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3つの塊がつながった小惑星が太陽系で初めて発見される。衛星まで連れていた

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(著)

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Image Credit: Kate Minker et al./Large Binocular Telescope/Lowell Observator
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 火星と木星の間を回る小惑星ニサは、大小3つのかたまりがくっついてひと続きになった、いびつな形をしている。

 アリゾナ州とチリの巨大望遠鏡がとらえた最新の画像から、アメリカのローウェル天文台を中心とする国際研究チームが分析したことで明らかとなった。

 かたまりが2つつながった天体はすでに知られているが、3つとなると太陽系で初めてになる。

 しかもニサのそばには、小さな衛星が回っていたのだ。

 この研究成果をまとめた論文は『Astronomy & Astrophysics』誌に受理され、掲載前の原稿が2026年7月28日に論文公開サイトarXivに公開された。

参考文献:

170年近く形状がわからなかった明るい小惑星ニサ

 1857年5月27日、ドイツの天文学者ヘルマン・ゴルトシュミットは小惑星ニサを発見した。

 小惑星には見つかった順に番号がつけられ、ニサは44番目にあたるため、正式には(44)ニサと呼ばれている。

 火星と木星の間には無数の小天体が集まる小惑星帯があり、ニサはその中でもひときわ明るく輝いている。

 ニサが明るいのは、表面をおおう鉱物のためである。ニサはE型と呼ばれるまれな種類の小惑星で、頑火輝石という白っぽい鉱物を多く含み、太陽の光をよく反射する。

 これほど目立つ天体でありながら、ニサの形は発見から170年近くわからないままだった。

 地球から見ればただの光の点にしか映らなかったからだ。細長いのではないか、2つのかたまりがくっついているのではないかという説は出ていたが、どれも決め手を欠いていた。

最新画像に映った、大小3つのかたまりがつながる姿

 ローウェル天文台のケイト・ミンカー氏が率いる国際研究チームは、アリゾナ州にある大型双眼望遠鏡(LBT)をニサに向けた。

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アリゾナ州にある大型双眼望遠鏡(LBT) Image credit:

 この望遠鏡には補償光学という技術が組み込まれている。地球の大気は絶えず揺らいで星の像をぼやけさせるが、補償光学は672個の装置で副鏡をこまかく変形させ、揺らぎを打ち消して像を鮮明に保つ。

 研究チームは2026年2月15日、SHARK-VISというカメラを望遠鏡に取り付けてニサを連続して撮影した。

 SHARK-VISはノイズの極めて少ない高速カメラで、大気の乱れを止めたようなスローモーション映像を撮り、あとから処理して鮮明さを引き出す。

 LBTが光を集める鏡は8.4mあり、ハッブル宇宙望遠鏡の3倍にあたる。

 この鏡で集めた光に、補償光学とSHARK-VIS、さらに余分なにじみを取り除く独自の画像処理が加わったことで、宇宙にあるハッブル宇宙望遠鏡よりも鮮明な画像となった。

 ニサは、大小3つのかたまりがひと続きにつながった形をしていたことがわかった。 ニサは、大小3つのかたまりがひと続きにつながった形をしていたことがわかった。

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2026年3月21日に観測された小惑星ニサ Image credit:SHARK-VIS/LBT Observatory

 かたまりとかたまりの境目には、天体をぐるりと取り巻く深い谷が2本走っている。全体を溶かして球にすれば、直径75kmになる大きさである。

 かたまりが2つつながった天体なら、探査機ロゼッタが調べたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星や、海王星より外側にあるアロコスがすでに知られているが、かたまりが3つの天体は、太陽系でニサが初めてになる。 

ニサは直径1kmの衛星の衛星を持っていた

 他にも驚きの発見があった。ニサから約180km離れたところを、直径1kmほどの小さな衛星が回っていたのである。

 ニサ本体があまりに明るく、そばのかすかな光をかき消してしまうため、衛星の存在は知られていなかった。

 研究チームは、明るい光のすぐ横にある弱い光をより分ける高コントラスト撮像という手法を使い、ニサのまぶしさに隠れていた衛星の光をとらえた。

 高コントラスト撮像は、遠い恒星のそばにある暗い惑星を見つけるために天文学で使われてきた技術である。

 2026年2月15日と2026年3月21日の観測で、それぞれ独立に同じ天体が写っていたことから、たまたま奥に写り込んだ星ではなく、ニサを回る衛星だと判断された。

 この衛星は仮の名前としてS/2026 (44) 1がつけられた。

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2026年2月15日(世界時)、アリゾナ州の大型双眼望遠鏡がとらえた小惑星(44)ニサ。ピンクの矢印が指しているのが、小さな衛星S/2026 (44) 1である。Image credit:SHARK-VIS/LBT Observatory

どうしてこんな形になったのか?

 ニサがなぜこんな形をしているのかは、まだわかっていない。研究チームは論文で2つの可能性を挙げている。

 1つは、大昔の衝突で砕けた破片がゆっくり集まり直し、3つのかたまりが寄り添ったまま固まったという説である。

 もう1つは、ニサがもともと1つの天体で、より大きな天体をかすめる激しい衝突を受けて深くえぐられ、3つに分かれているように見えるだけだという説になる。

 答えを出すのは、新しく見つかった衛星が鍵になりそうだ

 。衛星の動きを追えばニサの重さがわかり、重さがわかれば、破片の寄せ集めなのか、それとも一枚の岩なのかを判断できる。

 不思議な形をした小惑星ニサ。SF映画の題材になりそうな驚きの展開が待っていると楽しそう。

References: Arxiv / Arizona.edu

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