メインコンテンツにスキップ

オサガメが潜水艦よりも深く潜る!深さ1,344mの記録を達成

記事の本文にスキップ

17件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 驚異の潜水能力を持つオサガメならそこいらの潜水艦よりまだいける。多くの生物が水圧でぺちゃんこになる深さでもへっちゃらで潜ることができるのだ。

 現生カメ類最大の種であるオサガメは、成体で甲長最大約180cm以上にもなる絶滅危惧種だが、このほど話題になったのは、ウケ・ササコロというのメスのオサガメが出した、ギネスのウミガメ潜水記録よりさらに深い記録だ。

 その栄えある記録は、なんと深さ1,344m(4,409フィート)。もとから潜水好きな彼女はソロモン諸島で産卵した後、この驚異的な深海ダイブを達成したという。

従来のギネス記録より深い。深さ1,344mまで潜ったオサガメ

 このほどオサガメの新たな潜水記録を報告したのは、世界的な環境保護団体「ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(The Nature Conservancy)」だ。

 同団体は、オサガメの保護を目的にその回遊ルートを探る研究で、オサガメ(長亀、Dermochelys coriacea)17匹にタグ付けていたが、その中の1匹がウケ・ササコロだった。

 2023年12月にタグ付けされたウケ・ササコロは、ソロモン諸島で産卵すると、南東に泳ぎ、採餌地であるニュージーランドに向かった。その旅の途中、彼女は少なくとも海面下1,344m(4,409フィート)まで潜ったという。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:c Justine E. Hausheer/TNC

 なおこれまでのギネス記録は、やはりオサガメのもので、2006年にアフリカ大陸最西端の岬、ベルデの南西から大西洋までの間に記録された深さ1,280m(4,199フィート)だった。

 ただギネス公式の更新については、今回の記録が、論文発表を控えた学術的な記録のため、そちらの審査や発表が終わるのを待っている状態だ。

 ついでにいうとこのオサガメの名前、ウケ・ササコロとは「ササコロから」という意味だそう。

 このオサガメが南太平洋で最大のオサガメの営巣地であり、現在レンジャーの監視下にある、ソロモン諸島の砂浜ササコロ ビーチの一角から出発したことを意味するそうだ。

一般的な潜水艦より深く潜水

 オサガメは高い潜水能力で知られるが、中でもウケ・ササコロは深海に潜るのが好きな個体らしく、この旅の間になんと4回も、水深約1,200m(3,900フィート以上)まで潜っていた。

 科学誌ライブサイエンス(livescience)によると、これらオサガメは潜水艦より深く潜ることができるという。

 一般的な潜水艦の潜航深度は約900m(2,950フィート)程度で、人間(ダイバー)にいたっては、最深でおよそ332m (1,090フィート)程度だ。

オサガメと一緒にダイブを楽しむダイバーの映像

甲長180cmにもなるカメ目最大種のオサガメ

 カメ目 オサガメ科 オサガメ属のオサガメは、インド洋、大西洋、太平洋、地中海など、熱帯から温帯にかけての外洋に生息し、主に海中のクラゲを食する。

 この種はカメ目最大の種で、成体は最大甲長180cm超、体重700kgにもなるとされ、その前鰭は3m近くになる。また過去の記録によれば甲長およそ260cm、体重900kg超の個体もいたとされている。

 その背中は他のウミガメと質が異なり、骨質の甲羅ではなく皮膚で覆われている。これが英名の「Leatherback turtle」(レザーバックタートル)の由来になっている。

 また骨格の軽さでも知られ、中空の骨の内部に大量の油をもつ。これらの特殊な特徴から、弾力のある体のカメともいわれている。

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

最長70分息継ぎなしで潜水し水圧の変化にも適応

 オサガメの並外れた潜水能力は有名だが、その生態はいまだ謎に包まれている。

 前述したように、彼らの主食はクラゲで、浅瀬の水草を食べることもないため、産卵期以外のメスを除けば陸に寄ってくることもめったにない。

 しかも彼らは赤ちゃん時代ですら、陸にいることがほぼない。卵から孵化したとたんに海に出て、外洋に直行して、あちこちの海をめぐり潜りながら暮らす。

 潜水中の息継ぎが心配になるが、オサガメたちは最長約70分間も潜っていられる。

 また水圧に対し収縮と膨張を繰り返すことができる特殊な体で、潜水から浮上に伴う圧力の変化にも適応しているそうだ。

 このように研究者にとっても非常に興味深いオサガメだが、現在、地球上に繁殖可能な成体のオサガメはわずか 1,400 匹しかいないという。

 原因は、卵の乱獲や漁に巻き込まれて捕獲されるほか、観光客による産卵地の環境悪化があげられている。

References:iflscience / guinnessworldrecords / wikipedia / livescienceなど /written by D/ edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 17件

コメントを書く

  1. クジラとかにしても肺呼吸の生物で深海へ潜れるってどういう構造してるんだろう。
    泳ぐっていう行動だけでも酸素を消費すると思うんだけど、すごいね。

    • +3
    1. >>1
      普通に考えると潜水病にかかりますけど、それを防ぐ体の仕組みがあるのでしょうね。
      それと多分潜水と浮上のときですが、体のどこか(魚でいうところの浮袋、今回の記事では多分骨格の中の油)を使って泳がずに沈降と浮上ができるのではないかと想像します。

      • 評価
  2. 陸でも深海でも活動出来るの強いな
    しかもエサはクラゲて
    栄養なんか無いだろクラゲに

    • +2
  3. 息継ぎなし70分て事はそれより短い時間で1000m以上往復するのか、すごいな

    • +8
  4. たしかアオウミガメは7時間潜水可能だそう。

    • 評価
  5. 70分は通常呼吸だろうけど冬眠みたいに心拍数調整するともっと長いこと潜水できるって話も聞いたな

    • +3
  6. 海の中を呼吸せずにフワフワ何時間も漂ってみたいな

    • +2
    1. >>7
      そしてオサガメに齧られるんですねわかります

      • 評価
  7. 水圧に対し収縮と膨張を繰り返すってのがもう凄過ぎて訳が判らん
    圧力の変化を適時受け流すって事か?どんだけ柔軟な肺なんだ
    元から深海で棲息してるんじゃなくて地上から深海まで行き来できる生物って他に居るんだろうか

    • 評価
    1. >>10
      深海って定義が水深200mより深いところで、海水面近くから深海までを行き来する魚類や頭足類は地味に結構居る
      で、陸上までを含めると、アシカは水深300mまで行けるらしいのでギリ深海行き、ミナミゾウアザラシに至っては水深1500m以上、ソースによっては水深2000mまで行けるなんて話もあったり

      自然ってのはほんと驚異の源だわ

      • +2
  8. 一桁以上深さが違うけど、ネス湖で見つかった水深100メートルの湖底でのしのし歩いてたヒキガエルも大概凄いぞ。

    • +2
  9. ああ、この他の亀と違う甲羅の模様?はそういうことだったんだね!
    にしても凄いなぁ…そんな深いところの水圧はどういう風に体感されてるんだろう。

    • +2
  10. こりゃ水圧差でゴジラ倒すのは無理ですわ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

画像

画像についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

昆虫・爬虫類・寄生虫

昆虫・爬虫類・寄生虫についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。