海に浮かぶ二階建ての家
 4月9日、サンフランシスコ界隈の人たちは、世にも珍しい光景に度肝を抜かれた。サンフランシスコ湾の海上に、2階建ての家がゆっくりと流れているのだ。

 だが安心して欲しい。どこかの家が流されちゃったわけではない。これは「ハウスボート」と呼ばれる、海に浮かべたボートの上に建っている家だ。

 ボートであるからもちろん移動は可能なのだが、通常は桟橋に固定されていて、こんな風に海上を移動することは滅多にない。

 今回のこの光景は、停泊地の移動に伴う「お引っ越し」のワンシーンだったようだ。
Two-story houseboat moved from Redwood City to Sausalito

立ち退き要求に応じ、海の上を移動するハウスボート

 報道によると、この「家」はカリフォルニア州サンマテオ郡にあるレッドウッドシティのドックタウン・マリーナにあった、一番大きなハウスボートだそうだ。

 再開発の進むレッドウッドシティでは、陸上に住む住民たちにより、ハウスボートの「停泊」は違法だとの訴訟が起こされていた。

 今回目撃されたのは、そうした住民からの立ち退き要求に応じ、レッドウッドシティのドックタウン・マリーナを後にして、次の引っ越し先に向かう途中のハウスボートの姿だ。

 目指すのは同州マリン郡サウスリートのコモドア・マリーナだ。なお、そこもドックタウン・マリーナと同じサンフランシスコ湾に位置する。つまり、つまり今回の移動はさほど長距離ではなく、同じ湾内を移動する程度のものだったようだ。

 かつては100人以上が暮らす集落があったドックタウン・マリーナだったが、訴訟によりハウスボートのコミュニティは消滅。

 今回目撃されたハウスボートは、最後から2番目の立ち退きだという。つまりあと1軒(1艘?)残っているということか。
20240414_183925 (3)_batch

潮の流れに翻弄されつつ、無事引っ越し先に到着

 8日の朝にドックタウン・マリーナを出発したハウスボートは、潮流の問題などで予定を大幅に超え、9日になって多くの新しいご近所さんたちが見守る中、コモドア・マリーナに到着。

 次の満潮を待って、現在停泊している左側の家と入れ替えると、引っ越しはようやく完了するそうだ。
20240414_183925 (5)_batch
 ハウスボートの引っ越しはXでも話題になっており、「今ココ!」と現在位置の実況などもされていた。

 この画像を見ると前方にタグボートらしき船が見えるので、どうやら自走しているのではなく、ゆっくりと曳航されているようだ。  引っ越し先のサウサリートは、サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡った先にある地区で、ここではハウスボートが集まって一つの街を形作っている。

そもそも「ハウスボート」とは?

 ハウスボートとは読んで字のごとく、船と家が合体した形態の住居である。基本的に発電設備なども備えており、自力での航行が可能なものも多いんだとか。

 それだけではヨットなどの船室やワンルーム程度のものを想像するかもしれないが、今回話題になっているハウスボートは、文字通り普通の「家」が海に浮いているわけなんだ。

 百聞は一見に如かずというわけで、まずはこちらの動画を見てほしい。これはハウスボートのプロモーション用の映像で、周囲の様子やインテリアなんかがわかりやすく紹介されていると思う。

 普通の家と全く変わらない…というか、むしろゴージャス?
Floating Home for sale 40 Liberty Dock, Sausalito California. Bay Area Waterfront living

意外と快適なハウスボート暮らし

 海に浮かんでいると聞くと、嵐が来たらどうするの?とか思っちゃうよね。サウサリートのあるサンフランシスコ湾は、半島によって太平洋から守られているため、一年中とても穏やかな海なんだそうだ。

 インフラも整っていて、水道・電気・電話はもちろんインターネットも使える。ちなみにトイレに関しては、桟橋ごとに下水道が設置されているので、きちんと繋げば無問題。

 中にはAirBNBで宿泊できるハウスボートもあるようなので、興味のある人はサンフランシスコを訪れた際、泊まってみてもいいかもしれない。

References:forced to move — by drifting across the San Francisco Bay / Floating Home: Two-Storey House Embarks On Journey Across San Francisco Bay / written by ruichan/ edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2024年04月17日 17:29
  • ID:4qvg5sKT0 #

ハウスボートいいな
マインクラフトに実装してくれ

2

2. 匿名処理班

  • 2024年04月17日 17:43
  • ID:RMNavn3u0 #

食料も釣り糸を垂らしてその場で調達

3

3. 匿名処理班

  • 2024年04月17日 18:44
  • ID:dHnxp0sW0 #

ファンタジックな光景と思ったが、なかなか厳しい事情のようで・・・

4

4. 匿名処理班

  • 2024年04月17日 19:08
  • ID:ezv2GOwV0 #

まーたのび太がドラえもんそそのかしたのか。

5

5. 匿名処理班

  • 2024年04月17日 20:58
  • ID:BwtaEa280 #

TSUNAMIがやばそうだね

6

6. 匿名処理班

  • 2024年04月17日 23:13
  • ID:GYPF0Vju0 #

下水(生活排水と糞尿)は垂れ流し?

7

7. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 00:06
  • ID:Ky0sG7Cl0 #

ちょっと楽しそうだけど
普通の家より維持費かかりそう
隣近所が近過ぎだし
庭が無い…

8

8. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 00:10
  • ID:.hBV4Ul10 #

津波もだが
台風が直撃する地域では無理だろうね

ヨーロッパではベッドルームにバスタブがあったりするが
日本じゃ室内カビだらけになる
あれは乾燥した地域だからこそ
住居や文化の違いは気候の違い

9

9. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 01:52
  • ID:KNJK6g500 #

>>6
本文記事をちゃんと読もう。
桟橋ごとに下水道が完備されてて、そこに接続する事で使用できるんよ。

10

10.

  • 2024年04月18日 08:28
  • ID:v22Qzu5o0 #
11

11. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 09:39
  • ID:dMc9EMRR0 #

ノア「商売あがったりや」

12

12. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 10:40
  • ID:.L.iokOn0 #

BnBで一泊二泊ぐらいなら物珍しくていいかもだけど、住むとなると見るからに復原性が低そうでちょっとコワイ。

13

13. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 10:42
  • ID:4z3rr9oK0 #

ボートハウスやトレーラーハウスは童心を刺激する
『リキのひっこしじてんしゃ』大好きだったんだよねw

14

14. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 11:08
  • ID:Eez..STw0 #

ひょっこりひょうたん家

15

15. 匿名処理班

  • 2024年04月18日 14:50
  • ID:Go.zdoGo0 #

オランダもハウスボートが一万世帯くらいあって人気の住居らしいね
国土が狭いからっていう事情もあるみたいだけど

16

16.

  • 2024年04月18日 18:53
  • ID:Z.GZRIys0 #
17

17. 匿名処理班

  • 2024年04月19日 01:34
  • ID:nfrzjM370 #

日本にも昔「家舟」と呼ばれる水上生活民がいた。
その起源は中世の水軍など海運を生業とした人々にさかのぼるとも言われている。

明治に入ってから戸籍制度の整備、ひいては徴兵の便宜のために陸上への移転を強いられて徐々にその数を減らしていった。完全に姿を消したのは戦後になってから。経済の発展にともなって港湾整備が進み舟の係留が難しくなった、という事情も加わったらしい。

我々の「現代」とは、ある種の自由の喪失の上に成り立っている。

18

18. 匿名処理班

  • 2024年04月21日 12:08
  • ID:84e4PaEw0 #

これ金持ちの趣味なのかな? それとも土地代+固定資産税よりハウスボート化+水上であるが故の維持費の方が安くすむのか

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