この画像を大きなサイズで見るハンガリー西部の街・ザラエゲルセグ近郊の開けた野原に、どこにも繋がっていない真新しい環状交差点がある。
上空から見ると、まるでゲームのマップを作りかけて、そのまま忘れて放置してしまったように見える。
SNSでは「どこにもつながらない環状交差点(ラウンドアバウト)」と呼ばれ、EU資金の無駄遣いだと批判されている。
だがその背景には、EUからの資金や政治など、ハンガリーが抱えるさまざまな問題が絡んでいたのである。
物量の拠点となるはずだったターミナル建設計画
2021年に発表された計画では、この環状交差点(ラウンドアバウト)は新しく建設される予定の物流ターミナルに接続する、道路インフラの一部とされていた。
環状交差点は、中央の円形地帯に沿って一方向に周回通行する交差点のことだ。
信号がなく、交差点内の車両が優先されるため、安全性の向上や渋滞緩和、災害時の強いインフラと言われている。
ドイツの民間物流大手、メトランス社が運営するこの物流ターミナルは、アドリア海沿岸など各地の港湾と中・東欧を結ぶルートの中継点となる予定だった。
港から鉄道で到着した貨物を、首都ブダペストを経由することなく周辺諸国へ輸送できる、鉄道とトラック輸送を接続する重要な物流拠点になるはずだったのだ。
この画像を大きなサイズで見る物流ターミナルへの総投資額は4000万ユーロ(約73億円)以上。ハンガリーの投資促進庁も、この計画により約120人の新規雇用が生まれると見込んでいた。
そして、その拠点へ車両を出入りさせるため、EU資金を使って先に整備されたのが、この「どこにもつながっていない」環状交差点だったのだ。
ところが、肝心の物流ターミナルと鉄道を接続する計画が、途中で止まってしまったのである。
この画像を大きなサイズで見る問題の環状交差点があるのは、ハンガリー西部ザラ県にあるザラエゲルセグ市の近郊であり、行政上は同市の物流開発区域に含まれている場所だ。
2021年2月、ハンガリーのシヤルト・ペーテル外相は、メトランス社がザラエゲルセグ市にコンテナターミナルと物流センターを建設すると発表した。
これを受けて、同市は将来のコンテナターミナルへ通じるアクセス道路と環状交差点を建設し、公共インフラを整備することを約束した。
だが、このターミナルを物流拠点として機能させるには、貨物列車を効率よく接続するための新しい路線、いわゆる「デルタ線」の建設が必須だった。
この画像を大きなサイズで見る先に環状交差点だけが完成してしまった結果
ハンガリー政府は2021年、この鉄道を整備することを約束していたが、2026年5月の時点でも工事はまだ始まっていない。
一方で、ザラエゲルセグ市側は鉄道工事の開始を待たず、道路と環状交差点の整備だけを先に完了させてしまった。
その結果、畑の中に真新しい環状交差点だけが取り残されるという、かなりシュールな光景が誕生してしまったのである。
そのすぐ横にある看板が示すように、この工事はザラエゲルセグ市がEUからの資金援助を受けて実施したものだ。
看板にはざっくりと以下のようなことが書かれている。
ハンガリー政府および欧州連合の支援に感謝します
ザラエゲルセグ物流センターおよびコンテナターミナル
返済不要の支援額:5億0337万フォリント(約125万ユーロ、約2.3億円)
この画像を大きなサイズで見るSNSでは政権に対する批判も
もちろん地元では批判も出ている。特に問題視されているのは、EU資金が投入されている点だ。
現在のハンガリーを率いるヴィクトル・オルバーン首相は、2010年から長期政権を続ける保守派政治家だ。
移民受け入れへの強硬姿勢や、「ハンガリー第一」を掲げるナショナリズム路線で知られ、EUとたびたび対立している。
一方で、政権に近い企業への利益誘導や、公共事業をめぐる不透明さを批判されることも多い。
近年は、司法制度や報道の自由、公共事業をめぐる透明性についてEU側から批判を受けることも多く、一部のEU資金支払いが凍結されたこともある。
ヨーロッパでは以前から、ハンガリーの公共事業をめぐって、「政権に近い企業や自治体へEU資金が流れているのではないか」という批判が繰り返されてきた。
今回の環状交差点も、SNSでは「オルバーン政権時代を象徴する道路」「EU資金のモニュメント」などと皮肉られている。
- 「どこにもつながらない橋」は聞いたことあるけど、「どこにもつながらない環状交差点」は初めて見たかも
- ぱっと見ただけで、汚職の産物だってわかる
- 汚職の極みだな。今後ハンガリーがもっと良くなることを願うよ
- 金がどこへ消えたか、容易に想像がつくよな
- プーチンとトランプの両方がオルバーンを支持してるって時点で、ハンガリー人は気づくべきだ。
- これは悪意あるプロパガンダだ。ハンガリーは素晴らしい国だよ。実際に行って、西欧の都市と比べてみればいい
- お前、ハンガリーに住んでないだろ?
- ハンガリーが素晴らしい国だって? ハンガリー人として言うけど、確かに「美しい国」ではある。でも「素晴らしい国」とは言えないよ
- なんでEUはこんなものに金出すんだ? もうEU側にも責任あるだろ。EU市民の利益になるか確認もせず金を渡すなよ
- EUそのものが、このラ環状交差点みたいなもんだよ。どこにも向かってないからな
- オルバーンが評議会で拒否権をちらつかせて、「金を寄越せ」ってやってることが多いんだよ。そういう意味では、全会一致ルールをやめないEU側にも責任はある
- オルバーンは、EU資金を好き勝手できる法律を作ったんだよ。議会の3分の2を握ってるから、ほぼ好きな法律を通せるんだ
- 要求したことと、実際に実現することは別問題だろ。金が返還されない限り、EUの納税者全員が盗まれたようなもんだ
- 将来ハンガリーへ配分されるEU資金から差し引かれる予定だから、そこまで大問題じゃないよ
- 共産時代レベルの汚職が戻ってきたって感じだな。よく言われてた「目的は建物を完成させることではなく、建設すること自体である」ってやつ
この画像を大きなサイズで見る鉄道さえできれば計画が先へ進む可能性も
とはいえ、ザラエゲルセグ市側もメトランス社側も、これを「完全な失敗プロジェクト」だとは考えていないようだ。
ザラエゲルセグ市市長のゾルターン・バライチ氏は、「市は約束した仕事をすべて果たした」と説明。
市が担当するアクセス道路や環状交差点、インフラ整備は2023年末までに完了済みで、問題は国側の鉄道工事だという立場を示している。
一方、メトランス社側も計画自体を撤回したわけではない。同社は、「デルタ線が完成しなければターミナルは運営できない」と説明している。
同社の営業部長であるアッティラ・ザハルカ氏は、このプロジェクトへの投資は同社にとって、依然として極めて重要であるとしながらも、準備段階が長引き、鉄道工事が進展していないことを残念に思うと述べた。
基本的な条件として、国家開発プロジェクトの一環として計画されているデルタ線が建設されなければなりません。投資の実際の開始は、国営デルタ線路の建設に全面的に依存しているのです
つまり、今後このプロジェクトがどうなるかは、国による鉄道接続工事次第だというのが、市とメトランス社の一致した見解だと言えるだろう。
だが、その鉄道工事は今も始まっていない。入札自体は進んでいるものの、完成には840日以上かかる見込みだそうだ。
仮に2026年中に着工したとしても、完成するのは早くても2027年の年末以降になる可能性が高いという。
畑の真ん中に取り残されたような環状交差点は、しばらくはあのままの状態で、ぽつんと待ち続けることになりそうだ。
References: Hungary’s Bizarre Roundabout Connected to Nothing in the Middle of Nowhere
















120人の雇用かー
そんなんでw
これ経済が良ければ違ったろうに
リニアも大馬鹿ものが…
あとは緊急時のヘリポートでも
灯りだけ設置して使う時だけ点ける
そうすれば120人の雇用も
他プレイヤーのタイルで囲まれて、邪魔されたんだろ
全速力で駆け抜けたらどこか違う時代とかにタイムリープしそう
クラファン主「資金いっぱい集まったけど、結局ダメだったわw」
の大規模バージョンか。そりゃ批判されるよね。
まだ「ダメでした」宣言はして無くて「鋭意努力中」の段階
「ダメでした」になるのはメトランス社がターミナル建設を国が路線建設を中止した時
…と言うマヌケな政策例として観光資源化して人を呼び込む…?
なんかミステリーサークル風味
日本だと箱物行政とかかな
UFOが着陸しそう。
4月の総選挙で反(現体制の)EU、親中露オルバン政権が倒れ、マジャル・ペーテル氏が首相に就任。
利権でEU資金とやらを食い物にしたのかな・・・
と思ったけど、普通にコロナとかウクライナ戦争とかで頓挫しただけかも