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我々の体を作る元素は星の爆発から作られる。最新研究が解き明かした宇宙の錬金術

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Image credit:X-ray, Chandra: NASA/CXC/SAO; Infrared, Webb: NASA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/J. Major
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 我々の体や地球を構成する元素は、宇宙で星が爆発することによって作られている。

 イギリスのサリー大学が率いる研究チームは、この謎に迫る2つの最新論文を発表した。

 1つは寿命を終えた重い星が起こす超新星爆発、もう1つは中性子星の表面で繰り返し起こる熱核爆発についてである。

 超新星爆発による放射性元素「チタン44」の生成予測量が最大35%増加することや、中性子星表面の熱核爆発における特定の反応経路が新たに明らかになった。

 星の爆発がどのように元素を作りばらまくのか、その仕組みが解明されつつある。

 この研究成果は『Physical Review Letters』誌(2026年6月23日付および7月6日付)に掲載された。

参考文献:

生命の体を構成する元素と2種類の爆発の関係

 私たちの体や地球、そして身の回りにあるほぼすべてのものを構成する元素は、星々の営みによって生み出されている。

 大質量の恒星や近接連星系の白色矮星が寿命を迎えると大規模な「超新星爆発」が起き、新たな元素が作られ、宇宙空間にばらまかれるのだ。

 天文学者たちは何世紀にもわたって超新星爆発を観測してきたが、その詳細な仕組みはまだ完全には解明されていない。

 元素を作るのは超新星爆発だけではない。

 星が死んだ後に残る中性子星の表面でも、隣の星から奪ったガスが燃え上がる「熱核爆発」が繰り返し起きており、そこでも重い元素が作られている。

 イギリスのサリー大学が率いる研究チームは、この2種類の爆発がどのように元素を作り出し、宇宙全体に広げているのかについて、2つの新たな研究論文を発表した。

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有名な超新星残骸IC 443 Image credit:NASA Goddard Space Flight Center and M. Michailidis et al. 2026; radio, MWISP and ESA/Planck; infrared: NASA/WISE/JPL-Caltech/UCLA; optical: DSS; ultraviolet: NASA/Swift; X-ray: SRG/eROSITA; gamma ray: NASA/DOE/Fermi LAT Collaboration

超新星爆発におけるチタン44の生成予測

 1つ目の論文は、寿命を迎えた大質量の恒星が起こす超新星爆発に焦点を当てている。

 研究チームは、超新星爆発によって生成される「チタン44」という放射性元素に着目した。

 チタン44は半減期が約60年と長く、ガンマ線を出し続けるため、爆発から時間がたった後でも宇宙望遠鏡がその光を捉えることができる。

 爆発のメカニズムを知るための重要な手がかりとなるのだ。

 研究チームはアメリカ・イリノイ州のアルゴンヌ国立研究所で、チタン44の生成量を左右する核反応を初めて実験で調べた。

 その結果、この反応が予想よりずっとゆっくり進むことがわかった。

 反応はチタン44を壊す側に働くため、進みが遅ければその分チタン44は壊されずに残る。

 測定値をもとに計算し直したところ、超新星爆発のコンピューターモデルにおけるチタン44の生成予測量は、従来考えられていたよりも最大35%増加した。

超新星爆発のアニメーション

中性子星の表面で起こる巨大な熱核爆発

 2つ目の論文は、中性子星の表面で発生する「I型X線バースト」と呼ばれる熱核爆発について調査している。

 中性子星とは、重い星が爆発した後に残る超高密度の星の残骸である。

 直径わずか20kmほどの大きさに、太陽の1倍から2倍の質量が詰め込まれている。

 この中性子星が隣り合う別の星からガスなどの物質を強烈な重力で奪い取り、その物質が表面に衝突すると巨大な熱核爆発が引き起こされる。

 この爆発によって重い元素が作られ、一部は強烈なX線として宇宙空間に放出される。

中性子星で発生するX線バースト

物質が一時的に留まるサイクルの正体

 研究チームはアメリカ・ミシガン州立大学の希少同位体ビーム施設(FRIB)で、このX線バーストを引き起こす核反応をこれまで以上に精密に測定した。

 星の爆発中には、物質が重い元素へと変化していく途中で一時的に反応経路に留まる「ニッケル・銅サイクル(Nickel-copper cycle)」と呼ばれる現象が存在する。

 これまではX線バーストの間に物質がこのサイクルに閉じ込められるかどうか確証がなかった。

 今回の精密な研究により、実際に物質がニッケル・銅サイクルに留まること、ただしその割合はごくわずかであることが示された。

 サリー大学のギャビン・ローティ教授は、今回の研究成果によって化学元素がどのように作られ宇宙に広がるのかという理解に大きく近づいたと語っている。

References: Journals.aps.org / Journals.aps.org

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