メインコンテンツにスキップ

ロシア全土でポルシェが突如動かなくなる奇妙な現象が発生。その理由とは?

記事の本文にスキップ

29件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit:youtube
Advertisement

 ある日車が動かなくなる奇妙な事件がロシアで多発。そこにはポルシェという共通点があった。

 11月末から12月上旬にかけ、ロシア各地で数百台のポルシェが突如として走行不能に陥った。

 エンジンが動かず、ドアも開かないなどの異常が相次ぎ、かの有名なドイツ発祥の高級車が一夜にして無用の長物と化したのだ。

 一体何が起きたというのだろう?

衛星通信が途絶えセキュリティシステムが作動

 高級車であるポルシェがただの鉄の塊となってしまった奇妙な出来事だが、のちに原因は衛星セキュリティシステムの通信途絶にあることが判明した。

 ポルシェ専用の車両追跡・盗難防止システム「Vehicle Tracking System(VTS)」は、GPS追跡システムに近いが、盗難防止機能と直結する点が決定的な違いである。

 衛星通信を通じて車両の位置を監視し、異常があればエンジンを停止させる仕組みとなっている。

 通信が途絶えたことでシステムが「盗難」と誤認したため、燃料供給の遮断や突然のエンジン停止といった、盗難防止装置の作動を招き、結果として数百台のポルシェが同時期に走行不能となったという。

 だが、急な異常事態に「意図的な妨害」説も浮上。各国メディアが取り上げる事態へと発展している。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:odditycentral

ロシアのディーラーが暫定対応

 ロシア最大のディーラー「Rolf」は、11月28日以降サービス依頼が急増したと報告している。

現在、すべてのモデルと内燃機関タイプで接続が失われています。どの車両もブロックされる可能性があります (Rolf社サービスディレクター・ユリア・トルシュコワ氏)

 同社は応急処置として、工場出荷時のアラームユニットを分解・リセットする方法を公開。バッテリーを10時間以上外すという荒技まで試みられているが、恒久的な修復には至っていない。

 オーナーらは高級車を前に途方に暮れ、SNSには「数千万円の鉄の塊になった」という嘆きがあふれている。

 なお今回走行不能になったのは、ポルシェの特定のモデルに限らず、2013年以降に製造された VTS 搭載モデル全般だった。

 報道では特にカイエン、マカン、パナメーラ、911 などの主要モデルが影響を受けたという。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:youtube

意図的説も。通信が途絶えた原因は不明

 通信の途絶の原因はつかめぬままだが、Rolf広報はこの事件について「意図的に引き起こされた可能性」をほのめかしている。

 だが証拠はなく、ハッカー集団の犯行声明なども今のところ出ていない。また、ロシア以外の国で同様の障害などは確認されていない。

 この事態にポルシェが対応してると思いきや、同社は2022年のウクライナ侵攻以降、ロシアでの商業活動を停止しているため、現地に正規のサポートも存在しないという。

VTSを手動で無効化する必要がありました。システムを再起動したり、バッテリーを何時間も外した後にようやく復旧できたオーナーもいます (ロシア・ポルシェマカン・クラブのオーナー)

 オーナーらは自力で修理を模索するしかなく、各国からは「地政学的緊張とサイバーリスクが交錯する事件」として注目されている。

「次はどの国?」「デジタル戦争か」SNSで憶測が飛び交う

 アメリカのメディアKTLAもこの件を取り上げ、12月10日公開のYouTube動画の再生数は5万回を突破。

Porsches in Russia suddenly stop working

 SNSでは「次は他国でも起きるのか」「これはデジタル戦争の一端ではないか」といった憶測が飛び交い、事件は単なる自動車トラブルを超えて国際的な関心を集めている。

 一方、インドのテックメディア techstory は、この件について本来対応すべきポルシェがロシアで運営不能な状態を指摘、このように批判している。

同社は依然として、売却も正常な運営もできない子会社を保有している。この膠着状態が危機対応の複雑化を招いており、特に旧式のソフトウェアや機能不全の地域インフラが故障の一因となっている可能性が高い

 またインドのビジネス・金融系メディア mint は、Youtubeでロシアと対立するヨーロッパの指示で起きたのではないか?という憶測についても報じていた。

 12月9日に投稿されたこの動画の再生数は6万回を超えている。

Porsches In Russia Turn Into ‘Bricks’; Did The Carmaker Press The Kill Switch On Europe’s Command?

スイッチ1つで深刻な影響。便利さの裏に潜むリスク

 この事件で想起されるのが便利さの裏に潜むリスクだ。衛星が途絶えセキュリティシステムが切れただけで数千万円する高級車が無力化する出来事が実際に起きてしまった。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:youtube

 これは単なる自動車トラブルではなく、IoTの浸透が進む社会全体に突きつけられた問いかもしれない。

 現代の便利な暮らしに不可欠なもの、つまりスマートフォン、家電、都市インフラなどのすべてがネットワークに依存するこの時代は、たった1つの“スイッチ”が切られるだけで生活そのものが停止しかねない、という現実に常に直面している。

 私たちが日常で意識せずとも、その現実はビクともしないが、今回の事件はその脆弱性を世界に示す一例になったようだ。

 テクノロジーと共に生きる時代だからこそ、この先目指すは便利でも安心して使えるシステム作りではなかろうか。

References: Odditycentral / Indiatimes.com / Canalcarro / Techstory

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 29件

コメントを書く

  1. 素晴らしい(ハッキングでなければ)
    なんて強固なセキュリティ
    その気になればいつでも任意の車を止めることができる
    例えばローン不履行、盗難車に対して

    ハッキングならやばいね

    • +23
    1. 問題はその気が無くても止まるってこった
      某大物カージャーナリストの超高級車は家の前に停めたままなのにセキュリティの誤作動で「あなたの車が盗難されましたよ」と頻繁に電話が掛かって来てウンザリしてたし
      そもそもそのローン不履行やら盗難車が高速道路のど真ん中で止まったら迷惑この上無い

      • 評価
      1. その気が無くて止まるのは改善されていくよ
        今回の件も本当のところはわからない(今はね)
        で、もし止めるとしたらユーザーの意志じゃない、会社の意向だね
        もちろん所有者から販売店に依頼があれば受け付けることもあるだろうが
        それに止め方だって「時速20km以下になったらキル」「次に停車したら」とか設定できるし
        組み合わせで速度が徐々に落ちてエンジンがかからなくなるというのも
        で停車場所により苦情が来るなら
        それこそ願ったりで警察・ディーラーに連絡があれば車が回収出来るだろ?
        現行法で「盗難防止で車を止めるのは犯罪ではない」はず 
        富裕層の多くがコレを望めばサービスとして定着するだろう

        • 評価
  2. >「数千万円の鉄の塊になった」という嘆き
    だけど、容易に盗難に遭っちゃうようでも困るでしょ。
    強固な盗難防止システムのせいだから「痛し痒し」と言ったところだね。

    • +11
  3. 前から言われてるけど某国の電子部品使った製品も怖いよね
    通信機器を一斉に止められたら大混乱

    • +33
  4. 中国のEV車にも似たような機能があり、会社が倒産すると停止してしまうので
    現在えらいこっちゃ状態だ
    たいして少し前の車だとこんな便利な機能ないので関係ないけど
    一度盗まれると二度と返ってこない。何がいいのかわからん

    • +32
  5. 中華製EVや太陽光パネルなどに社会が依存してはいけない理由

    • +26
  6. PCの修理屋をしてた時の ウイルス〇スターのやらかしを思い出すなw
    バ〇ターのせいでCPU負荷が常に100%近くなっててうんともすんとも動かなかったんだよなー
    Ctrl+Alt+Deleteを推して10分ぐらい待ってても音沙汰無だったなー(笑
    仕方ないので強制終了したな。
    記事を読んでそれを思い出した(ㇷ゚

    • -6
  7. 俺の911は2008年製だから万が一日本で同様のことがあっても関係なさそうだ。
    古い車なので大事に乗ろう。

    • +10
  8. つまり、マッドマックスの世界ではポルシェは動かない、と?

    • +12
  9. むしろ、原因はドイツじゃなくロシアにあったりして。
    軍事的になんかやろうと思ってたら、うっかりポルシェ止まりましたみたいな。
    ごめんなさい、ウチですとは口が裂けても言えないから、ドイツが~ヨーロッパが~って言ってみてたりしてね。

    ホント、いろんなものを電子化しすぎ。私なんて恐ろしくて、タッチ決済も、マイナカードに銀行口座とか免許証とか保険証とか紐付けるとか、やってない。スマホを失くしたり何かで電源が失われたり乗っ取られたりとか考えたらもう不安でしかない…

    • +15
    1. 色々失われたら手帳でも紙の保険証でも使えなくなるぞ

      • +4
    2. ロシアでは、ドローンを無線で操縦できないように妨害電波をだしているのだから
      それ以外の通信もできなくなっているはずだよ

      • -1
  10. これは
    ポルシェ専門店の人「隠しコマンドがあるんですよ」
    「ピッ」
    →うんともすんともいわない
    のやつか

    • +1
    1.  これをかけと言われた気がした「 ↑↑↓↓←→←→BA 」
       office365 なんかも一か月の間インターネットにつながらないと使えなくなりますね。 今回のポルシェも盗んだ後コンテナに積んで輸送(中は多分電波がシールドされてつながらない状態が一定時間継続)して先方で動かないというような機構が働いたのかも?

      • 評価
  11. 言い出すと、PCは全部これだよな。
    Windowsの「バックドア」は有名だが、それはMacだろうがどこでもあると思う。
    以前、PCの修理の際にリモートのオペレーターが「じゃあこっちで操作していいですか」って言われてカーソルが勝手に動き出したのをみた時に、何かを悟ったよ。
    俺たちは日記を全世界に公開しながら生きてる。

    • +20
  12. 車の特定の機能を利用するのに、サブスク契約して継続的に払わないとリモートで制限されるなんて話もあったな。
    オーナーは合法的に購入しているはずなのに使用制限されるのは率直に納得いかないでしょうね。

    • +4
  13. 要するに、たっくんがブラスターになろうとしたら衛星が反応してくれない感じか

    • +2
  14. ロシアが侵略戦争なんかしてなければポルシェも対応できた

    • +6
  15. ふっ、ポルシェで不倫とか絶対にやめといたほうがいいな

    • -2
  16. ポルシェがほしいです
    イキりすぎてないデザインとガチで速いのはモノづくりの王様
    一般人・富裕層から支持を得るブランディングとマーケティングは参考になります
    話があまり関係なくてすみません ほしいです

    • +1
  17. 昔から米から戦闘機を買い続けてる日本
    いつからかコンピュータ制御になり(自動車もそうだが)
    その部分はブラックボックスと呼ばれ、日本では開けてはいけないものとされてる
    そして、そのボックスは「いざとなれば全ての機を止める」と噂されたものだが、今回民間でも衛星回線で可能になるという証明にもなったわけだ

    • -1
  18. 急に止まったら玉突き事故が多発したんじゃないかと思うんだけど言及が無いのは不思議だな

    • -3
  19. 正常にセキュリティが動いているのだから、問題は別のところにあるのではないかな?

    • +2

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。