この画像を大きなサイズで見る片腕を何十年も上げ続ける、何年も座らない。インドには、常人には想像もつかない苦行を自らに課す修行僧たちが存在する。
今、SNSで大きな注目を集めているのは、長年にわたって立ち続けることを自分に課した、1人の修行僧の姿である。その脚は大きく腫れ上がり、変色していた。
彼の姿は世界中で驚きをもって受け止められており、「信仰の力はすごい」「人間の体はここまで適応できるのか」といった声が寄せられている。
12年間立ち続ける修行を自らに課した僧
話題となっているのは、ダウラット・ギリ・ジー・マハラジ師と紹介されているインドのサドゥー、つまり修行僧である。
ヒンドゥー教では、いやバラモン教の時代から、インドでは厳しい苦行によって精神を鍛え、神への献身を示す行為が行われてきた。
例えば、半世紀以上も片腕を上げ続けていることで知られるアマール・バーラティ師のように、極端な苦行を続ける修行僧が、現在も複数存在するのだ。
そんな超人・奇人とも言える修行僧がいるインドで、今回、特にインターネットで紹介されて話題になったのが、このダウラット・ギリ師である。
SNSに投稿された動画を見ると、ダウラット・ギリ師の両脚は膝下から大きくむくみ、皮膚の色も黒ずんでいる。
同師はシヴァ神への信仰から、「座ったり横になったりせずに立ち続ける」という苦行を、12年間も続けているのだそうだ。
お釈迦さまも苦行をした?
日本人にとって「苦行」と聞くと、仏教の開祖であるお釈迦さま(ゴータマ・シッダールタ)のエピソードを思い浮かべる人も多いだろう。
お釈迦さまは悟りを開く前、長年にわたって極端な断食や苦行を行ったと伝えられている。
だが、結局苦行では悟りには至らず、最終的に「快楽に溺れること」と「過酷な苦行」のどちらにも偏らない「中道」の考えにたどり着いたとされる。
その一方で、ヒンドゥー教では、苦行そのものを精神修養や神への献身の手段とみなす伝統が今も色濃く残っている。
サンスクリット語で「熱する」「燃やす」を意味する「タパス」は、欲望や執着を焼き尽くし、精神的な力を高めるための修行と考えられている。
断食や沈黙、長期間立ち続けたり腕を上げ続けたりといった、肉体を痛め抜くことも、その一形態とされているのだ。
この画像を大きなサイズで見るそもそもヒンドゥー教の世界では、神々でさえ苦行を行う。今回のダウラット・ギリ師が崇拝するシヴァ神は、ヒマラヤのカイラス山で深い瞑想に入る苦行者として描かれることが多く、今も多くのサドゥーたちの理想像となっている。
また、シヴァ神の妻である女神パールヴァティーは、シヴァ神を夫に迎えるため、ヒマラヤで長年にわたる厳しい苦行を続けたという伝説がある。
果実だけを食べる生活から始まり、やがて葉だけで生きるほどの苦行を重ねた末に、その献身が認められたという。
この画像を大きなサイズで見る苦行によって得られる霊的な力は、神々さえ動かすと考えられており、神話には悪魔(アスラ)が何千年もの苦行を行って神々から不死に近い力を授かるエピソードも数多く登場する。
アスラたちがあまりに強大な力を得たため、後に神々がその討伐に苦労するというのは、ヒンドゥー神話ではおなじみの展開である。
肉体的には大きな負担は避けられない
もちろん、医学的に見た場合、長期間立ち続けることは身体に大きな負担を与える行為である。
人が長時間立ったままでいると、重力によって血液や体液が脚にたまりやすくなり、慢性的なむくみや静脈瘤、皮膚の変色を引き起こすことがある。
さらに症状が進むと、慢性静脈不全や皮膚潰瘍、血栓のリスクが高まることも知られている。
報道によれば、ダウラット・ギリ師は休息する時にも横になることはなく、専用のハーネスや支えを利用しながら仮眠を取っているという。
動画を見ると、じっと立っているわけではなく、祭壇の周りを歩いたり神々に祈りを捧げたりと、動き回ってはいるようだ。
また、寺院の関係者が同師脚に軟膏を塗るなど、日常生活を支えているとも伝えられている。
信仰のために常人には理解しがたい苦行を続ける修行僧。
その姿に驚く声が上がる一方で、「信仰の力の大きさを感じる」「人間の身体はここまで適応できるのか」といった反応も寄せられている。
興味のある人は、この動画でダウラット・ギリ師の姿を見ることができるが、黒ずんだ足も写っているので閲覧注意でお願いしたい。
References: Indian Ascetic Monk Hasn’t Sat Down in Five Years, Has the Swollen Legs to Prove It















