーパーアース分の質量)に太陽に飲み込まれてないかな。 確認する方法があるようだから今後の研究に期待してます

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  5. いやもっとたくさん飲み込んでいるはず
    月サイズでも10個以上は、ちいさなものはきりがない
    地球とぶつかり月になったティア、系を飛び出した土星サイズの惑星、これらの騒動でかなり太陽に飲まれたのがあったはず
    全て溶解され原子核状態だろう

    • +1
  6. 太陽から地球ができたのかもしれない

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  7. 太陽のヤツ、ワルそうな顔してんなぁ

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