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デス・スターによく似た土星衛星ミマスを覆う氷の下に液体の海が秘められている可能性

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(著) (編集)

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 土星の第1衛星「ミマス」の表面を覆う氷の下に、液体の海があるらしいことが判明したそうだ。

 ミマスは小さな衛星だが、直径の3分の1ものクレーターがあり、特定の角度から見ると、映画『スター・ウォーズ』に出てくる架空の人工天体要塞「デス・スター」にそっくりなことで有名だ。

 これまで液体の海があるとは考えられていなかったが、カッシーニ探査機が集めたデータの分析と、シミュレーションによる検証の結果、氷の下に液体がある可能性が明らかになったという。

 それは2500万年前にできたばかりの太陽系でも新しい海で、氷の下に海を隠し持つ衛星の進化を知る貴重なヒントになるそうだ。

なぜかフラつく土星衛星「ミマス」の謎

 太陽系の理解が進むにつれ、私たちが暮らしているこの宇宙は結構水っぽいことがわかってきた。

 たとえば、木星の衛星「エウロパ」や土星の衛星「エンケラドス」などは、表面をおおう氷の下に液体の海があると考えられている。

 土星に最も近い軌道を公転する、直径396.4 kmほどの小さな第1衛星ミマスにも、これまで海が存在する可能性が示唆されていた。

 だが氷の下に隠された海のサインの1つとして、表面に走る亀裂が挙げられるが、ミマスにはなかった。

 かわりにミマスの表面はクレーターでボコボコだ。最大のハーシェル・クレーターは直径130kmとミマス自体の3分の1もあり、そのおかげでデス・スターのような姿になっている。

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デス・スター」のような衛星ミマスのイメージ / image credit:Observatoire de Paris – PSL, IMCCE

 こうしたことから、ミマスをおおう表面の氷をどこまで掘ってもずっと氷で、それが岩石でできたコアまで続いているとされてきた。

 だが、ミマスには1つ奇妙なことがあった。それが土星をぐるぐると周回するとき、なぜだかフラフラ揺れているのだ。

 このことは、その内部で何やら起きているだろうことを示唆している。

 フラつきの原因については、2つの仮説がある。

 1つは、ミマスの中心にある岩石のコアが細長いというもの。もう1つは、じつは大きな海が隠されているというものだ。

氷の下に海がある可能性が濃厚

 パリ天文台の天文学者ヴァレリー・レイニー氏らは、土星探査機「カッシーニ」が集めた観測データを入念に調べ、そのうえでミマスの動きをシミュレーションして、2説のどちらが正しいのか検証してみた。

 そして明らかになったのが、もしもミマスの中身が氷と岩石だけでできているのならば、フラつくために、そのコアはほとんどパンケーキのように細長い必要があるということだ。

 だが、それではミマスの観測データとも、太陽系天体の形成モデルとも完全に矛盾してしまう。

 ということはもう1つの仮説、すなわちミマスの内側には大きな海が隠されているという説の方が、ずっと説得力があるということになる。

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photo by Pixabay

生まれたばかりの新しい海

 面白いのは、もし本当にミマスに内海があるのならば、それがかなり新しいものである可能性が高いことだ。

 ミマスの動きやその表面に海の痕跡がないことから、内海はできてからまだ2500万年も経っておらず、海が氷の下30kmにまで届いたのは、ほんの200万~300万年前のことだと考えられる。

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異なる内部構造モデルと海洋の存在下での、経度方向のlibration振幅 ϕs と近日点移動の変化 Δϖ 。色は氷殻の厚さ hs を表す。灰色の領域は測定されたlibration振幅と近日点経度の変化に対応する。分散は地殻の極と赤道の扁平に対する感度を表す / image credit: Nature (2024). DOI: 10.1038/s41586-023-06975-9

 だが45億年の歴史がある太陽系において、ごく最近になって突然海が誕生したのはどうしたわけだろう?

 氷の下に液体の海ができるには、内側を温める熱源が必要だ。そして内海があるとされる衛星の場合、他の天体から受ける一貫性のない重力の作用で発生する摩擦熱が、それであると考えられている。

 ミマスの場合、太陽系が誕生して以来、土星の公転軌道はほぼ円形で、重力の相互作用はかなり安定していた。

 だが5000万年くらい前、ディオネやタイタンといった土星の衛星の影響を受けて、ミマスの軌道が楕円に歪んだ。それによって土星から受ける重力の作用もまた変化し、内部が加熱され始めたのだ。

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海があるとされる衛星。左上から時計回りにエンケラドス、エウロパ、ガニメデ、タイタン。中央にあるのがミマス / image credit:Frederic Durillon, Animea Studio | Observatoire de Paris – PSL, IMCCE

海の進化を知る手がかりに

 このことは、内側に海が隠された天体に決まりきった姿はないことを告げている。

 見た目だけで人の中身までわからないように、亀裂のような外見の特徴からだけで、衛星の中身まで判断できないということだ。

 またミマスの海はかなり新しいため、氷の下の海がどのように形成・進化するのか理解する手がかりにもなるかもしれない。

 「エンケラドス、天王星の衛星、あるいはカイパーベルト天体など、今は静かな氷の世界が過去にどのように進化してきたのか、それを知るための窓をミマスはもたらしてくれる」と、論文で述べられている。

 こうした氷の世界は地質学的にはかなり急速に変化する。ミマスは、それが今すぐ起こりうるとても希少な場所なのだそうだ。

 この研究は『Nature』(2024年2月7日付)に掲載された。

References:Mimas’ surprise: Tiny moon holds young ocean beneath icy shell / Saturn’s ‘Death Star’ Moon Is Harboring a Secret Sloshing Ocean / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. どの星も結局表面には何も無いんだなあ
    地下をなんとか調べて欲しいけど
    探査機が無人で穴掘るなんて出来る訳ないしな
    地下に続く大きな洞窟でもあればいいのに

    • +1
  2. 2500万年前って地球では初期の類人猿が出現し始めたあたりらしいよ。恐竜はが滅んだのは6500万年前くらいらしい。なんて新しい海!

    • +5
    1. >>3
      ちょっと、望遠鏡を貸っしーに (;^_^A

      • +6
  3. ジュールベルヌの地底旅行の世界みたいな感じですか

    • +2
  4. ここはおっさんが楽しいインターネットですね?

    しかし、惑星同士の摩擦力って本当に面白いね
    なんか大して影響を受けていなさそうな気がするけど、長期間で蓄積された影響力が凄い

    • +1
  5. ここで「ハーシェルクレーターの隕石がでかくて、まだコアと融合しておらず重心がミマスの中心になくてグラグラしている」という第三の説を唱えよう。

    といいつつ、液体の海があるだろうなと思うんだけどね~

    • 評価
  6. >だが5000万年くらい前、ディオネやタイタンといった土星の衛星の影響を受けて、ミマスの軌道が楕円に歪んだ。

    何で5000万年前に急に影響を受けだしたんだろう?
    天体衝突とかで軌道が微妙にずれたとか?

    • +1

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