この画像を大きなサイズで見る誤情報はいったん多くの人に信じられると抑えるのが難しい。陰謀論は正しいかどうかにかかわらずネズミ算的に広がり、人々の行動を変えてしまう。そして時には暴力行為にまで発展する。
これは現代のSNS時代に限った話ではない。1789年のフランス革命期には「大恐怖」と呼ばれる噂が感染症のようにフランス全土を駆け抜けた。
最新の研究は、この出来事を疫学のモデルで分析し、当時の社会不安がいかにして蜂起へとつながったのかを明らかにした。
過去の事件は、誤情報に揺さぶられる私たちの社会に鋭い警鐘を鳴らしている。
この研究は『Nature』誌(2025年8月27日)に掲載された。
フランス全土を駆け抜けた「大恐怖」の噂
フランス革命の渦中にあった1789年7月20日から8月6日にかけて、フランス各地の農民たちが一斉に動き出した。
発端となったのは「貴族が民衆を飢え死にさせるために食糧を奪っている」という根拠のない噂だったが、多くの人がこれを信じた。
ほんの数日でフランス全土に瞬く間に広がったその噂により、大勢の人が暴動や反乱を起こす、蜂起(ほうき)が相次いだのである。
当時の報告には、農民たちが領主の館や邸宅を焼き討ちしたと記されている。
しかし後の検証によれば、多くの場合、農民は暴力を振るわず「封建的な特権を廃止する」と書いた文書を置いて立ち去っただけだった。犠牲者も20人未満と考えられている。
とはいえ、この一連の動きが国民議会を動かし、1789年8月4日に封建的権利の廃止が宣言された。
大恐怖はフランス革命を大きく加速させ、民主主義の拡大につながる契機となった。
この画像を大きなサイズで見る噂はどう広がったのか?研究者が感染症モデルで解明
だがすこし疑問が残る。電信も新聞網も整っていなかった時代に、どうしてこの噂はたった数日でフランス全土へ広がったのか?。
ミラノ大学物理学部・複雑系生体システム研究センターのステファノ・ザッペリ教授は、この現象を公衆衛生上の問題として捉えた。
彼は、ミラノ大学環境科学・政策学部・複雑系生体システム研究センターのカテリーナ・ラ・ポルタ教授と出会ったことで、疫学の手法を歴史研究に応用するアイデアを得た。
両者は経済学、歴史学、医学、物理学を組み合わせた学際的な協力体制を築き、研究を進めていった。
彼らには強力な資料があった。20世紀初頭、歴史家ジョルジュ・ルフェーヴルが大恐怖に関する膨大な記録を収集していたのである。
日付や場所が明記された書簡や報告書が残されており、研究チームはそれを地図上に落とし込んだ。
すると大恐怖の噂は道路網を通じて1日約45kmの速さで広がり、しかも約4割が郵便局の近くで発生していたことが明らかになった。
文字による通信が決定的な役割を果たしていたのである。
さらに識字率や小麦価格、土地所有の仕組みといった社会経済データを重ね合わせると、蜂起が起きやすい場所の特徴も浮かび上がった。
人口が多く、識字率が高い町で、平均的な所得水準だが小麦価格が高騰している地域。そして土地の所有権が領主の証書によってのみ保証されている村でも蜂起が起きやすかった。
この画像を大きなサイズで見る根拠なき噂、しかし農民には深刻な生活苦という現実があった
こうして導き出された結果、大恐怖の拡散はまるで感染症の流行のように見えた。1789年7月30日にピークを迎え、その後急速に収束した。
もちろん、貴族が本当に飢え死にを計画していたわけではない。
だが農民たちは過酷な生活を強いられており、その不安は決して根拠のないものではなかった。
ザッペリ教授は「大恐怖はただの感情的な暴走ではなく、当時の社会の不平等や貧しさに対する自然の反応だった」と語る。
極端な不平等と不正義が、大規模な運動を引き起こし、結果的により公正な社会への道を開いたのだ。
誤情報は現代社会でも暴動や混乱を引き起こす
200年以上前のフランスと現在の私たちの社会は大きく異なる。しかし誤情報の拡散がもたらす危険はむしろ今の方が深刻かもしれない。
インターネットは人々をかつてなくつなぎ合わせる一方で、情報空間を混乱させている。
ザッペリ教授は「大恐怖は、噂が政治的変化を引き起こす鮮烈な例だ。現代では情報も誤情報もより速く広まる」と語る。
この研究は、誤情報が社会を揺さぶり人々を動かす力を持つことを示すと同時に、現代社会における誤情報の拡散を理解するための手がかりとなっている。
References: Nature / Rumors spread like viruses. The French Revolution proved it.
















デマや陰謀論が広まるのは
マスコミや政府が機能不全の時。
正すべきは噂を流し盲信する
庶民ではなく、信頼を失った
マスコミや政府の方だと思う。
マスコミ側が嘘を流しているというのが陰謀論の出発点
それは元を正せば信用できないことを何度も行った結果なんだよな
それに拡散無くしてはそもそも真実かどうかの検証すらできない
政府やマスコミが誤った情報を流してはいけないのは当然だけど
庶民もデマの拡散に加担しないよう注意する意識は必要かと
「政府が信用できない」はデマを広める免罪符にはならないし
デマかどうかわからない場合は?
例えばアメリカ大統領選の不正とか、、
まだ不正が確定したわけでないが、ネットで発言はよいでしょ?
一番の問題はやはりマスコミの偏った姿勢打と思う。
特に報道しない自由は大問題。
福島原発事故直後に流行った数々のデマなんかは「政府が信用できない」以前に「そもそも原子力発電や核分裂の仕組み、放射能・放射線・放射性物質の言葉の意味、放射線の性質なんかについての知識が全くないので何が正しい情報なのかわからない」が原因だったりするしなあ
政府が信用できないって言ってる人とよく会話して彼らの思考を言語化しなおすとそんな感じのばかりだった
信用できないんじゃなく政府発表の意味や内容が理解できない、なんだよね
知識が無くてわかんないからこれは~~かもしれない、いや~~なのかもしれない、で勝手に想像して何もかもに怯え出す
貴族が民衆を餓死させてしまったら食糧を作る人がいなくなって貴族も餓死する
こういうちょっと考えればわかる事に辿り着くよりも先に、不安や怒りで考えるのをやめてしまうのは昔も今も変わらないのかなあ
当時の貴族の専横と民衆の暮らしを調べたら信じるのも無理無いと思う
当時はマジで領地経営音痴なダメ貴族が多かったのも信じられた背景なんよ
税収が減るようなことをしておいて重税かけてよけいに税収が減るって悪循環やらかしてるようなのが居た
ただまあ、当時のフランスはなにせ王様からして先代と先々代がな…
もうどうにもとまらない♪
😉困っちゃう~
いつの時代もショッキングな情報が入ってきたら、感情で判断や行動せずに
「それって本当に正しいの?」と一度立ち止まって考えることが重要。
あと、入ってきた情報が正しいか判断するためには教育も重要だよね。
人の口に戸は立てられず。
宗教・革命・戦争・災害時の混乱…
技術がどれだけ進歩しても、自分が信じたい噂だけを信じて突き進む人間の本質は有史以来何も変わっていない。
>多くの場合、農民は暴力を振るわず「封建的な特権を廃止する」と書いた文書を置いて立ち去っただけだった。犠牲者も20人未満と考えられている。
10人以上の死傷者が出ている時点で少なからず暴力が振るわれているんですが……。
最初は「平和的」なデモだったのに、すぐ暴動を起こすのは昔からだったんだな(なお日本の一揆)。
なんで「暴力をふるった方が農民」という思考停止の判断なんですか?
支配層が暴行をふるって農民を押さえつけようとしたという発想はないの?
ちなみに日本の一揆も暴動に至るのはレアケースで、
だいたいの場合で連判状など、書類提出で終わる
とくに江戸時代などは自分の納める領内で暴動が起きると、最悪で家取り潰しまで行くので…
それ日本特有のもんで、70年ごろの革命家ごっこに興じてた人らの影響だと思うよ。
現代はこのような誤情報の拡散は毎日のように起こってるよね
それが深刻な社会不安と結びついた時暴動に発展することもあるんだろうか
米騒動みたい
デマではなかったけど
「令和の米騒動」は燃料・肥料費高騰と、なにより天候不順による不作が最大の原因だし
酷暑による天候不順が続く限りは収穫量が増えず、価格低下にはつながらないけど
なんでか遠因の一つでしかないものが拡大解釈されて、政府批判になっているから立派なデマだよ
あ、自分の思ってたのは令和のではなくてオリジナルの大正時代のやつです
細かい捕捉指摘ですが、令和の米騒動自体は不作が確定する前から始まってます
ていうか「今年は不作になるかも」っていう不安から買占めが始まって、そこに便乗したテンバイヤーが加わって、2~3ヵ月後に実際には不作じゃなかったって結果が出てもなんでか米の流通量が減ってて、しかしJAが売り渋りしてる訳でもなく…というわけわかんない現象が続いた
7月5日の予言も一言も言われてないのに地球滅亡までデマが広まってた
インパクトがあったり感情が動きやすい話ほど拡散されやすいんだと思う
革命後のフランスではギロチンが大流行してたそうじゃないか。
革命の主格とみなされていた人物も革命後には反革命的だとギロチン送りになったりと、革命を主導した人たちにも流行していたようだな。
検証できる資料が残ってたのがスゴイ
ベルリンの壁崩壊やルワンダ虐殺等、ちょっとした事で物事がドドドッと動く特はままある。
なんかしら根底にずっとあっての事だけどね。
日本史上最大の根拠のない情報の拡散による民衆運動が「ええじゃないか」なのは太平の世の末イベントらしいけど、巡礼にかこつけた強請りたかり、下様の不義が横行したとか。
今まさに能登で起こってることだわ。
デマや勘違いに対して違うでしょう?そうじゃないでしょう?って資料出しても信じてくれないし政党のアルバイトとか肉屋に媚びる豚呼ばわりされる。復旧に係る仕事してると誤情報を鵜呑みにした人にいきなり暴言吐かれる。かなりしんどい。
当時の人々もデマや扇動を止めようとしたんじゃないかな。
>公衆衛生上の問題
そうか…w 何かちょっと可笑しい
イヤイヤ、なるほど情報衛生
仏革命の頃は下地として啓蒙主義以降の価値観の変化や産業革命の興りに格差の拡大とか怒涛の時代変遷があった
情報が錯綜し易いところに色々な勢力を媒介に扇動されたルサンチマンが沸騰した
飛鳥時代日本の為政者は町で聴く子供の手鞠歌(流行り歌)に込められた民衆の政治への風刺から民意を測ったとか
素朴に聞こえるけど怪談や都市伝説なんかの噂も民意を測る情報源ではある まあそこへ媒介(マスコミとか)の意思が働くとまたヤヤコシくなる
どうしたら情報の公衆衛生は雑菌まみれにならずに済むんだろうね 風邪の予防と一緒?
識字率と郵便局が現在のSNSなので、デマを取り締まる為に郵便局廃止して文字読める奴を規制しろとか昔の貴族やってそう