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ベネズエラが近代になって初めて全ての氷河を失った国となる

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(著) (編集)

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image credit:German Robayo / WIKI commons
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 南米北部の国、ベネズエラは気候変動の影響によって、ここ100年間で少なくとも5つの氷河を失っていた。そして最後に残ったのは、ラ・コロナとしても知られる「フンボルト氷河」だ。

 しかし、気候学者マキシミリアーノ・エレーラ氏によると、ベネズエラのフンボルト氷河の面積は0.02km2にまで縮小し、氷原に格下げされたという。

 アンデス山脈のシエラネバダ国立公園にまだ残っている氷は、あまりにも小さすぎて、氷河とみなすことはできない。そのため、同国で氷河とみなすことができる場所は、完全に消失したことになる。

ベネズエラの氷河が完全になくなる

 複数の学者がBBCに語ったところによると、氷河とは「自重で変形する氷塊」のことだ。大きさに関するはっきりとした基準はないものの、一般には10ヘクタール(0.1km2)以上が目安であるという。また氷河は「谷を埋める氷」であるとする学者もいる。

 こうした点から見ると、現在、ベネズエラに残されたたった1つのフンボルト氷河は、もはや氷河と言えないのだという。

20世紀に入り6つの氷河全てが消失

 20世紀初頭、ベネズエラにはおよそ1000kmにおよぶ6つの氷河があった。かつてのフンボルト氷河は4.5km2を覆っていたが、現在では0.02km2にまで縮小してしまっている。

 2020年の研究によると、ベネズエラにあった氷河の面積は、1952年から2019年にかけて98%縮小したという。

 氷河後退のペースがとりわけ加速したのは1998年頃で、2016~2019年には年間17%近くも後退した。

 こうした氷河の消失は気候変動、地球温暖化によるもので、文化的な影響を及ぼすだけでなく、海面上昇にもつながる。

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フンボルト氷河に残された氷はわずかでもはや氷原となってしまった(2013年撮影) / image credit:Hendrick Sanchez / WIKI commons

氷の融解を食い止める対策も実らず

 氷河の後退を防ぐため、ベネズエラ政府は2023年12月、保温カバー(スキー場を気温の高さから保護するためのカバーのようなもの)を氷に被せてその融解を食い止めようとした。

 しかしこうしたカバーはいずれ劣化し、マイクロプラスチックで環境を汚染する恐れがあるため、専門家からの評判は悪い。

 氷河は夏の間、太陽の光を反射し空気を涼しく保ってくれる。だがフンボルト氷河にはそのために十分なだけの氷がもうない。

 すると日光が地面を暖め、気温が高くなり、夏に氷が張る可能性はますます低くなる。

  1950年代までクロスカントリースキー競技を開催していたベネズエラにとって、これはかなりの悲劇的な出来事だ。

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2015年に上空から撮影されたフンボルト氷河 / image credit:NASA

次に氷河が消失する国は?

 氷河学者ジェームス・カーカムらが語ったところによると、2100年までに世界の氷河の20~80%が消失する可能性があり、その一部はすでに既定路線であるという。

 だが地球温暖化を緩和できれば、救える氷河もある。それは人々の暮らしや、エネルギー・水・食料の安全にとってとても大切なことなのだそうだ。

 今後、氷河が絶滅する恐れがある国として、インドネシア、メキシコ、スロベニアなどが指摘されている。これらの赤道に近く、氷冠が低いため温暖化の影響を受けやすい国々だ

References:Climate change: Venezuela may be first nation to lose all its glaciers / Venezuela becomes first country to lose all of its glaciers – UPI.com / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. あんな赤道直下みたいなところにも氷河あったんやな

    • +1
  2. 江戸時代のような極寒と大飢饉の時代のままだと困るので
    それ以前の気温に戻るのはそこまで悪い事ではない

    • -11
    1. >>2
      食料生産は確かに。ただどこの国も沿岸部に大都市が多いから、海面上昇はダメージ大きいと思う。

      • 評価
    2. >>2
      たしかに今より温暖な気候の時代はあったけど
      長い時間をかけた変化だったので自然や動植物も適応していた。

      今は変化が急激すぎるのが問題

      • +1
  3. カーロス・リベラの出身地だな。
    むしろかつてはそんなに寒い国だったのか、と

    • +2
  4. 人の手でカバーする程度で止まるとは素人目でも無理だろって思うわ
    どっかの商売に利用されたんかね

    • -4
  5. まあ無理だよね。
    影響がはっきり出る国でない国あるだろうし、
    世界一丸となって温暖化阻止に努力するなんてことは起こらない。

    • 評価
    1. >>6
      影響のでない国はどうでもいいって反応だもんね

      日本はかなり影響出てると思うよ
      海外から15年ぶりに帰って来たら夏が異常に暑い上に雪が冬東京近郊に降らなくなっていた
      夏は当時の日記にある気温と5度ほど違う
      ただ二酸化炭素出さないって工場が黙ってないし工場はお金を産むから
      環境ホルモンでオスがメスの様な行動をとってしまい生態系が崩れる可能性があるって昔日本で報道されてたよね
      特に世代がすぐ切り替わるスズメで影響がみられ始めてるって
      要するにみんなオスがゲイになって子供が生まれないという
      実際日本に帰ったらスズメいなくなってたけど日本ではもう環境ホルモンなんて報道はないし、住んでる人は逆に減少に気付いてないよね

      • 評価
  6. 温暖化が怖いのはその後にくる氷河期だからな。
    食料生産もままならず、人類の大半が滅ぶ。
    暖かくなってラッキーとか思ってる馬鹿は救いようがない。

    • +1
    1. >>9
      それだと温暖化自体は怖くないということになるけど
      温暖化も制御不能な以上はリスクでしかない。
      いずれにしろ現代社会が経験したことのない環境になる。

      ちなみにミランコビッチサイクル的には
      数万年後には氷期になるとされてるけど、今のCO2濃度では
      温室効果が強すぎて氷期が来ないとも言われてる。

      • +8
  7. 実は氷河は日本にもあって、剣岳の三ノ窓雪渓や小窓雪渓や立山の御前沢雪渓などは近年になって氷河であると確認された。
    そのうち最大は三ノ窓雪渓で長さ1200m厚さ70mに達する。
    従来は極東地域の氷河の南限とされたカムチャツカ半島から見ると、かなり南に位置するけど3000m級の標高と世界有数の冬の豪雪によって形成されているらしい。

    • +6
  8. 氷河の下の岩肌が露出したらそこから砂漠化が進行したりするのかな
    この星はもうダメかもわからんね

    • 評価
    1. >>11
      氷河は河川への安定的な水の供給源になる場合が多いので…

      • +2
    2. >>11
      今より遥かに温暖な時代でも手当たり次第に砂漠になったりはしてないし、この星が終わったこともない。

      • +1
  9. 少しづつだがよぉ、ベネズエラの大将!おらァ、燃えてきたぜ!

    • -2
  10. アホな戦争なんて今すぐやめて、文明全体で地球環境保全や宇宙開発に全振りすべき

    • 評価
    1. >>15
      宇宙開発って地球環境と切り離して考える人多いけど、地球外に相当量の物資を飛ばすっていうことはそれだけの物を地球を破壊して持っていかないといけないから、全振りしたらかなり荒れると思うよ。月や火星で現地調達っていってもそんな甘いもんじゃないし。だから環境保全とは矛盾する。

      それでもいつかは地球から出ていかないと太陽に飲まれるからね~。

      • 評価
  11. コナン・ドイル「やべぇ、ギアナ高地に恐竜おらんくなったらどないしよ」

    • 評価
  12. 氷河より氷原のほうが小さいとすれば訳語変えたほうがよくないか

    • 評価

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