この画像を大きなサイズで見るタスマニアタイガーの名で知られるフクロオオカミは、「羊を襲う獰猛な捕食者」ではなかったことが最新の研究で判明した。
オーストラリアのフリンダース大学などの研究チームによる頭骨分析で、彼らの顎はワニのように素早く噛みついて小動物を捕らえることに特化しており、羊のような大型動物を押さえ込むのには向いていなかったことが明らかになった。
人間の勝手な思い込みと濡れ衣による乱獲が、タスマニアタイガーを絶滅に追いやったのである。
この研究成果は『Nature Communications』誌(2026年8月31日付)に掲載された。
参考文献:
- Not tiger, not wolf: Australian thylacine skull reveals far different hunting style | EurekAlert!
羊殺しは人間の勘違いだった。最新研究で覆る定説
フクロオオカミは、かつてオーストラリアに生息していた肉食の有袋類だ。
背中にトラのような縞模様を持つことから「タスマニアタイガー」とも呼ばれている。
ヨーロッパからの入植者によって「羊を襲う獰猛な捕食者」というレッテルを貼られ、乱獲によって絶滅に追い込まれた。
だが、その定説が人間の勝手な思い込みであったことが、最新研究で明らかになった。
オーストラリアのフリンダース大学とメルボルン大学の研究チームが、博物館に残るフクロオオカミの頭骨を詳細に分析したところ、フクロオオカミが狩っていたのは小さな獲物だった可能性が高いことが判明したのだ。
この画像を大きなサイズで見る巨大な頭骨とワニに似た素早く噛みつく顎
研究チームにとって最大の発見は、フクロオオカミの顎の形状だった。
顎は長く深いが、羊のような大型の家畜を押さえつけるのにはまったく適していなかった。
その代わり、はるかに小さな動物に対して、強力な噛みつきを食らわせるのに効果的な構造をしていた。
平均的なフクロオオカミの体重はオオカミの半分ほどしかないが、頭骨そのものはハイイロオオカミとほぼ同じ大きさだった。
しかし、鼻面は細長く繊細で、キツネやジャッカルによく似ている。
フリンダース大学のヴェラ・ワイスベッカー教授によると、顎が長いほど噛むときの先端の動きが速くなり、獲物に与える衝撃が増すという。
巨大な頭骨は、この強烈な噛む力に耐えるためのものだったと研究チームは考えている。
大きな頭と素早く噛みつく顎という組み合わせは、現生の肉食哺乳類には見られない。
その一方で、素早い魚を狙うワニや肉食魚には、よく見られる特徴である。
この画像を大きなサイズで見るオオカミに似ているのは見た目だけの有袋類
オーストラリアに入植したヨーロッパ人たちは、フクロオオカミの姿を故郷のオオカミやキツネと重ね合わせた。
その外見から、「犬の頭」を意味する「cynocephalus(キノケファルス)」という種小名が与えられた。
しかし実際には、フクロオオカミは犬やオオカミの仲間ではなく、コアラやカンガルーに近い有袋類である。
お腹の袋で未熟な赤ちゃんを育てる動物だ。
その頭骨は、現生のどの肉食哺乳類とも一致しない、独自の特徴の組み合わせを持っていた。
かつてオーストラリア本土にいた頃は、自分の何倍もの大きさの獲物を仕留められるティラコレオ(フクロライオン)という別の肉食有袋類が存在していた。
そのため、フクロオオカミは大型の獲物をフクロライオンに任せ、自分たちは小型の獲物を狙うように棲み分けをしていたと考えられる。
やがてフクロオオカミは本土から姿を消し、タスマニア島だけに残された。
島では、ウサギほどの大きさのバンディクートやポッサム、ワラビーといった豊富にいる小動物を素早く狩るのに特化していたのだ。
この画像を大きなサイズで見る濡れ衣が招いた取り返しのつかない悲劇
ヨーロッパ人がオーストラリアに到達したとき、フクロオオカミはすでにタスマニア島にのみ生息する希少な動物だった。
だが入植者たちは「大切な羊を殺す害獣」と一方的に決めつけた。
1830年には農場主たちが資金を出し合って賞金をかけ、1888年にはタスマニア政府も公式の賞金制度を始めた。
制度は1909年まで続き、2,000件を超える賞金が支払われた。
ワイスベッカー教授は、たとえフクロオオカミの数が多かったとしても、大人の羊を狩るのには不向きだったと指摘している。
親のいない子羊には脅威だったかもしれないが、言われていたほどの大きな被害を出す能力はそもそもなかったのだ。
フクロオオカミの価値が認められ、保護の動きが出た頃には、すでに手遅れだった。
そして1936年、タスマニア、ホバート動物園動物園で飼育されていた最後の1頭、ベンジャミンが死に、フクロオオカミはこの世から完全に姿を消した。
ワイスベッカー教授は、こう締めくくっている。
フクロオオカミは、家畜を襲う獰猛な捕食者だという俗説のせいで狩られました。その証拠はほとんどなかったのにです。
この絶滅は、オーストラリア固有の野生生物と、その土地の先住民の管理者たちに対する無理解と敬意の欠如の物語です。
人間の勝手な思い込みと濡れ衣が、ひとつの種を永遠に奪ってしまった。現在、フクロオオカミを復活させる取り組みが行われているが、完全に同じ状態で復活させることは難しいかもしれない。
References: DOI.10.1038/s41467-026-76614-0
















さらに補強するには当時の「狩られた羊の数」でしょうかね。 統計に表れないくらい少ないとかなら、見た目による予断というか先入観での濡れ衣となるでしょう。 人間は魔女狩りとか含めて科学的見地にもとづかないで行動することも多く残念な結果を数多く作ってきました。 これからはそういうことがなるべく少なくなるよう行動したいです
人類って滅ぼす能力だけが生物界一
いくら凶暴な熊でも生物種を滅ぼそうなんて考えてない
タスマニアのアボリジニのこととかは調べちゃいけないぞ。絶対だぞ。
自然の生き物は他を滅ぼさないんじゃ無くて、食う食われると繁殖力の兼ね合いで滅んでない者だけが我々の生きてる時代まで残ってるってだけだよ。
熊が滅ぼした生き物もいたかもしれないし、ウサギが食い尽くした植物があるかもしれない。
大木が日陰で滅ぼした植物がいるかもしれないし、単一の雑草がはびこり過ぎて壊れた環境もあるかもしれない。
自然界はずっと殺し合いしてる所だよ。
人は善悪で決めるから本当にたちが悪いな
「神が定めた使命による先住民達の教化」とか、もう理屈だけで胸糞悪い
見た目は不運をおびき寄せるからなあ。
羊がいなくなったこととオオカミに似ていること。
二つの凶運が重なってしまった。
それも自然淘汰なのだろうか。
いいえ、“力ある無知な生物”であった当時の人間による人為淘汰です。
生物研究も情報伝達手段も未発達な時代であったことを鑑みれば、致し方ない面もあるでしょうが。
今後、人間がこうした過ちを繰り返さないためには地球上のみならず宇宙関連でも膨大な分野の研究に注力しなければならないと思うと、気が遠くなりそうです。
あんま鵜呑みにしても危険だな
人間ってほんとに馬鹿だよな
見た目が怖そうだとね…
保護の動きが出た頃には、すでに手遅れだったのだし悔やんでも仕方がない 忘れることだ
忘れたら同じ過ちを繰り返してしまうだろうに
しっかり反省して記憶せんと
小さなタスマニアデビルが強力な顎を持っているのとは対照的。フクロオオカミはキツネ、タスマニアデビルはタヌキサイズのハイエナという感じか。
動物に相手に限らず、今も昔も西洋人は自分たちの主観で独善を押し付けて相容れない他者を滅ぼそうとする。進歩のない人たちだよ。
なんで西洋人だけだと思った?
日本オオカミを絶滅させたのはだれか知っていますか?
種を絶滅させたことだけを問題にしていないが?
* 日本人は積極的にニホンオオカミを絶滅させようとしたか? → NO
* 日本人は主観による思い込みで種を絶滅させえようとしたか → NO
この違いが判らないんですかね?
人間って最低だな…
人間は数多くの生物を絶滅させてるのに他の生き物に対してすぐに害虫だの、害獣だと言うからね。人が利用するために連れてきて増えたら侵略的外来種扱い。勝手すぎるよ
羊への被害が無いのに勝手に思い込んで絶滅に追いやったって事?
被害無いのにそこまで必死にやるのか?
羊への被害は出ていたんだが、その原因は「人間が持ち込んだ犬が野生化して、羊を襲った」ことだったそうな
入植させたイギリスの会社は保険に入っていたが、自分たちの持ち込んだ犬が原因だと保険が下りないので「現地に想定外の猛獣がいた」という話にしてしまった
この動画で解りやすく解説してる
↓
ttps://www.youtube.com/watch?v=9A874nXIBCk
実際には被害がほとんどないのに
先入観と思い込みだけで大きな被害が出ていると信じ込んで
排斥に血道を上げる、
なんてことは現代社会でもそこら中に見られる現象だよ。
具体的に何とは言わないけどね。各自で思い当たるものを当てはめてほしい。
真剣に考えてようやく着色料を導き出した
賞金が出たってのが大きいよ。
ニホンオオカミも似たようなもん。
副収入が無い人達は特に目の色変えて必死にやったと思う。
一時的なゴールドラッシュになってたんだと思うよ。
フクロライオンなんて初めて知ったけどかなり恐ろしげな姿をしているね
ずっとタスマニアタイガーがオーストラリアの最上位捕食者だと思っていた
オーストラリアなら納得だ
ハイエナに対しても同じことをしていたような……。
X 人間の思い込みで絶滅させた
〇 ヨーロッパ人の思い込みで絶滅させた
ヨーロッパ人は数多くの動物を絶滅させてきたが、そこに日本やアジアを巻き込まないでくれ
ニホンオオカミ「せやな」
ニホンカワウソ「せやせや」
日本でもオオカミやらカワウソやらトキやら
人間によって絶滅した動物はいるでしょ
絶望するには十分な人間の愚かさだね
しかし知識良識規範、リテラシーの流布は
10年単位の短いスパンでも大きく前進する証左でもある
勿論それを踏まえた上で人間がまっとうな行いを出来るかは全く別の話だが
若い世代の方が環境保全の意識をナチュラルに持ってる印象もあって
その辺が唯一の希望って感じかな
濡れ衣じゃなければいいんだろうかと思いつつ、ミヤイリガイがよぎって考えるのは止めた