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浜辺でピンク色のゼリーのようなハートを発見、その正体は?

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(著) (編集)

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image credit: Instagram @shipwreck_girl
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 2025年5月のある日、アメリカ、ノースカロライナ州の海岸で波打ち際を歩いていた女性が、不思議なカタマリを発見した。

 ゼリーのような質感の、ピンク色のハートがひとつ。

 これまで見たこともないカタマリに興味を引かれた女性は、専門家に映像を送って判断を仰いだ。大きさは手のひらサイズだったという。

 はたしてこのかわいらしいハートの正体は?わかったおともだちはいるかな?

波打ち際で見つけたピンクのハート

 このピンクのハートを発見したのは、ノースカロライナ州立大学で沈没船の生態学を研究している、博士課程の学生ベサニー・ウェイジャーさんだ。

 この日、彼女がビーチを歩いていると、浅瀬にピンクのハート型の塊が浮いているのに気がついた。

 その正体がわからなかったベサニーさんは、この映像をノースカロライナ州の海洋科学コミュニケーターをしている海洋生物学者ジリアン・デイリーさんに送ることにした。

 ジリアンさんはふだんはノースカロライナ州沿岸を拠点に活動しており、SNS上で海の珍しい生き物を紹介している人物である。

 ベサニーさんから送られた動画をみた彼女は、一目でそれが尾索動物(びさくどうぶつ)、つまりホヤの仲間であることを見抜いた。

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image credit: Instagram @shipwreck_girl

その正体はおそらく「マンジュウボヤ」の仲間か

 分類学的にはおそらくマンジュウボヤ(Aplidium属)の仲間の群体ホヤの一種で、一見すると一つのカタマリに見えるが、実際は無数の小さな個虫がゼリー状の外皮に埋め込まれている形状だ。 

 それそれの個体には吸入口と排水口があり、口のように見える小さな穴から海水を吸い込んで濾過し、プランクトンや有機物を漉し取って、海水だけを別の穴から吐き出す仕組みだ。

 海水をろ過して餌をとる際に、海水を吐き出すことで水流を起こし、自ら移動することも。

 動物の一種ではあるが、骨格を持たないゼリー状の身体をしているため、波打ち際に打ち寄せられると、スライムのようなカタマリに見える。

 今回、キュートなハートに見えたのは、たまたま偶然が重なっただけで、通常は球状だったり板状だったり、あるいは筒状だったりと様々な形をとるんだそう。

 同じ動画に写っているもう一つのクリーチャーは、なんだかショウガにも見えなくないかも。

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image credit: Instagram @shipwreck_girl

 また、ピンク色をしているのは、カロテノイド系やポルフィリン系色素を沈着させる細胞の働きであり、たまたまピンクに見えただけだという。

 日本では「ホヤ」というと、もっと硬くて弾力のある食用のホヤをイメージしがちだが、マンジュウボヤは実は日本近海にも分布している。

 今回のハートは手のひらサイズだったようだが、中にはサッカーボールほどの大きさに育つものもいるらしい。

 現在、世界では3,000種以上の尾索動物の存在が知られている。形状もさまざまで、日本では「海のパイナップル」と呼ばれたり、人によっては好き嫌いが分かれることから、最近では「海のパクチー」と呼ばれることも。

 海外では「海のチューリップ」や「海のレバー」と呼ぶところもあるみたいだ。そしてこのハート形のホヤのように、白く漂白されたような塊は、塩漬けの豚肉に似ていることから現地では「シーポーク」と呼ばれているんだとか。

 一口にホヤと言っても3,000種もあればその色や形は千差万別。ホヤの世界は事程左様に奥深いのだ。

実は意外と人間に近い生き物だった?

 ジリアンさんは、ベサニーさんが撮影した動画に次のような説明をつけている。

ホヤの仲間は、私たち人間にとても近い存在なの。って聞いたらどう感じるかしら?

 実はホヤの仲間は、分類学的には人間と同じ脊索動物の仲間であって、「ヒトに最も近い無脊椎動物」なんだとか。

 幼生の時には脊索や神経管を持っているため、昆虫やウニ、タコ、カニといった生き物よりは、確かにヒトに近いと言えるらしい。

 世にも珍しい「ピンクのハート」のようなホヤを目にしたネットユーザーたちからは、様々な感想が寄せられている。

  • これはいちご。いちごだと思っておこう!
  • よく見かけるけど、何なのか全然わからなかったわ
  • 「近縁」っていう言葉の理解がちょっと違う気がする
    • 確かに関係はあるよ。でも“近い”かって言われると…いや、そうでもないね
    • むしろ私たちはヤツメウナギに近い。ヤツメウナギは無顎類の魚で、私たちもヤツメウナギもホヤから進化したんだ
    • 「めちゃくちゃ近縁」ってほどではないと思う。門レベルで同じってだけだからね。でも他の無脊椎動物よりはずっと近いのは確か
  • 人間は動物であり、大型類人猿の一種だ。人類はさらに古い類人猿から進化してきた。「近縁」という表現は相対的なもので、ホヤと私たちの共通祖先はおそらく数千万年前だろう。でも進化のスケールで見れば、それは意外と短い距離とも言えるんだよね
  • うわあ!私も潮だまりでこれを見つけて、ずっと“何なんだろう”って頭を悩ませてた!教えてくれてありがとう!何カ月も気になってたんだよ
  • まだ生きてるかどうかってどうやってわかる? 死んでるのなら拾いたいけど、生きてるのは海に戻してあげたいんだ
    • 家に持って帰るのはおすすめしないよ、めっちゃ臭くなる!殻も骨もないから飾る価値もないし、ただ腐るだけだと思う
  • えっと…食べられるの?
    • 誰がそんなこと試したいと思うんだよ!
    • 答えはイエス。食べられるよ
  • 浜辺で見つけたら、そのまま海に戻してあげてね
  • この動画のせいで、どれだけ調べものの沼にはまったか君は知らないだろう
  • 私の住んでるところにいるやつは鮮やかなピンクで小さいんだ。こっちじゃ「ネズミの腎臓」って呼んでるよ
  • こんな風に新しいことを知るの大好き! ありがとう!

 こんなワクワクしちゃう出会いがあるから、海の生き物たちへの興味は尽きない。波打ち際でピンクのハートに出会ったら、海からラブレターをもらったみたいで、やっぱりテンションあがると思う。

 何気ない浜辺の散歩が、思いがけず心ときめく瞬間に変わることもある。自然はときどき、こんなハートフルな演出をしてくれるんだ。

References: Beach Walker Baffled To Come Across An Animal Shaped Just Like A Heart

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この記事へのコメント 14件

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    1. これは珍しく面白い🤣

      画像は気持ち悪いね👎
      悪意のある恐ろしい何かの卵に見える

      • -4
  1. いや…原索動物とは遠いでしょ…主観の問題だけどさ

    • -4
  2. ヒトに最も近い無脊椎動物………
    ビックリした~ (/・ω・)/

    • 評価
  3. > 一見すると一つのカタマリに見えるが、実際は無数の小さな個虫がゼリー状の外皮に埋め込まれている形状だ。 

    ひいいいいい

    • +7
  4. 海馬アハイシュケに喰われた者の
    肝臓が打ち上げられたのじゃ

    • +1
  5. 火の鳥にこんな姿に変えられてる人 かな?

    • 評価
  6. ライヤー教授の午後の心臓なら
    もっとリアルだったな

    • 評価
  7. 何かの卵嚢だと思ったら違った
    海に落ちてる見慣れないものは毒があるかも知れないから無闇に素手で触らない方が良いよ

    • 評価
  8. 無脊椎動物という言葉自体がもはや科学的な分類名じゃない。見た目の印象だけで分類していた時代の言葉を使うのはいいかげん止めた方がいいと思う。それだとクジラは魚ってことになる。「クジラは魚なのに人間に近いんだって!」と言ってるのに近い。哺乳類だろ。辞書には確かに「脊椎動物以外は全部無脊椎動物」って載ってるけど結局、辞書作ってる人って文学系のひとたちだから。ざっくり言って貝類と節足動物(カニ・クモ・昆虫)が代表的な無脊椎動物。ただしクラゲは脊椎動物・無脊椎動物よりさらに古い分岐の生物。これが理解できていない。ホヤは脊椎動物と同じ脊索動物のグループ。ちなみにウニは脊索動物よりの生物。

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