メインコンテンツにスキップ

Googleでカラパイアを「お気に入りサイト登録」

風呂?儀式?スコットランドで謎めいた2000年前の遺構が発見される

記事の本文にスキップ

0件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Image credit:Highland Archaeology Services Ltd / Facebook
Advertisement

 スコットランド北部の採石場で、約2000年前の鉄器時代のものとみられる謎めいた石造りの構造物が発見された。

 発掘を行ったハイランド考古学サービスのチームによると、この構造物には丁寧に積まれた石壁と狭い階段を備え、その底には成人女性とみられる遺骨が横たわっていたという。

 考古学の専門家ですら過去に見たことがない特異な形状で、液体をためられる造りになっていることから、古代の風呂や儀式の場など、その用途をめぐってさまざまな推測が飛び交っている。

参考文献:

地中から現れた謎の楕円形のくぼみと狭い階段

 スコットランド北部ドーノック近郊にある採石場の拡張工事に先立ち、民間の考古学会社であるハイランド考古学サービスが調査を行っていた。

 イギリスでは開発の許可を出す条件として、工事に考古学者が立ち会うことが義務づけられる場合があり、この採石場もその対象になっていた。

 2026年1月20日から2月25日にかけての調査で、作業チームが表土を取り除いたところ、地表の下から石の輪が現れた。

 さらに発掘を進めると、長さ約3m、幅約2m、深さ約1mの楕円形のくぼみが出現したのだ。

 この構造物は丁寧に積まれた石壁と岩板で作られた床を持ち、下へ向かって伸びる狭い階段も備えていた。

 これまでにスコットランドで発見された遺構とは全く異なる精巧な造りに、調査を行った考古学者たちも首をかしげている。

この画像を大きなサイズで見る
Image credit:Highland Archaeology Services Ltd / Facebook

底に横たわった遺骨と、その上を覆う動物の骨

 構造物の内部は土で埋められており、その底に近い層の上に、人間の遺骨が横たわっていた。

 遺骨を覆う土の層には大量の動物の骨が含まれ、さらにその上を、木炭や焼けた木を大量に含む層が覆っていた。

この画像を大きなサイズで見る
遺骨の上の土の層から発見された焼けた木 Image credit:Highland Archaeology Services Ltd / Facebook

 遺体に添えられた副葬品は何も置かれていなかった。

 ただし、埋め戻された土の層からは、凍石(かっせき)というやわらかい石を削って作ったボウルや、頁岩(けつがん)で作られた腕輪と思われる遺物が出土している。

この画像を大きなサイズで見る
滑石から作られたボウルの半分が出土した。Image credit:Highland Archaeology Services Ltd / Facebook

 付近をさらに発掘すると、古代の家屋が建っていた可能性を示す柱穴の痕跡も見つかった。

 これらの特徴から、遺跡全体は今から約2000年前の鉄器時代に作られたものだと考えられている。

 遺骨は成人女性のものと推測されているが、性別も年齢も死因もまだ確定していない。

 構造物が意図的に埋め戻される際に、遺体がそこに安置された可能性もあるという。

この画像を大きなサイズで見る
Image credit:発見された楕円形の構造物 Image credit:Highland Archaeology Services

風呂なのか?避難所か?儀式か?専門家も見解が分かれる

 ハイランド考古学サービスの共同ディレクターであるラクラン・マッケギー氏は、、地域の専門家たちに見解を求めたものの、この遺構が何であったか見当のつく人は誰もいなかったという。

 マッケギー氏は「誰もこのようなものは見たことがないのです」と驚きを隠さない。

 用途についてはいくつかの可能性が検討されている。

 一つは鉄器時代の集落に付属する地下室に似ていることから、貯蔵庫や避難所として使われていた説だ。

 また、近くに建っていたと推測される古代の円形家屋の一部として組み込まれていたのではないかと指摘する専門家もいる。

 構造物の下部は石が丁寧に組み合わされ、接合には粘性の高い粘土のような物質が使われていた。

 水や液体を貯めるように設計されていた可能性もあるが、急な階段や狭い入り口、容量の小ささを考慮すると、単なる貯水施設とは考えにくい。

 マッケギー氏は「鉄器時代のお風呂だった可能性もありますが、あくまでも推測の域を出ません。」と語っている。

 考古学では他に説明がつかないときに儀式という解釈が持ち出されることが多い。

 この構造物についても、儀式の場として使われていた可能性が検討されている。

Facebookで開く

大きな石で塞がれていた狭い石段

 同社の公式Facebookの説明とハイランド議会の発掘記録によると、構造物へと続く石段は出入りが困難なほど狭く、その上でいくつかの大きな石によって塞がれていたという。

 埋め戻された土の層の中には金属加工に関連する鉱滓(スラグ:鉱石から金属を製錬する際などに、冶金対象である金属から溶融によって分離した鉱石母岩の鉱物成分などを含む物質)の塊もあったという。

 石段が塞がれていたことと合わせ、これらは構造物の使用を儀式として終わらせる作業の一部であったか、あるいは死者を埋葬する作業の一部であった可能性もある。

 スコットランド北部は土壌が酸性であるため、長期間にわたって人間の遺骨が保存されにくく、鉄器時代の埋葬跡が残っていること自体が非常に珍しい。

 古代スコットランドの他の地域でも似たような風習は記録されている。

 スカイ島にあるハイ・パスチャー洞窟では、儀式として入口を閉じる際に、女性1人と乳児2人が埋葬されたことがわかっている。閉鎖が行われたのは西暦25年から90年の間とみられている。

 現在も遺跡の記録と分析は続いており、研究者たちは構造物内で発見された遺骨のさらなる分析を計画している。

 分析によって、この人物の生涯や、不思議な構造物の本当の目的が明らかになるかもしれない。

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

水中生物

水中生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。