この画像を大きなサイズで見る私たちの天の川銀河の隣にあるアンドロメダ銀河で、宇宙の常識を覆す異変が目撃された。
巨大な恒星が、寿命の終わりに起こすべき超新星爆発を起こさず、忽然と姿を消したのだ。
アメリカの最新研究により、対象の恒星は爆発に失敗してそのままブラックホールへと変化したことが判明した。
本来なら宇宙で最も派手な最期を迎えるはずの天体が、なぜ静かに闇へと消えたのか。謎に包まれたブラックホール誕生の瞬間を捉えた観測記録を見ていこう。
この査読済みの研究成果は『Science』誌(2025年2月12日付)に掲載された。
アンドロメダ銀河から巨大な恒星が忽然と消えた
地球から約250万光年離れたアンドロメダ銀河には、かつて太陽よりもはるかに重く激しく光り輝く巨大恒星「M31-2014-DS1」が存在していた。
現在、M31-2014-DS1は私たちの目の前から忽然と姿を消している。
アメリカ・ニューヨークにあるフラットアイアン研究所のキシャレイ・デ博士率いる研究チームは、M31-2014-DS1に起きた異変を長年にわたって追跡してきた。
博士は、恒星の消失を「もしオリオン座のベテルギウスが突然夜空から消えたら、世界中がパニックになるはずだ。それと同じことがアンドロメダ銀河で起きたのだ」と例えている。
銀河で最も明るく輝いていた天体の一つが、今ではどこを探しても見当たらない。恒星消失の裏には、宇宙の進化を解き明かす重要な鍵が隠されていた。
この画像を大きなサイズで見る10年にわたる観測が捉えた急激な衰退
研究チームは、NASAの赤外線天文衛星ネオワイズ(NEOWISE)や、世界中の地上望遠鏡が2005年から2023年までに記録した膨大なデータを分析した。
分析の結果、M31-2014-DS1が消えるまでの奇妙なプロセスが明らかになった。
まず2014年、M31-2014-DS1は熱を放つ赤外線において明るくなり始めた。ところが2年後の2016年、M31-2014-DS1はわずか1年の間に元の明るさを大幅に下回るほど急激に暗くなった。
2022年と2023年に行われた最新の観測では、目に見える可視光の世界でM31-2014-DS1は事実上消滅しており、以前の1万分の1という明るさまで落ち込んでいた。
現在はわずかに残った残骸が、以前の10分の1程度の明るさで微かな赤外線を放っているに過ぎない。
この画像を大きなサイズで見る超新星爆発に失敗し、いきなりブラックホールへ
通常、太陽の10倍以上の重さがある巨大な恒星は、燃料を使い果たすと自分の重さに耐えきれなくなって中心部が潰れ、その反動で超新星爆発という大爆発を起こす。
しかし、M31-2014-DS1は宇宙で最も派手な現象であるはずの大爆発を起こすことに失敗した。
M31-2014-DS1の内部では、爆発を引き起こすはずの衝撃波が恒星の物質を外へ押し出すことができず、逆にすべての物質が中心部へと吸い込まれる逆流(フォールバック)が起きていた。
結果として、M31-2014-DS1は爆発のプロセスを完全にスキップし、そのまま自らの重みでブラックホールへと変化した。
大爆発すら起こさず静かに闇へと消えていく「失敗した超新星」という珍しい末路を、研究チームは完璧な記録として捉えることに成功したのだ。
ガスが渦巻く「対流」が明かした消失の真相
いったいなぜ、超新星爆発が起きなかったのか?恒星の内部で起きている対流という現象が、その謎を解く鍵を握っていた。
お風呂の温度差で水が循環するのと同様に、恒星の中でもガスが激しく動いている。
対流するガスが渦を巻くような勢いを持っていたため、M31-2014-DS1のすべてがいっぺんにブラックホールに吸い込まれる事態が防がれた。
ブラックホールの周りを渦巻くガスは、浴槽の排水口に吸い込まれる水のように、ゆっくりと時間をかけて落ちていく。
M31-2014-DS1の場合、実際にブラックホールに吸い込まれたのは元のガスのわずか1%ほどで、残りのガスは外側に弾き飛ばされて塵となり、今も微かな赤外線を放っている。
この画像を大きなサイズで見る研究チームは今回の発見をもとに、過去に見つかった似たような天体も再評価した。
評価の結果、爆発せずにブラックホールになる恒星は決して珍しい例外ではないことがわかってきた。
宇宙に無数に存在するブラックホールがどのように生まれるのか、その謎を解く旅はまだ始まったばかりだ。
References: Science / Eurekalert / Columbia.edu















そんな『いきなりステーキ!』みたいに失敗から(ある意味)目立つ存在になる恒星があるとは……。
以前(20世紀)に読んだブルーバックスで、「太陽の50倍より重い恒星は、重力が強過ぎて超新星爆発を起こせず、いきなりつぶれてブラックホールになってしまう」とする説が紹介されていました。
その後この説が新たに紹介されたのを見た事が無く、間違った考えとされて忘れられたのかと思っていましたが、超新星にならずにつぶれてしまう恒星は実際にあるのですね。
超新星爆発なしに重力崩壊する質量の閾値が 50 太陽質量ってことなのかな。 じゃぁ一応知っている人もいる説なのね。 てっきり新説で今までの理論が~ってことになってるのかと思いました。 新説期待からすると面白くないwけど、安心安心
質量とガスの対流で渦巻き状になると危ないと言う事かな
思ったよりブラックホールが誕生し易いので震える
>対象の恒星は爆発に失敗してそのままブラックホールへと変化したことが判明した
実はこっちが成功で、みんな失敗して爆発してるのかもよ?
質量を無駄にしてないという点ではこっちの方が成功の可能性はあるな
超新星爆発は観測しやすいから目立つだけで、
実際には突然ブラックホール化する星の方が多いか
あるいは同じぐらいの確率で起きている可能性は普通にあるよね
「過去のことを思い悩むとブラックホールに陥るぞ」
と、うちのばっちゃから教えられた。
つまりブラックホールはビーフシチューを作りそこねてできた肉じゃがだと認識してよろしいか?
不発恒星
全部が一気に吸い込まれたわけじゃないのね。降着円盤の形成にスムーズに移行したと。自転の速さとかも関係してそう。
重力の崩壊が数年間も掛かるイメージが湧かない
もちろん、宇宙規模での数年は瞬間でしかないだろうけど
もう宇宙ではなんでもありだから、何が起きても驚かない
そのうちこれが普通だとか言いだすかもしれないし 被った
我々のいる宇宙は5次元空間に浮かぶ風船のような状態とする宇宙論があって、これによると、観測によるハッブル定数の不一致も、インフレーションやダークエネルギーを用いた宇宙の膨張も、今の宇宙論の不完全な部分が全て説明できてしまう。しかもインフレーション理論もダークエネルギーも不要という。こういうのもありますよ。
> 「もしオリオン座のベテルギウスが突然夜空から消えたら、世界中がパニックになるはずだ。…」
…うん、世界中がパニックにはならんと思う。
渦の外側にかかる遠心力のせいで重力井戸に物質が落ち込まないのか
落ちなきゃはじき返されることもないもんな
そうは言ってもそれって超新星爆発と同じ規模の相当な運動量になってるはずだけど
えーーあんだけ太陽のように明るくなるとか、ためといて不発なんかい!俺ちょっと毎月ドキドキしちゃってたし
でもやっぱり星がブラックホールになるって不思議だなあ
普通の爆弾も渦状に回転させることができれば爆発せずに
反応を終えることが出来るのかもしれない
超新星爆発の有無でブラックホールの性質も違っているかもしれませんね
物質が重力崩壊で落ちていく先に白色矮星や中性子星の表面があるから反動があるわけで
落ちていく先がブラックホールなら反動なんてないってことか
今までは、いきなり消滅したことぐらいしかわかっていなかったけれど
経過がわかる観測データが見つかったのは大きいね