この画像を大きなサイズで見る地球最強生物と言われているクマムシでも、火星で生き残ることは難しい。宇宙放射線には耐えられても、火星のレゴリス(砂塵)そのものに有毒な物質が含まれているからだ。
米ペンシルベニア州立大学の実験によると、火星のレゴリスを再現した実験用の砂にさらされたクマムシは数日で死滅したという。
だが、砂を水で洗い流すことで、生存率が劇的に向上することも確認された。もしレゴリスを洗浄することができれば、クマムシは生きられるし、将来の火星農業や居住を支える決定的な鍵になるかもしれない。
火星のレゴリスを再現した砂にクマムシを投入
火星のレゴリス(砂塵)に含まれる有害物質がクマムシを死滅させる
ペンシルベニア州立大学の研究チームは、火星の表面を覆うレゴリス(砂塵)が生物に与える影響を詳しく調査した。
実験では、基準となる「地球の普通の砂」に加え、火星の平均的なレゴリスの化学組成を再現した「MGS-1」、そして特定の探査地点、オクシア・パヌス平原の成分をより詳細に模した「OUCM-1」の2種類の砂を用意し、そこに2種類のクマムシを投入して経過を観察した。
クマムシは世界中で約1500種類以上が確認されているが、今回選ばれたのは、陸に住むタフな「ヨコヅナクマムシ(Ramazzottius cf. varieornatus)」と、淡水に住む「ドゥジャルダンチョウメイクマムシ(Hypsibius exemplaris)」だ。
クマムシが活動するには微量の水分が必要なため、実験はそれぞれの砂を湿らせた状態で行い、その中での経過を観察した。
この画像を大きなサイズで見るレゴリスに含まれる有害物質がクマムシを死滅させる
実験の結果、地球の普通の砂で過ごしたグループは、ヨコヅナクマムシもドゥジャルダンチョウメイクマムシも健康なまま生き残った。
これに対し、火星のレゴリスを再現した砂に入れたグループには残酷な結末が待っていた。
火星全土の平均的な成分を模した砂「MGS-1」では、ドゥジャルダンチョウメイクマムシがわずか2日以内に100%死滅するという極めて厳しい結果が出た。
非常にタフなはずのヨコヅナクマムシでさえ、4日後には個体数が激減し、生存が困難な状況に追い込まれた。
この画像を大きなサイズで見るオクシア・パヌス平原を模した砂「OUCM-1」でも同様の結果だった。
実験開始からわずか24時間(1日)で、ドゥジャルダンチョウメイクマムシの約60%が死亡し、4日後にはほぼ全滅に近い状態となった。
ヨコヅナクマムシも同様にダメージを受け、4日後の生存率は大幅に低下した。
放射線や真空以前に、火星の砂そのものがクマムシにとって致命的な毒性を持っていることが科学的に証明されたのだ。
この画像を大きなサイズで見る上段の3枚は、地球の一般的な砂浜の環境で活発に動くクマムシの様子。下段の4枚は、火星の模擬レゴリス(砂塵)に投入した後の様子で、矢印はクマムシが砂の鉱物成分から影響を受けている箇所を指し示している。
水洗いでレゴリスを浄化すれば生存率が向上
研究チームは、火星のレゴリスの中に水に溶け出す性質を持つ有害な成分が含まれているのではないかと考えた。
そこで、最も致死的だった再現砂(MGS-1)を一度水で洗い流してから、再びクマムシを投入する実験を行った。
すると、洗浄後の砂に入れたクマムシは、ヨコヅナクマムシとドゥジャルダンチョウメイクマムシのどちらも生存期間が大幅に延び、地球の砂を用いたグループと同じレベルの活発な動きを見せた。
この劇的な変化により、火星のレゴリスには生物の生命維持を妨げる水溶性の有害物質が含まれており、それは「水で洗う」という工程だけで除去できることが明らかになった。
火星には液体の水が地下深くに存在すると予測されているが、それを取り出すのは容易ではなく、実用化へのハードルは依然として高そうだ。
この画像を大きなサイズで見る将来の火星農業や居住を支える洗浄プロセスの重要性
今回の発見は、将来人間が火星に移住し、現地で植物を育てたり生態系を築いたりする上で極めて重要な意味を持つ。
火星で水を確保することは極めて難しいが、レゴリスを洗浄して無害化する工程を組み込めば、クマムシのような微小動物を砂の中に導入して健康な土壌環境を作れる可能性が高まった。
また、このレゴリスの毒性は、地球の微生物が不用意に火星を汚染することを防ぐ天然のバリアとしても機能する。
研究チームは今後、クマムシを死滅させた有害物質の正体をさらに詳しく特定していく方針だ。
この査読済みの研究成果は『International Journal of Astrobiology』誌(2025年12月5日付)に掲載された。
References: Cambridge / Eurekalert
















火星の表面にあるレゴリスが、長期間の紫外線照射による
超酸化状態なのが問題なんだっけ?
そうなんだ。デザイン次第で微生物の呼吸に使えそうですね
酸素呼吸型のクマムシには毒でも、世の中には硫化水素やら硝酸やらで呼吸する生物はソコソコいますし、逆に使ってやるのも不可能じゃない気がする
そういう人工土壌細菌を火星に放てっ
クマムシ 「あっついんだからぁ~」
たまたま頑丈に生まれてしまったが為に拷問を受けるクマムシさん
毒性物質がなんであるかを調べるのは記事の通り今後に期待するとして、火星の水にもその毒がとけていたりしないかなと。 中和というか無毒化の方法がないとダメなんですね。 見た範囲ではという条件付きですが、いろんなフィクションで宇宙服着て現地に行って酸素があって毒ガスがないからと宇宙服を脱ぐシーンは数あれど土や砂が有毒というのは初めてで現実ってのは小説よりも複雑なんですね
過塩素酸塩か。干からびた海底に残った塩類や太古の火山噴出物が変質して全土で生成分解し続けているという。表層の砂塵の浄化と汚染のない地下の岩石から土を作るのとではどちらが高コストなんだろう。
自分たちが作った再現砂を使っているのに、それに含まれると主張する水溶性の成分(毒素)が何なのか調べてないのかな?
あったかいんだからぁ〜♪
クマムシを間違ってつぶしたりするなどひどい扱いされる生き物
そのうち冥王星とか銀河系外まで飛ばしそうで怖い
火星の水には高濃度で含まれてそう。
逆「宇宙戦争」
テラフォーマーズ・クマムシ編が始まるのか・・・
クマムシヲイジメヌンデ
月に放り出されたクマムシの方はどうなったんだろう。
今頃わさわさ繁殖してたらとんでもねえ環境破壊になりそうだけど。
そういえばテラフォーマーズってどうなったの?
アレだろ
リベンジオブクマムシみたいな
火星残されたゴキのクマムシのバージョン
そう言えば宇宙ナントカで眠りのコゴロウと同じ名前の宇宙行った人間が館長やってるけど(現在も?)
ゴキみたいな顔になっていて
思わず宇宙恐え〜な思った
酸欠状態だから顔がむくんだのかも?
クマムシでさえ無理な環境なのか・・・
怖っ・・・
クマムシ最強やん!
逆にレゴリスから新しい薬とかできそう
クマムシすら殺す成分なわけですからね、もしかしたら究極の殺菌剤を手に入れたかもしれません。
毒物だけ洗い流せたとしてもクマムシさんの餌になるものが無かったら結局飢えて全滅という悲惨な結末になるのではないかと。
クマムシさんが何したっていうんだ。
全ての命は等しく尊いとかデモしてる連中はクマムシさんの事も訴えろ。
クマムシの生活環境については、別の研究でやるんだよ
コケに住んでいることが多いみたいだから
火星でコケが生存できるかとかね