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犬型ロボットも忠犬だった。警察官を守り銃で撃たれ意識不明に

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(著) (編集)

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 アメリカで起きた立てこもり事件で、警察が投入した「ロスコー」という名の犬型ロボット(スポット)が、犯人に銃で3度も撃たれたニュースが反響を呼んでいる。

 すでに犯人は逮捕されたが、警官を守るため、武装した犯人に立ち向かい、ライフルの銃弾に倒れたのだ。

 ロスコーは意識不明(操作不能)になり、製造元のボストン・ダイナミクス社で治療(修理)を受けている。

 なおボストン・ダイナミクス社にとって自社のロボットドッグが撃たれたのは初の事例だという。

Robot dog shot during armed barricade incident in Massachusetts, police say

警察の代わりに銃弾を3度も受けた犬型ロボット「ロスコー」

 アメリカのマサチューセッツ州ケープコッドの都市バーンスタブルの民家で3月6日、ライフルで武装した容疑者の立てこもり事件があった。

 この時、ロボット警察犬も事件解決のために現場に向かったが、容疑者から銃で3度も撃たれてしまった。

 負傷したのは「ロスコー」という名のロボットK9で、警察に代わって犯人と接触を試みる任務にあたっていた。

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image credit:MassStatePolice/facebook

立てこもり事件の容疑者を驚愕させたロスコー

 マサチューセッツ州警察が発表した、今回の立てこもり事件の概要はこうだ。

 3月6日正午、立てこもり事件の連絡を受けた署は、ケープコッド警察のSWATチームの支援のため、警官3名からなる爆発物処理班を出動させた。

 現場の住宅に到着した処理班は、容疑者がライフルを警官に向けて発砲しながら自宅に立てこもっていることを把握した。

 そこで処理班が、署で運用中の多目的ロボット 510 PackBot(パックボット)2台と、ロスコーを含む犬型ロボット(スポット) 2匹をリモコンで配備して情報収集。これにより、安全に住宅内の状況を探ることができ、容疑者の位置も特定できた。

 ロスコーは、住宅の地下でクローゼットの中を確認したりしていたが、別のドアを開けようとした矢先に、急に現れた容疑者にライフルで撃たれて倒れてしまったのだ。

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image credit:MassStatePolice/facebook

 倒したと確信した容疑者は1階に引き返す気で階段を上り始めた。ところが、リモコンで再び立ち上がったロスコーが背後から追跡していることに気づいて驚愕し、またライフルを向けた。

 そこでロスコーの通信は途絶えたが、のちの調査で合計3度も撃たれて操作不能になったことが判明した。

 一方、警戒した容疑者が他のロボットを撃ち始めたところで、SWATが窓から催涙ガスを投げ込み、容疑者をあっさりと取り押さえた。その後容疑者はバーンステーブル警察に引き渡され逮捕された。

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image credit:MassStatePolice/facebook

ロボットが人命を救うことに使われる素晴らしい例

 銃弾に倒れたロスコーは警察により、製造元のボストン・ダイナミクス社に送られ、弾丸を除去された。

 海外メディアによると、ボストン・ダイナミクス社は、自社のロボットドッグが撃たれたのは初のことだと述べ、こうコメントした。

その日の犠牲者が私たちのロボットのみだったことに安堵してます。スポットのような移動型ロボットが人命を救うことに使われる素晴らしい例です

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image credit:MassStatePolice/facebook

ロスコーが警官や警察犬を守ったと警察が賞賛

 犯人の詳細や罪状は不明だが、マサチューセッツ州警察は、今回のように武装した犯人に対する戦術的任務において、ドアを開けて、階段を上るなどのロスコーの移動スキルは利点になる、それを示す好例になったとし、こう述べている。

この事件で、リモコン操作ができ、情報収集にも役立つロボットのロスコーを投入した段階で、警官や本物の犬(警察犬)の出番が減り、起こりえた銃撃戦から彼らを守ることができた可能性があります

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 お手柄だったロスコーは実質引退というか、初の事例のためボストン・ダイナミクス社の社員のもとに留まって研究に貢献することになり、州警察には新たなスポットが提供されるという。

 SF作品だとよくある設定だったけど、事件や事故の危険な現場にロボットが真っ先に出動する世界はもう現実になってるもよう。

 ただ、同じアメリカでもニューヨークでは使えないロボットポリスが解雇されたりしているし、これからは使う立場の人間の手腕が問われるようになるのかも。

References:itv / futurism / youtube / facebookなど /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. 警察や警察犬だけじゃなく犯人のことも守ったと言えるね
    ロボットなら修理すればいいし

    • +8
  2. お婆ちゃんがピンチでも、全然助けなかった奴とは大違いですね。

    • -1
  3. 何か違う。
    ロボットが自発的にせよプログラム行動にせよ撃たれそうになった警官の前に立ちふさがって銃弾を受けたなら守ったと言っていい。
    これは、撃たれる前提で警官に先んじて武装した犯人の前に突入させられ、被弾してなお立ち上がって犯人に向かい注意を引くようオペレータに操作されただけ。
    言い方によっては犠牲を強いられたとも言える。
    もちろんその結果犯人の射線に警官が入る機会は減り、警官は感謝しているだろうけども。

    • -3
    1. >>5
      結果論になるけど、そこそこ動けるロボットで犯人をうまく誘導してライフルに装填してる弾を減らしたり、気をそらせるという作戦を、命あるものを危険にさらさすことなくできるようになったという点では意義があると思った
      下手に刺激したら流れ弾でも死んじゃうからね

      • +14
      1. >>8
        意義はある。それは理解してる。
        ただそれを忠犬だ!などと感動物語にしようとするのが嘘くさいというか気持ち悪いんだ。
        単純に正確に新規導入した設備がその有効性をいかんなく発揮した、これからも同様の装備が普及するだろう。で良いと思うんだ。

        • +1
        1. >>16
          忠犬だとか意識不明とかの表現は伝える側が衆目を集めんがため勝手に言ってるネタで、記事を読み、それを字面どおりバカ正直に受け取る者は、よほどの子供か脳天気以外ありえない。そんなことまで噛みつくなら、ずいぶんナイーブなやつだなで終了。このレベルで気持ち悪くなった自分の神経質な心理を、まわりに共感求めるべく主張する必要はない。

          • -2
        2. >>16
          そう考える人はあまり多くないということだよ。

          • -2
        3. >>16
          これ感動物語か?タイトルはともかく内容はただ事実しか書いてないじゃん。警察もロボット会社誰も感傷的なコメント出してない。ちょっと嫌味な方向に想像力働かせすぎじゃない?
          何かにイラつく時は自分に問題があることが多いんだよ。

          • +1
        4. >>16
          その気持ちは分かる。世の動物感動話も習性や習慣の類と言いたい事もあるでしょう。しかし、そうした方がウケはいいし、多少なりとも人の関心を持たせる事もできるからね。
          そして、ドライな言い方をすれば、関心を持ってもらい、いい印象が付けば商品としての価値を高める事になるし、あわよくば、支援なども増える事にも繋がるかも知れないというイメージ戦略もある。メディアだって、そういう見出しの方が手に取ってもらえるからやっているだけしかないんだよ。つまり、何事もイメージが大事って事です。

          • +1
  4. カラーリングと傷が映画の「ロボコップ」そのまんまやがな

    • +6
  5. すごいなー
    なんか涙出ちゃうよ歳かな

    • +3
    1. >>11
      神様、僕たちは、なんて無力なんだ

      • +2
  6. 言い方はちと盛り過ぎな感はあるが、まぁロボットの正しい使い方よな
    人命と違って修理可能な訳だし

    • +7
  7. ロスコー「ロスコー ウゴケナイ イママデ アリガt」

    • 評価
  8. 勘違いしている人が多いが、ロボコップとは違う

    リモコンで操作されてるだけのただの機械だ

    • +3
  9. 所詮人が動かしているただのロボットだから守ったとは違う、という意見もあるけど例えば「胸ポケットに入れたお守り代わりの時計が銃弾から彼を守った」みたいな言い回しはわりとあると思うのでそのものに意志があるかどうかはあまり関係ないのではないかなあという気がした

    付喪神を信じる種である自分としては人を守るために使われてきた意思のないはずのモノに宿る何かがあるというのは夢があっていいなとも思うけどね

    • +7
  10. イラクとかアフガンでもこういう話しあったな。
    命を預けるに値する信頼を得たならたとえそれが機械でも大事な仲間足りえるってことだね

    • +2
  11. この手のロボット分野で
    日本はアシモ以降何も聞かないけど
    世界に大分置いてかれた感じだね

    • 評価
    1. >>30
      それって大きな問題だわな。

      この記事の事例の様に階段を上り下りしたりドアを開けて進むなりといった人間の生活圏内で活躍するロボットとしては、車輪ではそこまでは無理だし二足歩行は現状では安定性や転倒した場合の対処法などでまだ実用化には時間を要するから当分の間は四足歩行ロボット一択。
      にもかかわらず日本では企業も大学などの研究機関も四足歩行ロボットを殆ど研究してない。
      そうこうしてる内にアメリカと中国では市販もされ実用化の段階に入り、韓国もボストンダイナミクスを買収して準備を整えている。
      これからこういった人間の生活圏内で活躍するロボットはどんどん増えてくると予想されるのに、このままでは家庭内を含めて街中で活躍するロボットはかつてのドローンみたいに殆ど外国製になってしまうぞ。本当に日本の企業や大学などの研究機関は危機感を持って巻き返しに動くべき。

      • +2
  12. ロボットを故意に傷つけた人物を人間と同じ法律で罰するようになるかもね
    器物損壊じゃなく、傷害事件に
    いずれ起こりうる事態なので日本も法整備をするべき

    • -1
  13. こういったロボットが普及してインフラ化してくると、通信妨害に重い罰則が科される様になるかもと思って調べたら、もうなってるかも。
    携帯電話などの電気通信事業、警察、消防、放送を妨害すると5年以下の懲役、または250万円以下の罰金。
    “などの電気通信事業”ってドローンやロボットが当てはまるじゃん。
    ガジェットに技適マークがあるか確認する習慣もこの法律があるからだと思う。

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