この画像を大きなサイズで見るインド北部の裁判所前で、一匹のサルが男性のバッグをひったくり、木の上へと駆け上がった。
バッグに入っていたのは不動産登記に使う予定の現金で、お目当ての食べ物は入っていなかった。
これに腹を立てたサルは、バッグを引き裂き、木からお札の雨を降らせ、居合わせた人々が紙幣を広め集めようと殺到したという。
サルにとっては現金よりも食べ物、人間にとっては食べ物が買える現金が大切で、なんだかイソップ寓話みたいな展開だ。
バッグをひったくり木の上へ逃げたサル
2026年5月30日、インド北部ウッタルプラデーシュ州ブランドシャフルの地方裁判所前で、ラヴィンドラ・ロディ氏が弁護士事務所へ向かって歩いていた。
不動産登記の手続きに必要な印紙を購入するため、約34万円(20万ルピー)の現金をバッグに入れて持参していたが、裁判所の敷地に住み着いていたサルが突然バッグをひったくり、敷地内の木へと駆け上がった。
木の上でサルはバッグをこじ開け、中身を探り始めた。
だがそこに、期待していた食べ物はなく、紙幣の束だけだった。サルにとって食べられない紙幣はゴミ同然だ。
木の上から紙幣を次々と地面へ投げ落とし、裁判所前の道路一帯に紙幣が舞い散り、空からお金の雨が降って来たかのような光景だった。
この画像を大きなサイズで見る紙幣を求めて人々が群がる
紙幣が舞い落ちる様子を見て、そこに居合わせた人々は拾い集めようと殺到したという。
ロディ氏が助けを求めて声を上げる中、騒動は数分間続いた。
その様子の一部を撮影した動画はSNSで瞬く間に拡散した。
最終的に地元住民が協力して紙幣を集め、総額の99%にあたる約33万6,000円(1.98ラーク)がロディ氏の元へ戻った。
この画像を大きなサイズで見るインドではサルは神の使い
インドでは古くからサルを神聖な生き物として扱ってきた。
ヒンドゥー教の叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する猿の神ハヌマーンは勇気と忠誠の象徴として広く崇拝されており、姿が似ているとされるハヌマンラングールはヒンドゥー教寺院で手厚く保護され、神の使いとして食べ物を与えられてきた。
ウッタル・プラデーシュ州はヒンドゥー教の聖地を多く抱え、州民の大多数がヒンドゥー教徒を占める州で、サルへの寛容な文化が根づいてきたことが、裁判所の敷地内にサルが住み着く土壌をつくってきた。
この画像を大きなサイズで見るしかし状況は変わりつつある。
人口増加によってサルの生息地にまで人間が住みつくようになり、かつては大目に見てもらえた農作物への被害も、今では追い払いや捕獲へと対応が変わってきた。
神の使いでさえ人間に追いやられる時代になっている。
都市化が加速するインドでは、都市部・半都市部におけるサルと人間の衝突が絶えないという。
インド・ウッタルプラデーシュ州の裁判所近くでは、2025年8月にも、8万ルピー(約13万5000円)相当の現金がサルに奪われ、人々が群がる様子が報じられている。
この時は4万7000円がどこかへ消えてしまったそうだ。















