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1億2500万年前のワニの体の模様が明らかに。紫外線で尾の縞模様が浮かび上がる

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(著)

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Image credit: Castillo-Visa et al., doi: 10.1093/zoolinnean/zlag076.
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 1億2500万年前の白亜紀前期の古代ワニの化石から、当時の姿をありありと想像させる「縞模様」が発見された。

 スペインで100年以上前に発掘され、長年博物館に保管されていたこの化石を、スペインの研究チームが紫外線(UVライト)を用いて再調査した。

 すると、岩と同化して肉眼では見えなかった皮膚や軟骨の痕跡が浮かび上がったのだ。

 さらに尾の部分には、周囲に溶け込むためのカモフラージュ用とみられる縞模様までが残されていた。

 この研究成果は『Zoological Journal of the Linnean Society』誌(2026年6月13日付)に掲載された。

参考文献:

イエネコサイズの古代ワニ

 スペインのカタルーニャ地方にあるノゲラ地区の採石場で、1902年に技術者で地質学者のリュイス・マリア・ビダル氏が1つの化石を発掘した。

 今から約1億2500万年前の白亜紀前期に、熱帯の湿地帯に生息していた小型のワニ形類(ワニ形上目)、「モンセコスクス・デペレティ(Montsecosuchus depereti)」の骨格化石である。

 ワニ形類は、三畳紀後期から現在まで枝分かれを繰り返してきた大きなグループだ。

 現生のワニもその枝の1本だが、モンセコスクスは別の枝にいる。近い仲間ではあっても、現生ワニの直接の先祖ではない。

 モンセコスクスの体長は約50cmとイエネコほどの大きさで、発掘されてから1世紀以上の間、バルセロナ自然科学博物館のコレクションとして大切に保管されてきた。

 1990年代にもある程度の研究は行われていたが、骨以外の柔らかい組織に関する詳しいことは謎に包まれたままだった。

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モンセコスクスの骨格化石 Image credit: Castillo-Visa et al., doi: 10.1093/zoolinnean/zlag076.

UVライトが照らし出した皮膚と胸の軟骨

 最近になって、スペイン・バルセロナ自治大学にあるカタルーニャ古生物学研究所ミケル・クルサフォンの研究チームが、この化石に紫外線(UV)ライトを照射する調査を行った。

 化石化した柔らかい組織は、UVライトを当てると周囲の岩石とは違う光り方をする。

 研究者たちはこの性質を利用し、肉眼では岩と同化して見えなかった表皮の鱗や軟骨の痕跡を次々と特定した。

 前肢や胸部からは保存状態の良い皮膚が見つかり、鱗の大きさや形が体全体で大きく異なることがわかった。

 さらに胸部からは、呼吸を助ける働きを持つ軟骨の痕跡も発見された。

 研究チームは、モンセコスクスが現生のワニと似た効率のよい呼吸のしくみをすでに備えていたとみている。

 筆頭著者のオスカル・カスティージョ・ビサ氏は「これらの特徴は、原始的な動物でありながら、すでに半水生の暮らしによく適応していたことを示しています」と語っている。

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モンセコスクスの肋骨部分。軟組織が非常に良好な状態で保存されていることが確認された。強調表示された構造(青みがかった色調)は、腹側肋骨に関連する軟骨の痕跡。Image credit: Castillo-Visa et al., doi: 10.1093/zoolinnean/zlag076.

獲物を探知するセンサーは体の一部にしかなかった

 UVライトの照射で、首や手足、胴と尾の側面といった限られた場所に、皮膚の感覚器と呼ばれる特殊な小さな鱗が存在していたことも判明した。

 現代のワニはこの器官を使って触覚や水圧の変化、温度などを感じ取り、濁った水の中でも獲物を的確に見つけ出している。

 モンセコスクスに見られる感覚器官の分布は限られており、これらのセンサーが一部の部位で最初に進化し、のちの時代にワニの体全体へと広がっていったと研究チームは考えている。

 また、モンセコスクスには現代のナイルワニのような深い尾ひれや隆起した鱗がなく、いくぶん滑らかなシルエットをしていたようだ。

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UVライトを照射して撮影されたモンセコスクス・デペレティの全身骨格 Image credit: Castillo-Visa et al., doi: 10.1093/zoolinnean/zlag076.

カモフラージュ用?尾に残された縞模様も判明

 中でも注目されたのが、尾の鱗に残された縞模様の痕跡だ。

 UVライトで尾の部分を照らすと、明るい帯と暗い帯が交互に並ぶ模様がはっきりと浮かび上がった。

 研究チームは、これがモンセコスクスが生きている時に持っていた本来の色彩パターンだと考えている。

 現存するワニや爬虫類の多くも、周囲の風景に溶け込んで自らの輪郭を隠すカモフラージュの目的で似たような模様を持っている。

 もしこの模様が当時の色彩パターンだと正式に確認されれば、モンセコスクスは体色の模様が残る最古のワニ形類となる。

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バルセロナ自然科学博物館所蔵のミシシッピワニの標本の尾部の詳細。様々な体色の帯が見られる。Image credit:Óscar Castillo

 共著者のアルベルト・セリェス氏は「今の時点で、このワニの尾が何色だったかを断定することはできません。ただ、さまざまな色の模様を持つ現生種と、そう大きく違わなかったと考えられます」と説明している。

 1億2500万年という途方もない時間を超えて、岩の中に隠されていた古代の小さなワニの模様が、現代に蘇ったのだ。

References: doi.org/10.1093/zoolinnean/zlag076 / Skin and color pattern of 125-million-year-old crocodile revealed by extraordinary fossil from the Pyrenees / 125-Million-Year-Old Crocodile Relative Reveals Its True Colors | Sci.News

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この記事へのコメント 9件

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  1. 頭骨がそんなに特殊化していないし動物なら何でも食べるミズオオトカゲみたいな生態だったんだろう

    • +4
  2. 猫サイズって随分可愛いなw

    • +6
    1. まだ子供ということも有り得るかな?

      • -1
  3. むしろ、イエネコサイズでびっくりした
    ネコさん撫でながら読んでたから

    • +6
  4. UVライトか・・・門外漢からすると、そんな単純な方法今まで誰もやってなかったんかい、って突っ込みたくなるな。
    いや、別の化石でも普通にやってるのかもしれんけど。

    • +3
    1.  まさにコロンブスの卵ですね。 もしかすると、
      現生動物が UV ライトで光るのか……→閃いた!(ピコーン)→おお、なんか模様が見える!
      なんてことを想像しちゃいました。
       なんでも UV ライトで照らしてみると面白い発見があるかも?

      • 評価
  5. 「なんだよ猫サイズかよ!こいつかわいいな」
        ↓
    ガブー!!!
    たぶん自分は想像力が足りないから恐竜探検隊ボーンフリーの一員にはなれないんだろうな

    • +1
  6. もしも、わしがこんな格好で1億年先に発見されたらと想像すると、情けない気がしてくる

    • -2

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